「生粋」という言葉をご存知でしょうか。「生粋の日本人」「生粋の江戸っ子」などと聞いたことがあると思います。では、「生粋」はどのような意味なのでしょうか。なんとなく意味はイメージできますが、実際にあっているかどうかは不安ですよね。時々使われている言葉なので、使い方をしっかり覚えておく必要があります。また、似た言葉に「純粋」がありますが、何か違いはあるのでしょうか。使い分けするのが難しい感じがしますが、意味を適切に知っておけばすぐにでも区別できます。そこで今回は「生粋」の意味や使い方、類語、語源について解説していきます。「生粋」を適切に覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「生粋」は<きっすい>と読みます。 本来は「きすい」と読まれていましたが、だんだんと「きっすい」と読むように変化しました。 「生」を「き」と読む言葉は「生粋」の他に「生真面目」「生地」などと少ないですが、しっかりと覚えておきましょう。 「生」は音読みだと「セイ・ショウ」、訓読みだと「いきる・うまれる・はえる」と読みます。 「生」は「いきいきしている。うむ。うまれる」を意味します。 「粋」は音読みだと「スイ」、訓読みだと「いき」と読みます。 「粋」は「まじりけがない」を意味します。 「生粋」の意味は「まじりけが全くないこと。出身や素性に混じり気がなく、純粋であること」です。
「生」は、草や木が地上にあらわれた象形から「いきる・はえる」を意味する「生」という漢字が成り立ちました。 「粋」は、稲の実と稲の穂の枝の象形+衣服の襟の象形に一を足した象形から「完璧に精米した米」、転じて「全く混じり気がないこと」を意味する「粋」という漢字が成り立ちました。 「何も加えられないまま」を表す「生」と「清らかなこと」を表す「粋」がくっつくことによって、「全く混じり気がなく純粋なこと」を意味する「生粋」という言葉が誕生しました。
「生粋」は血筋や育ちなどを表すときに使います。 主に、「生粋の◯◯」といった形で用います。 例えば、「生粋の浪速っ子」といった場合は「生まれも育ちも浪速です」という意味になります。 生まれた時から今までずっと同じ場所で、別の場所には暮らしたことがないということを表します。 出身や育ちに関することに使うことが多いですが、「生粋のファン」や「生粋のバカ」といったように、「全くぶれることがない根っからのファン。バカ」という意味で使うこともあります。 ただ、「生粋」は”人”に関して使うので「生粋の卵」「この野菜は生粋だよ」などと”もの”を対象として使うことはありません。 言い回しとしては、
などとなります。 それでは例文を見ていきましょう。
例文
「純粋」は<じゅんすい>と読みます。 「純粋」の意味は、
です。 「純粋」は「混じり気がないこと。邪念や私欲がないこと」 「生粋」は「出身や素性に混じり気がなく、純粋であること」 「純粋」と「生粋」はほとんど同じ意味ですが、使い方が異なります。 「純粋」はある物質に違う種類のものが混じっていない場合に使い、「生粋」が出身や育ちについて他のものが混じっていない場合に使います。 「純粋な水」「純粋なアルコール」とは言いますが、「生粋の水」「生粋のアルコール」とは言いません。 また、「純粋」には「けがれがないこと」という意味も含まれます。「純粋な気持ち」「純粋な愛」などと使います。
例文
真偽 (意味:まことといつわり。論理的な正誤) 「噂の真偽を確かめる」 純一無雑<じゅんいつむざつ> (意味:まじりけがないこと。一途でうそいつわりのないこと) 「子供は純一無雑である」 単純 (意味:単一で他の要素のないこと) 「単純な作りでできている」 生一本<きいっぽん> (意味:純粋でまじりけのないこと) 「彼女の長所は生一本なところである」 精粋<せいすい> (意味:細密で美しく混じり気のないこと) 「このステンドグラスは精粋である」 混じり気のない (意味:種類や質の違ったものがまじっていることがない) 「この水晶は混じり気がなくとても綺麗だ」 ピュア (意味:純なさま。純粋なさま。純潔) 「あの子はものすごくピュアだよ」 純正 (意味:純粋で正しいこと。純粋で混じり気のないこと) 「この食品は純正だよ」 無垢<むく> (意味:まじりもののないこと。心身の汚れていないこと) 「彼女は純真無垢だ」 すれていない (意味:心がきれいで、邪な部分がないさま) 「彼は全くすれていなくて、驚くよ」 生来<しょうらい> (意味:持って生まれた性質。うまれつき) 「彼は生来の怠け者だからね」
不純 (意味:純真・純粋でないこと。まじりけのあること) 「そんな不純な動機で犯行するとは」 不浄 (意味:清浄でないこと。けがれていること) 「そんな不浄のお金はいらないよ」 亜流 (意味:第一流の人に追随し、それを真似るだけで独創性がなく、劣っていること) 「あのアニメは昔流行ったものの亜流だろう」 擬似<ぎじ> (意味:本物とよく似ていて区別をつけにくいこと) 「その施設では職業の疑似体験ができる」 二番煎じ<にばんせんじ> (意味:一度煎じたものをもう一度煎じた薬または茶。新味のない二度目のもの) 「その企画は二番煎じだから、おそろく人気が出ないだろう」 焼き直し (意味:他人の作品や自分の旧作を多少変えて新作めかして発表すること) 「その作品が焼き直しに過ぎないから、諦めたほうがいい」 類似 (意味:似通うこと。似ていること) 「ライバル社から類似商品が発売された」 もどき (意味:他のものに似せて作ること。作ったもの) 「芝居もどきのセリフを言っても冷めるだけだよ」
「チャキチャキ」とは「血筋にまじりけがなく純粋なこと。生粋。本場のもの」という意味です。 「生粋の江戸っ子」は「チャキチャキの江戸っ子」と言い換えることができます。 他にも、「チャキチャキの都会人」「チャキチャキの九州男児」などと言います。 正当な後継者の嫡子から嫡子へ家を継ぐことを「嫡々(ちゃくちゃく)」と言います。 「嫡々」が江戸時代中期ごろになまり、だんだんと「チャキチャキ」と使われるようになりました。 「チャキチャキと仕事を終わらせる」「チャキチャキと家に帰る」といったように、「急いで物事をする」という意味で使われていることが多いですが、本来は誤用です。
「生粋」は英語で「native」になります。 「純粋」は英語で「pure」になります。
He is a native American.
彼は生粋のアメリカ人だ。
科学的に正しい英語勉強法
こちらの本では、日本人が陥りがちな効果の薄い勉強方法を指摘し、科学的に正しい英語の学習方法を紹介しています。読んだらすぐ実践できるおすすめ書籍です。短期間で英語を会得したい人は一度は読んでおくべき本です!
正しいxxxxの使い方
授業では教わらないスラングワードの詳しい説明や使い方が紹介されています。タイトルにもされているスラングを始め、様々なスラング英語が網羅されているので読んでいて本当に面白いです。イラストや例文などが満載なので、この本を読んでスラングワードをマスターしちゃいましょう!
職場で英語が必須な方や海外留学を検討している方など、本気で英語を学びたい人にオススメの英会話教室、オンライン英会話、英語学習アプリを厳選した記事を書きました!興味のある方はぜひご覧ください。
「生粋」について理解できたでしょうか? ✔︎「生粋」は「きっすい」と読む ✔︎「生粋」は「出身や素性に全く混じり気がなく、純粋であること」を意味 ✔︎「生粋の江戸っ子」「生粋の日本人」「生粋の関西人」といったように使う ✔︎「生粋」の類語には、「真偽」「精粋」「純正」などがある