「皆無」という言葉をご存知でしょうか。「皆無に等しい」「皆無だ」などと聞いたことがあると思います。では、「皆無」の意味についてしっかりと理解しているでしょうか。普段そこまで多く使わない言葉ということもあって、意味を知らないまま使っているケースがあるかと思いますが、正しく使うようにしましょう。「皆無」を正しく知っておかないと、相手に誤解を与えてしまうことがあるので、使用する際は注意する必要があります。そこで今回は「皆無」の意味や使い方、「絶無・虚無」との違いについて解説していきます。「皆無」を適切に覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「皆無」は<かいむ>と読みます。 「皆」は音読みで「カイ」、訓読みで「みな」と読みます。 「皆」は「全部。すっかり」を意味します。 「無」は音読みで「ム・ブ」、訓読みで「ない・なみする」と読みます。 「無」は「存在しない。〜がない」を意味します。 「皆無」の意味は、 1.少しもないこと。物の全く存在しないこと。全然ないこと 2.(下に打ち消しの表現を伴って)全く。さっぱり 3.残らず。全部。ことごとく です。 単に「ないこと」ではなく、より強調した「何もないこと・完全にないこと」を表します。
上記で説明したように「皆無」には3つの意味があります。 「皆無」は2と3の意味で使うことはほとんどなく、1の「少しもない」という意味で用いることが多いです。 「皆無」は、完全に全くないことを表す場合に使います。 例えば、「成功する可能性は皆無」だったら「成功する可能性は全くない」=「0%」という意味になります。 ただ、0%でなくても「皆無」を使うことがあるので、「ほとんど0といっても良いほど成功する可能性は低い」という意味も含みます。 言い回しとしては、
などとなります。 「語彙力が皆無だ」「コミュニケーション能力が皆無だ」などの使われ方もよくあります。 この場合も、「まったくない」「少しもない」という意味で用いています。
例文
「皆無」という言葉自体に「物の全く存在しないこと」という意味が含まれているため、「まったく皆無」は二重表現となります。 二重表現とは、同じ意味の語を重ねる言葉の技法のことです。 「まったく皆無」以外にも、「全然皆無」「一切皆無」「まるっきり皆無」なども誤用になります。 時々「まったく無い」「全然無い」などと使われていることがありますが、誤りなので注意しましょう。
「ほぼ」は「おおかた。おおよそ。大略。あらあら」を意味します。 「ほぼ全員集まる」「ほぼ間違いない」「ほぼ片付いた」などと使います。 「ほぼ皆無」は「おおよそ可能性は低い」という意味合いとなります。 「ほぼ皆無」は「ほとんど皆無」や「あらかた皆無」などと同じニュアンスです。 「ほぼ皆無」は許容されるが、「皆無に等しい」の方がよく使われる言い回しです。
「絶無」は<ぜつむ>と読みます。 「絶無」の意味は「すこしもないこと」です。 「絶」は「遠く隔たる。この上なく。非常に」、「無」は「存在しない。〜がない」を意味します。 「皆無」は「少しもないこと。物の全く存在しないこと」 「絶無」は「まったくないこと。完全にないこと」 このように、「皆無」と「絶無」はほぼ同じ意味ですが、意味合いが少々異なります。 「絶無」は「後にも先にもまったくないこと」を表すのに対して、「皆無」は「まったくないこと」だけでなく「完全とは言い切れないがまだ少しだけ可能性があること」も表します。 「絶無」の方が「まったくない」という意味合いが強いです。
例文
「虚無」は<きょむ>と読みます。 「虚無」の意味は、
です。 「虚」は「からっぽで何もない。むなしい」、「無」は「存在しない。〜がない」を意味します。 「皆無」は「少しもないこと。物の全く存在しないこと」 「虚無」は「何も存在していなくてむなしいこと。ありとあらゆるものに価値がないと認めること」 「皆無」と「虚無」は意味が異なります。 可能性や見込みがないことを表す「皆無」と違って、「虚無」は人の感情を表すことが多いです。 「虚無」には「かなしい。むなしい」といったニュアンスが含まれます。 よく「虚無感」と言いますが、これは「全てのものに意味や価値を感じず、虚しく思う」という意味になります。
例文
無し (意味:ないこと。むなしいこと) 「文句無しで作業を進めよう」 零<れい> (意味:数えるべきものが一つもないこと) ナッシング (意味:何もないこと。皆無) ゼロ (意味:まったくないこと。皆無) 「ゼロから進めていく」 虚空<こくう> (意味:何もない空間。そら) 空虚 (意味:内容のないこと。物事の内容や心の内部が空っぽでむなしいこと) 「空虚な生活を送っている」 欠乏<けつぼう> (意味:欠けてとぼしいこと。必要な量より少なく困ること) 「資源が欠乏している」 無一文<むいちもん> (意味:まったく金銭を持っていないこと) 「無一文であるから何も買えない」
充溢<じゅういつ> (意味:みちあふれること) 「気力が充溢している」 横溢<おういつ> (意味:あふれるほど盛んなこと) 「元気横溢なので、何でも上手くいきそうだ」 充満 (意味:いっぱいになること。十分に満ちること) 「周りの人は皆、怒りが充満していた」 潤沢<じゅんたく> (意味:物質や利益などが豊富にあること) 「資金を潤沢に使う」 豊富 (意味:ゆたかに富むこと。ゆたかにあること) 「彼は豊富な知識を持っている」 豊か (意味:ものが豊富で、心の満ち足りているさま) 「彼は経験豊かなので、相談しやすい」 豊饒<ほうじょう> (意味:豊かに多いこと。土地が肥えて作物のよく実ること) 「豊饒な土地が広がっている」 豊満 (意味:ゆたかで十分にあること) 「作物が豊満で、しばらく食べ物には困らなそうだ」
「皆無」の英語で
などで表現します。 例文です。
She has no motivation, so there is no use to say anything.
彼女はやる気が皆無なので、何を言っても無駄だ。
He doesn't have knowledge at all.
彼は知識が皆無だ。
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「皆無」について理解できたでしょうか? ✔︎「皆無」は「少しもないこと。物の全く存在しないこと。全然ないこと」を意味 ✔︎「皆無」は可能性がゼロ、もしくは可能性がないと言い切れるほど低いことを表す ✔︎「皆無だ」「皆無に等しい」「皆無に近い」などと使う ✔︎「皆無」の類語には、「無し」「ゼロ」「欠乏」などがある