「木漏れ日」とは、「木々の枝葉の間から差し込む日の光」を意味する。「きもれび」ではなく「こもれび」と読み、「木洩れ日」とも書く。雨後の木漏れ日は白くカーテン状に見える。対義語は「木陰(こかげ)」。
「木漏れ日」の読み方は「こもれび」です。 「きもれび」と読まないように注意してください。 「木」を「こ」と読む他の熟語には「木端微塵(こっぱみじん)」「木末(こぬれ)」「木知原(こちばら)」などがあります。
「木漏れ日」の意味は「木の枝葉の間から日差しが漏れる光景、その日差しのこと」です。 太陽が出ている日は必ず見られる光景です。 山道や森林の中を歩いてみると、確認することができます。 雨上がりであれば、少し離れていても水蒸気に反射してよく見え、日の光がカーテンのように見えることもあります。 ちなみに、地面に投影される木漏れ日の形は円形です。 これは、枝葉の隙間の形には一切影響されず、太陽と同じ形をしています。 そのため、日食の時には三日月型の木漏れ日になります。
「木漏れ日」の漢字は「木洩れ日」とも書きます。 「漏れる」と「洩れる」はどちらも「もれる」と読み、意味も同じです。 ただ「洩」は常用漢字ではないため、一般的に「木漏れ日」が使われています。
「木漏れ日」はどの季節でも見ることのできる光景です。 季節感のある言葉ではありますが、春夏秋冬いつでも使うことができます。 「木漏れ日」を用いたい場合は、他の季語と合わせて使いましょう。
「木洩れ日」は、主に
などと使います。 「木漏れ日」の「日」は、「太陽」や「日にち」のことではなく、「日光」「日差し(日射し)」を指します。 そのため、一緒に使われる動詞は「差す」「差し込む」などになります。 上記で紹介した表現はどれも詩的な響きがあり、日常生活ではあまり使わず、主に小説などで見られます。
例文
「木漏れ日のような人」といった表現もあります。 これは、「木漏れ日」の日が木の隙間から差し込む穏やかな雰囲気から「穏やかであたたかい人」を表しています。 これも小説などで見られる表現ですが、文脈や作者の意図によって、ニュアンスは変わります。 また、「木漏れ日」は日本的なニュアンスをもつ言葉で、外国語では直訳がない場合が多いです。
「葉洩れ日」という言葉もあります。 これは「はもれび」と読みます。 意味は「木々の葉の間から洩れる日差し」のことです。 「木漏れ日」とほぼ同義となります。 「葉洩れ日」の場合は「漏れ」ではなく「洩れ」を使います。
木々ではなく、雲間から差し込む日の光を表す言葉もあります。 「薄明光線」は「はくめいこうせん」と読みます。 雲の切れ間や雲の端から光が漏れて、光線の柱が放射状に地上に向かっている現象を指します。 「光芒」は「こうぼう」と読みます。 意味は「尾を引くように見える光の筋」です。 薄明光線のことを指して使うことがあります。
「薄ら日」は「うすらび」と読みます。 意味は「弱い日の光」です。 また「薄日(うすび)」も同じ意味を持ちます。 そこから、「薄日」は低迷している時にやや持ち直したことで見えてくるかすかな希望のことをたとえて使われることもあります。
他にも「太陽の光」を表す言葉には
などがあります。
「直射日光」は「ちょくしゃにっこう」と読みます。 「太陽の光の中で、雲に反射されたり水蒸気や塵に拡散・吸収されたりせずに、直接地面に到達するもの」を指します。 一切遮られることなく、照らす日光のことです。 「直射」は「直接照らし付けること、光線が直に当たること」を指します。
「太陽」の反対を「月」とした場合に、対義語に「月光」があります。 「月光」は「げっこう」と読みます。 意味は「月の光」です。 ちなみに月が光っているのは、太陽の光を反射しているからです。 実際に月そのものが光を放っているわけではありません。
そして「光」の反対と言えば「影」ですよね。 意味は「光線が物体によって妨げられた暗い部分」です。 「木のかげ」のことを「木陰」といいます。 読み方は「こかげ」です。 「木漏れ日」と同じく、「木陰」も「木」を「こ」と読む言葉です。
「木漏れ日」とは英語の訳語がない代表的な日本語です。 自然に対する詩的な感覚や芸術的な感性を帯びるこの表現は、とても日本語的ということができます。 そのため、一語で表すならば「komorebi」となります。 しかし、ほとんどの英語圏の人は「komorebi」という言葉は知らないため、英語で”説明”して、「木漏れ日」を表現するしかありません。
直訳するならば、
などとなります。
I took my dog for walk along a path with sunshine filtering through the trees.
木漏れ日の道で犬の散歩をした。
少し難しい表現ですが、「dappled sunlight」ということもできます。 「dapple」とは、「〜をまだにする」という他動詞です。 過去分詞形「dappled」で「まだらな」という意味になります。
いかがだったでしょうか? 「木漏れ日」について理解出来たでしょうか? 小説や歌詞などでもよく出てくる言葉ですよね。 文章だけでも穏やかな雰囲気があります。 「木漏れ日」が好きな方も多いのではないでしょうか。