「しいては」という言葉をご存知でしょうか。ビジネスシーンでも日常会話でもあまり聞くことは少ないかもしれません。もしかしたら、「しいては」という言葉を知っていたとしても意味がわからない、使い方が曖昧だという方もいるかと思います。聞き馴染みはなくても、いざというときに使えるようにしておいた方が良いでしょう。そこで今回は「しいては」の意味と使い方、類語、「ひいては」との違い、漢字「強いては・如いては」ではどちらが正しいかについて解説していきます。「しいては」の意味を正しく理解して、上手く使いこなせるようにしましょう。
「しいては」は正しくは「しいて」と使います。 「しいては」と発音するのは、「しいて」が「延いては(ひいては)」や「急いては(せいては)」などと混同された結果の誤用です。江戸言葉では「ひ」を「し」と発音することが、区別がつきにくいのが誤用の原因でしょう。 「しいて」の意味は、
となります。 「しいて」は「反対などを押し切って無理矢理何かを行ったり、むやみに何かをしたりすること」を表します。 「しいて」を「ひいては」と混同して「しいては」と誤用してる人が多いので注意しましょう。
「しいては」は「強いては」と書きます。 「強」は音読みだと「キョウ」「ゴウ」、訓読みだと「つよい」「つよまる」「しいる」と読みます。 「強」は「力や勢いがある」「無理に押しつける」「強くする」を意味します。 「しいて」は「強いて」と漢字で書くことも多いので、是非覚えておきましょう。 また、「しいて」と読む言葉には他にも、「敷いて」「誣いて」「布いて」などがあります。 「敷いて」「布いて」は「一面に平らに広げる」「物を載せるために平らにして下に置く」、 「誣いて」は「事実を曲げていう」「作りごとを言う」を意味します。 意味が全く異なるので間違えないようにしましょう。
「如いて」も同じく「しいて」と読みますが、意味が異なります。 「如」は音読みだと「ジョ」「ニョ」、訓読みだと「ごとし」「しく」と読みます。 「如」は「そのとおり」「そのまま」を意味します。 「如いて」は「匹敵する」「かなう」「およぶ」を意味します。 「百聞は一見に如かず」などと聞いたことがあると思います。これは「人から何度も聞くより、一度実際に自分の目で見るほうが確かであり、よくわかる」という意味です。 ちなみに、「如く(ごとく)」とした場合は「〜のような」という意味で”例示”を表します。 例えば、「彼が言うごとき結果になる」「幽霊のごとく彼の顔が闇に浮かんだ」などと使います。
「しいて」は、”困難・抵抗・反対などを押し切って物事を行う”という場合に使います。 正しくは「しいて」になりますが、「しいては」でも決して間違いではありません。 主に、「しいて言うなら」「しいて言えば」などと使います。 この場合は「言う必要はないけれど、無理に言うならば〜」というニュアンスです。 例えば、「A商品もB商品も非常に便利だが、強いて言うならA商品の方が使いやすい」などと言います。 また、「嫌がるものをしいてやらせる必要はない」「毎日30分の運動を自らに強いています」と使うこともできます。
例文
「しいては」の類語を紹介します。
否が応でも (意味:承知でも不承知でも。どうしても) 「否が応でも今日で締切である」 否応無く (意味:有無を言わせず。無理やりに) 「否応無く決められた」 有無を言わさず (意味:相手の承知・不承知にかかわりなく。無理矢理) 「彼女の言い方には有無を言わせない威圧感があった」 承知か否かに関わらず (意味:無理矢理に行わせるさま) 「承知か否かに関わらず、彼を連行した」 好むと好まざるとに関わらず (意味:相手が好むかどうかを問わず、しいて行わせるさま) 「好むと好まざるとに関わらず運動をさせる」 無理にでも (意味:押しきってでも) 「無理にでも食べ物を口に詰め込む」
「ひいては」を漢字で書くと「延いては」になります。 「延」という漢字には、「延期」や「遅延」という言葉があるように「のばす、遅れる、まねく」といった意味があります。 「ひいては」は「ひいて」を強調した言葉です。
という意味になります。 「ひいては」は何かの物事が元になって、別の事柄が続くことを表現しています。 「ひいては」は原因と結果の因果関係を表す言葉です。 「AひいてはB」といったように、二つの事柄を繋げることによって因果関係を表現します。 「Aの結果がBになる」「Aを進めるとBになる」ということを表しています。 「ひいては」は敬語表現でないため、目上の相手に使うと失礼に当たるのではと思う方も多いと思います。 しかし、使い方を間違わなければ、悪い印象を与えないので、ビジネスシーンでも大事な場面でも用いることができます。
例文
「しいて」の英語は「force」になります。
You can't force her to make a decision.
彼女に決断を強いてはいけない。
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「しいては」について理解できたでしょうか? ✔︎「しいては」は正しくは「しいて」になる ✔︎「しいて」は「無理をおして」「あえてさからって」を意味 ✔︎「しいて」は漢字だと「如いて」ではなく、「強いて」になる ✔︎「しいて」の類語には、「否が応でも」「無理にでも」などがある