「見てください」は、相手に何かを見てほしいとき、確認をしてもらいたいといった場面で使用する言葉です。しかし、お願いをする表現としては丁寧さに欠るためビジネスシーンでの使用はさけるべきだということをご存知でしょうか。今回は、「見せていただく」の正しい意味と使い方を、敬語表現への言い換え中心に解説します。また、英語表現も紹介しますので参考にしてください。
「見てください」は、「見る」に「ください」という丁寧語をつけた言葉です。 「見てください」の「〜ください」という表現は、他人に行動を促す丁寧語です。 丁寧語とは、「です・ます・ください」というように聞き手に対して丁寧に述べるために使用する表現のことです。 つまり、「〜ください」は「〜してくれ」という命令の「くれ」を「ください」という丁寧語にして、「相手に何かをしてほしい」とお願いをする場面で使用されます。 したがって、「見てください」は相手に「見る」ということをお願いする表現です。
「見てください」は、上述したように敬語表現にはなりますが、丁寧さに欠るためビジネスには不向きな表現です。 「丁寧語」は言葉を丁寧にしている言葉であって、相手に敬意を示す表現方法である尊敬語や謙譲語とは違い、相手に敬意を示しているわけではないため、相手の行動を促す言葉として失礼になる場合があります。 また、「〜ください」という表現が、「くれ」という命令する言葉を丁寧語にした表現であるといったことから、人によっては「命令されている」と捉えてしまう人もいますので注意が必要です。
「見てください」と相手にお願いをする場合は、相手に敬意を示した尊敬語を使用することが適切であると言えます。 「見てください」を目上の人に言う場合のフレーズが「ご覧ください」です。 「ご覧ください」は「見る」の尊敬語である「ご覧になる」に丁寧語の補助動詞である「ください」が付随した言葉です。 「ご覧ください」は、話者より立場の上の人に対して何かを見てほしいとお願いする時に使うことができます。 ビジネスシーンでは、上司や顧客、取引先などに対して「ご覧ください」を使うことができます。 さらに、丁寧な印象を与える「ご覧くださいませ」「どうぞご覧ください」「ご覧くださいますようお願いいたします」などと言い回すこともあります。お客様などに用いることが多くあります。
例文
「ご確認ください/いただけますか」は「はっきりと確かめてください」という意味になります。 「確認」は「はっきりと確かめること」「認めること」を意味していて、「ご確認」は、尊敬を表す接頭語「ご」+「確認」で成り立っています。 「ください」と「いただけますか」は、相手に依頼をする丁寧な表現です。 「ください」は丁寧語で、相手になにか行動を促す場合に使用します。 「いただけますか」の「いただく」は謙譲を表す補助動詞で、元々は「もらう」の謙譲語です。
「ご査収」は「物品・書類・金額などをよく調べて受け取ること」を意味します。 また、「同意する、納得する」といった意味も含まれます。 例えば、メールで何かの書類などの添付ファイルを付けたときに、そのファイルをよく確認して受け取ってほしいという場合に使います。 したがって、添付ファイルや同封する資料がない場合、メールの本文のみの場合は使用しません。確認すべき資料がないのに「ご査収」といってしまうと、相手を戸惑わせてしまいますので注意しましょう。
例文
相手に「読んでもらう」という場合は、「ご一読ください」「お目通しください」という言葉を使用することもできます。
「ご一読」は、「ごいちどく」と読みます。 「ご一読」の意味は「一度読むこと・さっと読むこと」です。 「一読」には「さっと一度読んでください」というようなニュアンスがありますが、ビジネスシーンで使うような場合には「じっくり読んでほしい」という場面でも使用することができます。 直接的に「きちんと読んでください」と伝えるよりも、相手の負担を考えた柔らかいお願いの仕方をすることができる言葉です。
「お目通し」は、「おめとおし」と読みます。 「お目通し」の意味は「はじめから終わりまで全体的に目を通すこと」です。 「ご一読」と同じように、時間をかけてじっくり読むというよりは、短時間でざっと見るというイメージの言葉です。 じっくりときちんと読んでほしいという場合には適さないので注意が必要です。
○「ご一読ください」を用いた例文
○「お目通しください」を用いた例文
「参照」は「照らし合わせて見ること」「引き比べて参考にすること」を意味します。 目上の人に、「見てもらいたい」「参考にしてもらいたい」とお願いしたいときに、「ご参照ください」を使います。 「見てください」だと直接的な表現になってしまうので、代わりに「ご参照ください」が使用できます。 「ご参照ください」は尊敬を表す接頭語「ご」+「参照」+丁寧語「ください」で正しい表現です。 「ご参照ください」を使う場面としては、「詳細につきましては、別紙の資料をご参照ください」といったように、既に配布されている資料や、自分の知識に基づいて情報を照らし合わせつつ確認してほしい場合に用います。
例文
「見せていただく」は、相手から何かを「見せてもらう」ということを、謙譲語に言い表した言葉です。 「見させていただく」と非常によく似ている表現ですが、微妙なニュアンスの違いがあります。 「見させていただく」は、自分が相手に見せてほしいとお願いをし、許可を得たうえで「〜させていただく」という謙譲語を使用しています。 一方の「見せていただく」は、相手が自ら見せてくれるということを表現した言葉です。
例文
「拝見する」は「はいけんする」と読みます。 「拝見する」「見る」の謙譲語で、自分が見る動作をへりくだって言うときに使う言葉です。 「拝」には「謹んで」という意味があるため、謙遜の気持ちを表すときによく使います。 「拝見する」はメールや書類を「見る」「読む」「目を通す」という意味になります。 「内容や目的を理解する」というニュアンスも含まれています。
例文
「見る」の英語表現はいくつかあります。
などです。 「look at」より「take a look at」の方が「しっかりと見る」というニュアンスがあります。 よって、ビジネスシーンでは「take a look at」の方が「ご一読ください」「ご覧ください」という意味合いでよく使われます。 「take a look at」は主にアメリカ英語、「have a look at」は主にイギリス英語となります。
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「見てください」の中国語は「请看(qǐng kàn)」です。 「请」は「請う」という漢字で、丁寧な命令文を作るときに使います。英語の「please」の役割です。 「看」は「見る」という動詞です。
「見てください」の韓国語は「참조하십시오(chamjohasibsio)」となります。
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「見てください」という言葉について理解していただけましたか? ✓「見てください」は敬語(丁寧語) ✓「見てください」は敬語だが丁寧さに欠け、ビジネスには不向き ✓「見てください」とお願いをする尊敬語は「ご覧ください」 ✓自分が見る場合は「拝見する」「見せていただく」など