「稀有/希有」という言葉をご存知でしょうか。「稀有な才能」「希有ば事例」などと聞いたことがあると思います。本やテレビなどでも時々見聞きする「稀有/希有」という言葉ですが、意味をしっかりと理解しているでしょうか。前後の文脈からなんとなく意味が推測できるものの、人に説明しようとしたらなかなか難しいですよね。また、「稀有」か「希有」のどちらを使えば良いのか迷ってしまいますよね。そこで今回は「稀有/希有」の意味や使い方、読み方、「稀」との違い、類語について解説していきます。「稀有/希有」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「稀有/希有」は<けう>と読みます。 「きう」と間違える人が多いので注意しましょう。 また、「稀有/希有」は「きゆう」と読む場合もあります。 「希有金属」「希有元素」などという場合は「きゆうきんぞく」と読みます。 一般的には「けう」と読むことがほとんどです。 「稀」は音読みで「キ・ケ」、訓読みで「まれ」と読みます。 「稀」は「めったにない」を表します。 「希」は音読みで「キ・ケ」、訓読みで「まれ・ねがう・こいねがう」と読みます。 「希」は「めったにない」を表します。 「有」は音読みで「ユウ・ウ」、訓読みで「ある・もつ・たもつ」と読みます。 「有」は「ある。存在する」を表します。 「稀有/希有」の意味は、 1.めったにないこと。まれにあること 2.ふしぎなこと。奇異なこと 3.とんでもないこと。けしからぬこと です。 めったにないこと・非常に珍しいこと・極めてまれなことを表します。
「稀有」と「希有」はどちらも「めったにないこと・非常に珍しいこと」を意味しています。 では、この二つに違いはあるのでしょうか? 「稀有」と「希有」は意味も使い方も同じで、違いはほとんどありません。 元々は「稀有」と書かれていましたが、「稀」という漢字が「常用外漢字」であるため、「希有」と表記しても間違いではないということになったのです。 難しい漢字か簡単な漢字かという違いだけなので、基本的に「稀有」を使っても「希有」を使っても問題ありません。
「稀有/希有」は名詞または形容動詞です。 「稀有だ」「希有だ」または「稀有な」「希有な」という言い方をします。 「稀有/希有」は「とてもまれである・非常に珍しい」という意味であることは上記で説明しましたが、良い意味で「稀」である、というニュアンスで使われることがほとんどです。「こんなに才能が高い人はめったにいない!」などの意味合いで使います。 「稀有な才能」「稀有な人材」「稀有な方」「稀有な存在」「稀有な出来事」「稀有な事例」などと言います。 このように、人・もの・事などと様々な対象について使うことができます。 「稀有な悪者」「稀有な女たらし」などとマイナスな意味合いではほとんど使いません。 例えば、「彼女の稀有な才能は、昔から注目されている」といった場合は「彼女のとてもまれで素晴らしい才能は、昔から注目されている」という意味になります。 ただ、「稀有/希有」はあまりにも多く使い過ぎてしまうと、大袈裟な印象を与えてしまうので注意しましょう。 古語では「やっとのことで。かろうじて。命からがら」という意味で使われましたが、現代はそのような意味では使われません。 それでは例文を見てみましょう。
例文
読み方が同じなため、「稀有」または「希有」を「杞憂」と混同している人がたまにいます。 「杞憂(きゆう)」の意味は「将来のことについてあれこれと無用の心配をすること。取り越し苦労」です。 「あまり将来のことを杞憂しない」「何か起こるのではないかと思ってそわそわしていたが、杞憂に終わった」などと言います。 このように、「宇宙人と遭遇したらどうしよう」などと、”ありもしないことを心配する”という場合に「杞憂」を使います。
などは誤用なので注意してください。
などが正しい表現です。
「稀有」と「稀」は、現代において意味に違いはありません。どちらも「めずらしい」という意味になります。 古語においては「稀有」のみが「やっとのことで。かろうじて。命からがら」という意味があります。 違いは文法にあります。「稀有」は名詞または形容動詞ですが、「稀」は形容動詞のみです。 「稀」は名詞として使うことができません。つまり、「稀」は文章の主語になることができません。 一方で「稀有」は主語になることができます。しかし、実際には「稀有」を名詞として主語で使うことは少ないです。
例文
稀少/希少<きしょう> (意味:まれで少ないこと) 「今の時代、彼みたいな人は稀少な存在である」 稀代/希代<きたい> (意味:世にまれなこと。珍しいこと) 「希代の出来事が起こる」 類(たぐい)まれ (意味:非常に数が少なく、珍しいさま。めったにないことであるさま) 「彼女は類まれな美貌の持ち主である」 レア (意味:まれなこと。珍しいこと) 「今回の事件は非常にレアなケースだ」 稀覯/希覯<きこう> (意味:容易には見られないこと) 「稀覯な古書を手に入れる」 滅多にない (意味:むやみやたらにないさま。なかなか遭遇することができないさま) 「こんな機会は滅多にない」 珍か<めずらか> (意味:めずらしいさま。目新しいさま) 「彼女が来るとは珍かである」 珍奇 (意味:めずらしく、奇妙なこと) 「珍奇な人物が居座っている」 非凡 (意味:平凡でないこと。衆人よりはるかに優れていること) 「非凡な才能を持っている」
普通 (意味:どこにでも見受けるようなものであること。一般) 「いたって普通の成績である」 人並み (意味:一般の人と同様の程度・状態であること) 「人並みの暮らしをする」 一般的 (意味:ある部類のものに共通であるさま) 「一般的な方法で事を行う」 平凡 (意味:特に優れたところがなく、並なこと) 「どう見ても平凡な作品だ」 ありふれた (意味:どこにでもある。めずらしくない) 「ありふれた名前なので紛らわしい」 ざら (意味:世の中に多くあって珍しくないさま) 「そんな出来事はざらにある」 十人並み (意味:容色または才能が人並みであること) 「君はいたって十人並みだから勘違いしないほうがいいよ」 ありきたり (意味:もとからあること。普通にあって珍しくないこと) 「面白みのない、ありきたりな題材だ」 凡庸<ぼんよう> (意味:優れたところのないこと。並々。へいぼん) 「どの作品も凡庸であってつまらない」
「稀有/希有」の英語は、
ちなもに「unique」という言葉は、「very」や「a little」などの副詞で修飾しないので注意してください。 「unique to...」で「...に特有な」という意味になります。 例文です。
He has such a rare ability as a soccer player.
彼はサッカー選手として、とても稀有な才能を持っている。
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「稀有/希有」について理解できたでしょうか? ✔︎「稀有/希有」は<けう>と読む ✔︎「稀有/希有」は「めったにないこと。非常に珍しいこと」を意味 ✔︎「稀有」でも「希有」でも、意味や使い方は同じ ✔︎「稀有/希有」の類語には、「稀少」「希代」「滅多にない」などがある