「関わる」「拘わる」「係わる」という言葉をご存知でしょうか。「生死に関わる」「些細な事に拘わる」などと使います。では、「関わる」「拘わる」「係わる」の意味について理解しているでしょうか。3つとも「かかわる」と読みますが、違いがあります。「関わる」は使うことが多いですが、「拘わる」「係わる」はあまり見かけませんよね。正しく使うためには、意味の違いについてしっかりと知っておく必要があります。そこで今回は「関わる」「拘わる」「係わる」の使い分けについて解説していきます。違いを適切に知って、上手く使い分けできるようにしましょう!
「〜にもかかわらず」の漢字は「~にも拘らず」が正しい表記になります。 「〜にも関わらず」「〜に係わらず」と表記している方もいますが、厳密には誤りです。 「拘」はあまり一般的な漢字ではありませんので、ひらがなで「〜にもかかわらず」と記入することが多いです。 「〜にもかかわらず」は漢語の「不拘」が語源です。「不拘」は現代の中国語でも使われていて、「〜であっても」という意味になります。 それでは「関わる」「拘わる」「係わる」の違いを見ていきましょう。
「関わる」・・・ある物事や人などと、関係を持っているさま。関わりがあるさま 「拘わる」・・・ある物事について、強く心を引かれるさま。気持ちがとらわれるさま 「係わる」・・・ある物事や人などと、関係を持っているさま。関わりがあるさま
「関わる」と「係わる」はどちらも「関係すること」を表しますが、「関わる」の方が「強く関係が結ばれていること」を意味します。
「関わる」の意味は「ある物事や人と関係があること。関与していること」です。 「関わる」は単に関係を持っていることなので、深く関係していることは表しません。 例えば、「命に関わる」「犯罪に関わる」「生死に関わる」「芸術に関わる」などと言えます。 「関」という字は「かんぬき」が由来となっています。「かんぬき」は「門や扉をしっかりと閉めるための木材」を表します。 このことから、「関わる」は「きちんと繋ぐ」という意味になりました。 「関わらず」とすると「ある状態の要因として関係がある様子」を意味します。 主に、「〜に関わらず」という形で用います。「〜に関係なく」という意味です。 例えば、「年齢や性別に関わらずエントリーすることができます」と言えます。これは「エントリーは年齢や性別に関係なくできること」を表します。
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「拘わる」の意味は「こだわること。強く主張して譲らないさま」です。 ある物事に気を引かれたり、小さな事に粘着することを表す場合に「拘わる」を用います。 例えば、「些細な事に拘わっている」「どうでも良い事に拘わる」などと言えます。 「拘」という字は「取り押さえて繋ぐこと」を表します。このことから、「拘わる」は「きつく心をとらわれること」を意味するようになりました。 「〜にも拘わらず」という形で使うこともでき、この場合は「〜であるのに。〜なのに」という意味になります。 「予想外の結果が生じるさま」を表し、前の内容を受けてそれとは逆の内容を続けます。 「拘わる」ではなく「拘る」という言葉が使われることもあります。「拘る」は「こだわる」と読みます。 「拘わる」と同じように、「ある物事に固執する」という意味で用います。
例文
「係わる」の意味は「関係すること。関わりを持っていること」です。 ある物事や人に関わり合いを持っていたり、関係があることを表す場合に「係わる」を使います。 「関わる」でも「係わる」でも同じ意味ですが、「関わる」の方が強く結ばれていることを表します。 「係」という字は「紐やコードなど細いもので繋ぐこと」を表します。このことから、「係わる」は「緩めに繋ぐ」という意味になりました。 「係わる」の「係」は「掃除係」「生き物係」などと使われているように、「何かを担当する」というニュアンスが強いです。 ですので、「係わる」も「生物に係わる仕事」「責任者に係わる連絡」などと用いると意味が伝わりやすくなります。 「係わる」ではなく「係る」という形でも使うことができます。この場合は「かかる」と読みます。 「係わる」と同じように「関わり合いを持つ」という意味ですが、お役所言葉となるのであまり使いません。
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