「希望に沿う」という表現をご存知でしょうか。「希望に沿う」はビジネスシーンでよく見かける言葉ですよね。「ご希望に沿えず、申し訳ありません」「ご希望に沿えるよう、精進します」などと使います。何気なく使われていますが、「希望にそう」の漢字は「沿う」で適切なのでしょうか。他にも「添う」や「副う」という字があります。このように、「希望に沿う」は意外と理解していない部分が多いです。そこで今回は「希望に沿う」の意味や使い方、敬語表現、類語について解説していきます。
「沿う」は「長く続いているものに、離れないように付き従う」「何かに並行した形で続いていること」を意味します。「沿」を使った熟語には、「沿道」「沿線」「沿海」などがあります。 「添う」「副う」は「そばを離れずにいる」「ぴったりつく」「目的通りになる」を意味します。 「添」を使った熟語には「添い寝」「添え物」、「副」を使った熟語には「副業」「副食」などがあります。 「意向・希望」などと、相手の気持ちや期待に”そう”という時は、本来「副う」という字が使われていました。ただ、「副う」は表外読みなので、あまり使われません。 「沿う」は”長く続いているもの”から離れない場合、「添う」は”人”から離れない場合に使います。 「希望にそう」は”人からの希望に外れないように事を成す”という意味なので、「希望に沿う」が正しいです。 「希望に添う」でも決して間違いではありません。しかし、「希望に沿う」と使うのが一般的です。また、新聞記事などでは「沿う」と書くように統一されています。
「希望」は「ある事を成就させようと願い望むこと」を意味します。 「希」は「ねがう」、「望」は「まちのぞむ」「のぞみ」を表します。 「沿う」は「方針や基準となるものに従い、それから離れないようにして何かを行う」を意味します。 ですので、「希望に沿う」の意味は「願いや期待を達成すること、希望通りに実行すること」になります。 ちなみに「希望に添う」とした場合は、「願いや期待に寄り添う」というニュアンスになります。 「希望に沿う」でも「希望に添う」でも大きな違いはありません。
「希望に沿う」はビジネスシーンで使われることが多いです。しかし、「希望」という言葉自体は敬語でないため、敬語表現にするには「ご希望に沿う」とする必要があります。 「ご希望」の「ご」は”尊敬”を表す接頭語です。 目上の人には「ご希望に沿う」を使うことができます。 相手の願いや期待を達成した場合、相手の希望通りに物事を実行した場合に、「ご希望に沿う」を使います。 例えば、「皆様の希望に沿えることができるように〜」と言うよりも、「皆様のご希望に沿えることができるように〜」と言った方が丁寧に感じますよね。
謝罪・お詫びの際は「ご希望に沿えず」「ご希望に沿いかねます」を使います。 「ご希望に沿えず」は「希望に応えることができない」ということを丁寧に表現した言い回しで、相手の希望に応えられないときに使う断り文句の一つです。 ビジネスシーンでは、取引先やお客様の希望や意見、問い合わせに対して承諾しかねる時に使用します。 基本的に、取引先やお客様に対して使うので、上司や先輩など身近な人に対して使うのは不自然です。 「ご希望に沿えず〜申し訳ありません」「ご希望に沿えず〜申し訳ございません」などと、「ご希望に沿えず」の後に謝罪の言葉を続けます。主に、メールや電話などで使われることが多いです。
例文
”決意表明”とは今後自分がどのようになりたいか、そのためには何をしたら良いかということを周囲にアピールするために宣言することです。 決意表明は自分の目標を発表しますが、その目標は漠然としたものではなく、有言実行できそうなレベルのことにします。あまり大きい意気込みは書かないように気をつけましょう。 決意表明をする時は、「ご希望に沿えるよう〜」「ご希望に沿えますよう〜」などと言います。 「ご希望に沿えるよう〜」の後は、「精進します」「尽力します」などと、”努力すること”を意味する言葉を続けます。 また、上司などから「期待しているよ!」などと声をかけられた時に、「ご希望に沿えるよう、精進いたします」などと返すことができます。
例文
「期待」は「将来その事が実現すれば良いと、当てにして待ち設けること」を意味します。 「期待に沿う」の意味は「期待された内容や結果を達成すること、期待通りに実行すること」になります。 「期待に沿う」は「希望に沿う」とほぼ同じ意味です。 ただ、「希望に沿う」の方が、お客様を対象として使うことが多いと言えます。 「期待に沿う」は「期待に沿えるよう精進いたします」などと決意表明だったり、「期待に沿えず〜」と謝罪・お詫びをするときに使います。 敬語表現にするには、”尊敬”を表す接頭語を付けて「ご期待に沿う」とします。 また、他に「期待に応える」という表現があります。「期待に沿う」とは若干ニュアンスが異なります。 「応える」は「働きかけに対して、それに添うような反応を示す」「反響する」「期待通りに働く」などと、”能動的”な意味合いです。 一方で、「沿う」は「方針や基準となるものに従い、それから離れないようにして何かを行う」と、”受動的”な意味合いになります。 「期待に応える」よりも「期待に沿う」の方が、やや消極的な印象となります。
例文
その他の類語
などがある。
「要望」は「もとめのぞむこと」「強く期待すること」を意味します。 「要望に沿う」の意味は「もとめ望むことを達成すること、強く期待通りに実行すること」になります。 「希望」と非常に似ていますが、違いがあります。 「希望」は「ある事が実現することを望むこと」、「要望」は「物事をどのようにするかを望むこと」です。 「要望」は「希望」よりも現実的で、確実に自分が思っているように物事が運ぶように願い、実際に行動を移すことを表します。 「ご要望」も「ご希望」と同様に、「ご要望に沿えるよう精進いたします」などと決意表明だったり、「ご要望に沿えず〜」と謝罪・お詫びをするときに使います。
例文
「希望に沿う」の英語は、
などがあります。 「ご希望に沿えるように頑張ります」は、
などと表現します。
I'm afraid that we might not be able to meet your request.
申し訳ないですが、ご希望に沿えないかもしれません。
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「希望に沿う」について理解できたでしょうか? ✔︎「希望に沿う」は「願いや期待を達成すること、希望通りに実行すること」を意味 ✔︎ 敬語表現にするには、”尊敬”を表す接頭語を付けて「ご希望に沿う」とする ✔︎「希望に沿う」は、謝罪をする場合と決意表明をする場合に使う ✔︎「希望に沿う」と「期待に沿う」は、ほぼ同じ意味