「早々に」という言葉をご存知でしょうか。自分がすぐに何かをするときや相手がすぐに何かをしたときに「早々に」を使いますよね。では「早々に」は上司や目上の人に対して使うことができるのでしょうか。そこで今回は「早々に」の意味や使い方、類語について解説していきます。英語も紹介するのでぜひ参考にしてください。
「早々に」の読み方は「そうそうに」です。 「早々」は実は2つの読み方が存在します。 「そうそう」と「はやばや」です。 ただ「早々に」の場合は「そうそうに」であり、「はやばやに」と読むことはありません。 「早」は音読みだと「ソウ」「サッ」、訓読みだと「はやい」と読みます。
「早々に」の意味は「すぐに、出来るだけ早く」といった意味があります。 急いで物事をするさまを表しています。 「早々(そうそう)」の場合は、名詞と副詞の二つの品詞があります。 ◯名詞の「早々」
◯副詞の「早々」
「早々に」は副詞となります。
「早々に」は「できるだけ早く」を意味しているので基本的に自分の行動、もしくは目下の人か同等に使う言葉とされています。 そのため「早々に」は、目上の人への依頼やお願いで使うと失礼になる可能性が大です。
ただ、目上の人に「早々に」を使っても問題がない場合があります。 相手がすでに完了した行為に対して感謝の意を述べるときは使用しても失礼には当たりません。 例えば、取引先の相手が素早い対応をしてくれたときなどに、お礼のメールを送ると思います。 そういった場合は「早い対応をしていただきありがとうございます」などと送りますよね。 「早い対応」の敬語表現は「早々のご対応」「早々に対応していただき」になります。 「早々」自体は敬語ではないですが、堅くフォーマルな表現なので敬語である「ご対応」「対応いただき」と一緒に使用するのに適しています。 目上の人に対しては、「突然お願いしたにも関わらず、早々にご対応くださいましてありがとうございます」などと使うことができます。 また自分自身が「早々に行動をする」ことであれば使っても問題ありません。 何かお願いや依頼をする際に「早々に」と目上の人に使うのは避けましょう。
メールや手紙など書き言葉でも「早々に」を使います。 ただメールや手紙であっても目上の人に「早々に」を使う場合は、すでに完了した行為への感謝以外では用いません。 すぐに対応してほしいことを頼む場合は、同僚や部下など同等もしくは目下の人に使うようにしましょう。 また自分自身の行動であれば、目上の人に対して使っても問題ありません。 「早々に対応いたします」などと使いましょう。 ただ「早々に」よりも「早急に」「迅速に」の方がより素早く丁寧な印象がありますので、相手から何か頼まれた場合は「早急に確認いたします」「迅速に対応いたします」などと使うと良いでしょう。
「早速(さっそく)」には名詞と副詞の2つの品詞があります。 ◯名詞の「早速」
◯副詞の「早速」
「早速」は「行動や対応が素早いこと」を意味しています。 また「早速」には、「はやい段階で動く」「(物事に対して)すぐに取り掛かる」というニュアンスが含まれます。 「早速」は自分と相手、どちらの行動に対しても使うことができます。また、上司や取引先など目上の人に対しても使うことができます。 「早速」は、「早速◯◯します」「早速◯◯した」「早速◯◯してくれて」といった形で文頭で使います。 また「早速ですが」「早速だが」という形で、挨拶の後、本題に入るための決まり文句として、話題を変えたいときの起こし言葉として使うことができます。
例文
「迅速(じんそく)」は、「物事の進み具合や行動などが非常に速いこと」を意味しています。 「迅」は音読みだと「ジン」、訓読みだと「はやい」と読みます。 「迅」は「速度がはやい」「はげしい」「すみやか」といった意味になります。 「迅速」は「早速」と同様に、相手の対応や行動が素早いときに使います。 「迅速」は「非常に速いこと」を意味しているので、「早速」よりもスピード感があるイメージで速さを強調したいときに使用します。 「迅速」は、目上の相手に対しても使うことができる言葉です。 「迅速」は相手の行動に対してだけでなく、「迅速に対応いたします」といったように自分の行動に対しても使うことができます。
例文
「取り急ぎ」は、「真っ先に」「急いで」を意味しています。 「取り急ぎ」は「急な事態が発生したため急ぐ」という意味合いになります。 「取り急ぎ」には、「細かいことは気にしないで」「十分な準備は整っていないが」「とにかく」というニュアンスが含まれます。 「取り急ぎ」は自分の行動に関してだけに使います。 特に急ぎではない連絡の時に「取り急ぎ」を使うと、「準備は十分ではありませんが」という意味合いになってしまいます。「準備は不十分ですが許してください」という意味合いも含まれてしまうため、ビジネスシーンで目上の相手や取引先に対して使うには不適切になります。 ただ目上の相手に対して、業務の緊急の連絡をするときや急ぎの回答を求められたときなどは「取り急ぎお伝えします」などと使うことができます。
例文
「早急」は「さっきゅう」あるいは「そうきゅう」と読みます。 「早急」は、ニュースなどでは「さっきゅう」と読む方がほとんどで、本来は「さっきゅう」と読む方が適切とされます。ただ一般的には「そうきゅう」でも使われることが多いのでどちらかが間違いということにはなりません。 「早急」は「非常に急ぐこと」「極めて差し迫っているさま」「至急」を意味しています。 「早急」は、「急を要する場面で非常に急ぐこと」を表します。 「早急」は部下に対して「早急に頼む」と使えるように「早く急いで」という意味合いが含まれるので、自分勝手な印象を与えてしまう可能性があります。 したがって「早急」は、目下の相手や同等に対しては使うことができますが、目上の相手に対しては相応しくない言葉となります。
例文
「至急」は、「非常に急ぐさま」「事が非常に差し迫っているさま」を意味しています。 「至急」は、「大急ぎで」というニュアンスが含まれるので、急を要して相手に依頼する場合に使うことがほとんどです。 急ぎのお願いするときに「至急、◯◯をお願いします」などと使います。 「至急」は、相手をせかす表現であるため、目上の相手に対して使うのはあまり相応しくありません。
例文
「速やかに(すみやかに)」は、「物事の進行がはやいさま」「間をおかずに」「すぐに」を意味しています。 「速やかに」は「できるだけ早く」というニュアンスになるので、「すぐに」といったように急かすようなニュアンスは含まれません。 「速やかに下校を〜」だったり「速やかに避難してください」なんて聞いたことがあると思います。 「速やかに」は「できるだけ早く」と、少々上から目線なニュアンスなので、目上の相手に対してはなるべく使わない方が良いでしょう。
例文
「直ちに(ただちに)」は、「時間を置かずに行動を起こすさま」「すぐ」を意味しています。 「直」は音読みだと「ジキ」「チョク」、訓読みだと「ただしい」「なおす」と読みます。 「直」は「直接」「すぐ」「ひたむき」を意味しています。 「直ちに」は、すぐさま取り組むことを表し、「できたらしてください」という意味は含まれません。 「直ちに」は、目上の相手に対して使うことができる言葉です。
例文
「早々(そうそう)」は、書簡文の結びとしても使うことができます。 手紙や年賀状の結語として「そうそう」を使います。 頭語が「拝啓」の場合には、結語は「敬具」になり、頭語が「前略」の場合には、結語は「そうそう」になります。 この場合の「そうそう」は「草々」と書くのが正しいですが、いつのまにか「早々」が代わりに使われるようになりました。 「草々」は手紙文の末尾に添えて、取り急ぎ走り書きするといった意を表す語です。 「草々」は手紙の最後に書くことで、「取り急ぎのご連絡です」といった忙しい様子を表しています。 「草々」が正しい表記になりますが、一般的に「早々」を使う人も多くなったため、「早々」を使っても問題ありません。
「早々」は英語で「early」を使います。 「早速」は、
などを使います。
I left the office early and went straight to the bar.
オフィスを早々と出発して、バーに直行しました。
Thank you for your prompt reply.
早速のご返信ありがとうございます。
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「早々に」について理解できたでしょうか? ✔︎「早々に」は「そうそうに」と読むことができる ✔︎「早々に」は「早く」「急いで」「直ちに」という意味 ✔︎「早々」は目下の人か同等に対して使うため、目上の人に対して使うと失礼に当たる ✔︎「早々」の類語には、「迅速」「早速」「至急」などがある
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