「拘泥」という言葉をご存知でしょうか。「拘泥」は、新聞記事や書籍などで目にすることが多いと思います。では、「拘泥」の意味について説明できるでしょうか。年配の人たちがよく使っていて、若い人たちはあまり使わない言葉かもしれません。実は、「拘泥」はあまり良いイメージのない言葉です。ですので、意味がわからずに「拘泥」を使っていると相手に失礼な印象を与えてしまいます。そこで今回は「拘泥」の意味や使い方、語源、類語「執着・執心」との違いについて解説していきます。「拘泥」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「拘泥」は<こうでい>と読みます。 「くでい」「こうどろ」とは読まないので注意しましょう。 「拘」は音読みで「コウ」、訓読みで「とらえる・かかわる」と読みます。 「拘」は「かかわる。こだわる」を意味します。 「泥」は音読みで「デイ」、訓読みだと「どろ・ひじ・なずむ」と読みます。 「泥」は「ふんぎりがつかない。こだわる。なずむ」を意味します。 「拘泥」の意味は「こだわること。小さい事に執着して融通がきかないこと」です。 一つのことにこだわること・必要以上に気にすること・気にしてとらわれることを表します。
「拘泥」は、夏目漱石『こころ』で使われて有名になりました。 「拘」という字には、”一つのことにとらわれる”という意味が含まれます。 「泥」という字には、”水を多く含んだ土・どろ・にごる・けがれる”という意味が含まれます。 また、「泥」は「なずむ」という読み方があります。 「なずむ」というのは、「物事がはかばかしく進まないでいる。進むのに難渋する。そのことに心がとらわれる。執着する」という意味がある言葉です。 ですので、「拘」だけでなく「泥」にも”こだわる”という意味があります。 ”こだわる”という意味の言葉を二つ重ねることによって、意味を強調した言葉が「拘泥」となります。
「拘泥」は「こだわること。小さい事に執着して融通がきかないこと」です。 「こだわり」と言えば、「こだわりの一品」「食材にこだわった料理」などといったように良いイメージの言葉として用いますよね。 しかし、「拘泥」の「こだわり」はこのような良い意味ではなく、「一つの物事にとらわれていて、他のことに目が入らない」といったように悪い意味として使います。 「拘泥する」「拘泥される」といったように「拘泥」を使う場合は、こだわりすぎて良くないという状況で用いるようにしましょう。 例えば、「勝敗に拘泥する」は「勝敗にこだわる。気にする」という意味で、「勝敗に拘泥しない」といった場合は「勝敗にこだわらない・気にしない」という意味になります。 また、相手に「拘泥されていて大変素晴らしいです」「拘泥の一品ですね」などと褒めてしまうと、失礼に当たるので注意が必要です。
例文
「執着」は<しゅうちゃく>または<しゅうじゃく>と読みます。 一般的には、「しゅうちゃく」と読むことが多いです。 「執着」の意味は「強く心をひかれ、それにとらわれること。深く思い込んで忘れられないこと」です。 「執」は「とりついて離れない」、「着」は「心がとらわれる」を意味します。 二つ合わせると、「一つのことに心をとらわれて、そこから離れられないこと」となります。 よく「執着心」とも言いますが、意味は「特定の物事に執着する気持ち・強いこだわり」です。 何か心惹かれる物事にとらわれて諦めきれないことを表すときに「執着」を使います。 「執着」は悪い意味として、愛情や恋愛といった類で使われることが多いです。
例文
「執心」は<しゅうしん>と読みます。 「執心」の意味は、
となります。 「執」は「とりついて離れない」、「心」は「こころ。精神」を意味します。 ある物事に心を引かれそれにこだわること・人に強く思いをかけることを「執心」と言います。 例えば、「随分とAはBにご執心の様子である」といった場合は「随分とAはBに夢中のようである」という意味になります。このように、「執心」はまだ自分のものになっていないもの対して使います。
例文
「固執」は<こしつ>または<こしゅう>と読みます。 「固執」の意味は、
です。 「固」は「融通がきかない。かたくな」、「執」は「とりついて離れない」を意味します。 自分の考えや意見を頑なに守り、それを変えたり譲らないことを「固執」と言います。 「自説に固執する」といったように”自分の意見などを曲げない”という意味の他にも、「社長としての地位に固執する」といったように”地位や役職にしがみつく”という意味で使うことができます。
例文
「固着」は<こちゃく>と読みます。 「固着」の意味は「かたくしっかりとつくこと。一定の場所に留まって移らないこと」です。 「固」は「融通がきかない。かたくな」、「着」は「一点に注目する。落ち着く」を意味します。 「固着剤」と言うように、「物が他の物にしっかりとくっつくこと」を表します。 「かたくしっかりとつく・他のものくっつく」という意味では「接着剤で棚板を壁に固着する」、「一定の場所に留まり移らない」という意味では「先祖代々の土地に固着する」などと使います。
例文
「拘泥する」は英語で「stick to...」「adhere to...」などといいます。 「adhere」の方が「stick」よりも、強意的でかつ堅い英語になります。
You should not stick to the status quo.
現状に拘泥すべきではない。
科学的に正しい英語勉強法
こちらの本では、日本人が陥りがちな効果の薄い勉強方法を指摘し、科学的に正しい英語の学習方法を紹介しています。読んだらすぐ実践できるおすすめ書籍です。短期間で英語を会得したい人は一度は読んでおくべき本です!
正しいxxxxの使い方
授業では教わらないスラングワードの詳しい説明や使い方が紹介されています。タイトルにもされているスラングを始め、様々なスラング英語が網羅されているので読んでいて本当に面白いです。イラストや例文などが満載なので、この本を読んでスラングワードをマスターしちゃいましょう!
職場で英語が必須な方や海外留学を検討している方など、本気で英語を学びたい人にオススメの英会話教室、オンライン英会話、英語学習アプリを厳選した記事を書きました!興味のある方はぜひご覧ください。
「拘泥」について理解できたでしょうか? ✔︎「拘泥」は<こうでい>と読む ✔︎「拘泥」の意味は「こだわること。小さい事に執着して融通がきかないこと」を意味 ✔︎「拘泥」は「一つの事にとらわれていて、他を受け入れない」と悪い意味で使う ✔︎「拘泥」の類語には、「執着」「執心」「固執」などがある