「頑張ってください」と上司に言いたいとき、もっと丁寧な表現はないかな?と悩むことはありませんか。今回は「頑張ってください」の正しい敬語表現を紹介していきます。
「頑張ってください」は、「頑張る」の連用形+「ください」で成り立っています。 「頑張る」は「どこまでも忍耐をして努力する」という意味で、「頑張ってください」は相手を激励・応援するときに使います。 「ください」は、「くれる」の尊敬語「くださる」の命令形「くだされ」の口語形です。 「くださいませ」の略と解釈することもできます。 「頑張ってください」は文法上は正しい敬語ということになります。
「頑張ってください」は文法的には正しい敬語ですが、ビジネスシーンで目上の人に対しては使用すべきではありません。理由は下記です。 ①「頑張ってください」は「努力しろ」「忍耐しろ」「耐え抜け」という意味合いです。 一般的に上司や取引先に対して激励するのは失礼にあたりますので、いくら敬語でも「頑張ってください」は使わない方がよいでしょう。 ビジネスでの激励や労いは基本的に立場が強い人が弱い人に対して行うということを覚えておきましょう。 ②「ください」という表現ですが、敬語ですがあくまで命令文です。 目上の人に対して何かを命令文を使うのは避けた方がいいでしょう。「〜ください」という言い方は丁寧さに欠けてしまいます。 ③「頑張ってください」は俗用されています。 「頑張ってください」は日常的にも多用されますし子どももよく言う表現で、ビジネスシーンでは相手に稚拙で雑な印象を与えてしまう可能性があります。 しかし、「頑張ってください」は「頑張ってね」「頑張れよ」などよりかは明らかに丁寧な表現なので、親しい関係の相手に対しては使用しても問題ないでしょう。 状況や関係値によって、適切に使い分けしましょう。
一方で、上司だからと言って「頑張れ!」と部下に多用するのは現代社会ではリスクが伴います。 「頑張れ!」ということで、精神的な苦痛を感じる従業員も少なくありません。 激励されることでモチベーションが上がる人もいれば、憂鬱な気持ちになってしまう人もいます。 上司の立場の人は、部下がどのようなタイプの性格なのか、しっかりと見極めて「頑張れ!」という言葉を使いたいものです。
「頑張る」は実は当て字だと知っていましたか? 「頑張る」の語源は「我(が)に張る」で、「自分の考えを貼り通す」という意味でした。 そこから転じて、「忍耐して努力する」という意味が生まれました。
「頑張って下さい」のように「ください」を漢字表記されている文章をよく見かけますが、こちらは厳密には誤りです。 「下さい」は本動詞のときに使い、「ください」は補助動詞のときに使います。 「下さい」は「もらう」の命令形として使われ、「○○を下さい」の形で用います。 「ください」は「〜してください」と他の動詞を補助する役割をします。 例えば、「返事を下さい」=「返事をしてください」となります。
「頑張ってください」は社会人が上司に対して使うのは避けられるべきですが、小学生、中学生、高校生、大学生が部活動やサークルで先輩に「頑張ってください」と使うのは許容です。 「社会人になっても頑張ってください」「大学にいっても頑張ってください」などと言うのは自然で、不快な思いをする先輩はほぼいないと思われます。
ビジネスメールは口語よりも堅く丁寧な敬語表現が求められます。 ビジネスシーンにおける「頑張ってください」の敬語の言い換えは、下記の表現が一般的です。
なかでも「健闘」は「がんばってたたかう」という意味なので、「頑張る」に最も意味が近いです。 「健勝」は「健康であること」を指しますので、年賀状など形式的な文章の結びの言葉としてよく使われます。 また、「ご活躍」は個人に対して使いますが、企業や集団に対しては「ご発展」を使います。
例文
上司を口語で励ましたり、元気づけるときには、
がよく使われます。 「陰ながら」は「ひそかに」という意味で、具体的にできることは少ないが精神的な支えでありたい、というニュアンスを相手に伝えることができます。単に謙虚さを表現するために使う場合もあります。
例文
上司や取引先の体調を案じるときには、
を使います。 「お大事になさってください」はすでに病気や怪我をした人に対して使うことが可能ですが、「ご自愛ください」はすでに病気の人には使うことができませんので注意してください。「ご自愛ください」はメールや手紙の結びの言葉として使われることが多いです。
例文
上司が出張に行くときにも「頑張ってください」ではなく「どうぞお気をつけて、いってらっしゃいませ」を使います。 「今日は気温が下がりそうですが」「本日も暑いですが」などと冒頭に添えるのもよいでしょう。
「お励みください」「お励みくださいませ」も「頑張ってください」と同じ理由で使用を避けるべき言い回しです。 「お〜ください」で正しい尊敬表現ですが、「励む」は「努力する」「精を出す」という意味で「頑張る」の同義語です。 目上の人に努力を要請することには違和感を覚える人が多いので、「お励みください」も使用しない方がよいでしょう。
「期待しています」というフレーズも目上の立場の人に対して使用すべきではありません。 「期待する」の意味は「成果を信じて待つ」です。部下は上司の成果を確認する立場にありません。 よって、「期待しています」は目上が目下に対して使う表現ということになります。 ビジネスシーンでは、「期待に応える」「ご期待に沿う」などの表現も存在します。
「頑張ってください」「頑張れ」と上司から言われた場合は、「ありがとうございます。最善を尽くします」と返事すればよいでしょう。 まずお礼してから、頑張る旨を伝えると丁寧です。
などと消極的な返しは避けましょう。 相手は励ますために言っているわけなので、相手の気分が明るくなることを返しましょう。
「頑張ってください」の英語は、
などがあります。
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などがあります。 中国語の「頑張れ」は「加油」が有名ですが、これはスポーツ観戦のときなどに使う言い回しです。 ビジネスでは「坚持(堅持)」という表現を使うことが多いです。 日本語と同様で、中国語でも目上の人に対して「加油(頑張れ)」は使いません。
「頑張ってください」の韓国語は「힘내세요(ヒムネセヨ)」となります。 若者は英語「fighting」からとって「파이팅(パイティング)」をよく使います。日本語では「ファイト」ですよね。
「お疲れ様です」「ご苦労様です」は慣習的に目上に対しても使われていますが、本来は目上の人が目下の人に労う言葉です。 上司が退社するときは「お気をつけてお帰りくださいませ」、自分が退社するときは「お先に失礼します」などと言い換えましょう。
「了解しました」もよく目上に対して使っている人がいますよね。 「了解」は敬語表現ではないので、「承知しました」「かしこまりました」などと言い換えましょう。
「大丈夫です」は自分よがり、「結構です」は上から目線、「構いません」は冷たい印象、という理由で目上の人には使用しない方が無難です。
などと言い換えるのがよいでしょう。
「参考になりました」も上司にはNGワードです。 「参考」は自分が意思決定する上で足しになった、というニュアンスがあるので、目上の人に対しては偉そうな意味合いになってしまいます。 「大変勉強になりました」と言うのがよいでしょう。
「すいません」は「すみません」を言いやすくした口語表現であることを知っていましたか? なので、「すいません」では「すみません」の方が丁寧です。 しかし、ビジネスシーンで謝罪するときは「申し訳ございません」の方が一般的です。
「なるほど」は立場が上の者が下の者に対して使う表現ですので、上司には使えません。 「なるほどですね」は文法的にも不適切な日本語ですので、ビジネスシーンでは使わないようにしましょう。 かなり稚拙な印象を相手に与えてしまいます。 「左様でございますか」と言い換えるのがよいでしょう。
「ご〜させていただきます」は厳密には二重敬語ですが、正しい謙譲表現だと定着していますので、文法上は問題ありません。 しかし「させていただく」は「相手の許可」が必要な言い回しになります。 なので「ご〜させていただきます」は「〜いたします」と置き換えるとよいでしょう。