「けりをつける」と「かたをつける」という表現をご存知でしょうか。「物事にけりをつける」「問題にかたをつける」といったように使います。では、それぞれの意味についてしっかりと理解しているでしょうか。この二つの言葉は、日常会話でも見聞きすることが多いですよね。聞いただけでは二つとも同じように使うことができるイメージですが、何か違いはあるのでしょうか。正しく使うためには、意味についてきちんと知っておくことが必要です。そこで今回は「けりをつける」と「かたをつける」の使い分けについて解説していきます。適切に覚えて、上手く使い分けできるようにしましょう!
「けりをつける」・・・簡単に決められない物事を、何らかの結論を出して終わらせること 「かたをつける」・・・物事に何らかの結論を出して終わらせること
「けりをつける」と「かたをつける」はどちらも「物事を無事に終わらせること」を表します。 同じように使えますが、「かたをつける」は特に金銭的に物事を解決させる場合に使います。
「けりをつける」の意味は「簡単に決められない物事を、何らかの結論を出して結末をつけること」です。 「けり」は「物事の最後」、「つける」は「ある状態にさせること」を意味します。 「けり」は和歌や短歌などで「◯◯けり」といったように助動詞「けり」で締めていたことから、物事の終わりを「けりをつける」と表すようになりました。 また、日本文学「そもそも」と語り始めて、「けり」で終わらせることからきているとも言われています。 「ケリをつける」「けりを付ける」と表すこともできます。「蹴りをつける」とするのは誤りです。 主に「◯◯にけりをつける」という形で用います。 容易に決めることができない事柄や解決できない問題に、決着をつけて終わらせることを表す場合に「けりをつける」を使います。いざこざがあったものの、物事を無事に終えようとするときに使うのが適します。 例えば、「今週中に仕事にけりをつけなければいけない」だったら「今週中に仕事を終わらせなければいけない」という意味になります。
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「かたをつける」の意味は「物事をしっかりと処理すること、解決すること」です。 「かた」は「物事の向き、結末」、「つける」は「ある状態にさせること」を意味します。 「片をつける」「方をつける」「かたを付ける」「カタをつける」と表すこともできます。 元々は「方をつける」と表していましたが、「片付ける」という言葉から「片をつける」と表すことが多くなりました。「片付ける」は「物事の解決を図ること」を意味します。 主に「◯◯でかたをつける」「◯◯にかたをつける」という形で用います。 物事をしっかりと処理して答えをはっきりと出すこと、何かしらの結論を出すことを表す場合に「かたをつける」を使います。 例えば、「スキャンダルをお金でかたをつける」だったら「スキャンダルをお金で解決した」という意味になります。このように、「かたをつける」は、金銭的に物事を解決する場合に使うことが多いです。
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