「頭が下がる」という言葉をご存知でしょうか。「頭が下がる思いだ」「頭が下がります」などと使います。では、「頭が下がる」とはどのような意味なのでしょうか。「頭が下がる」と聞くと、礼儀正しいかしこまった意味をイメージしますよね。「頭が下がる」は日常会話でもビジネスシーンでも使うことがあるので、正しく意味を覚えておくといざという場面で使えます。また、「頭が上がらない」という言葉もありますが、何か違いはあるのでしょうか。色々と疑問に思いますよね。そこで今回は「頭が下がる」の意味や使い方、例文、類語、対義語について解説していきます。正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「頭が下がる」の意味は「尊敬しないではいられない、感心させられる」です。 深く心に感じたり、優れている人を尊いもの認めて敬う気持ちになることを表します。
「頭」は「生物の首から上の部分で、脳がある場所」、「下がる」は「物の位置が低くなること」を意味します。 「頭の位置が低くなる」=「お辞儀」とイメージできます。 「お辞儀」は昔から日本にある動作で、相手に対して挨拶をするとき、お礼を伝えるとき、敬意を表すときなどに行います。 相手に対しての敬意や感謝の気持ちを込めて、お辞儀をします。お辞儀をすると、相手の頭よりも自分の頭の方が位置が下になります。 このような状態を「尊敬や感心を表す」という意味で、「お辞儀」から「頭が下がる」と表すようになりました。 ちなみにお辞儀には、ただ相手に頭を下げる軽いお辞儀から、相手にお願いをするときのお辞儀、改まった場面での深いお辞儀など様々なパターンがあります。 どのパターンでも「お辞儀」は、相手に対しての尊敬や感心を示しています。
「頭が下がる」は自分には真似できないことをする相手を尊く思う気持ちや、何かに深く感じる様子を表す場合に使います。 主に、「頭が下がる」は同等や立場が下の人の良い行いに敬意を表す場合に用います。 例えば、対等な立場にいる人が、ボランティア活動や人助けなど優れた行いをしているとします。こういった状況を見て、『立派だな』と思うことを「頭が下がる」と表現します。 立場が上の人は頭を下げる対象に当たるので、「頭が下がる」は目上の人に対して使うことも出来ます。 しかし、頭を上げることは当然で、ある行動に対して「頭が下がる」だといつもは頭を下げていないことになるので、目上の人に対して使うのは失礼であるという意見もあります。 目上の人に対して尊敬する気持ちを伝えたい場合は「敬服いたします」を使ったほうがいいでしょう。 言い回しとしては、
などとなります。
例文
「頭が上がらない」の意味は「相手に迷惑をかけたり、力に圧倒されることで対等に振る舞うことができないこと」です。 同等にも関わらず、自分が失敗を起こしたり相手に対して恩があるため、負い目を感じることを表します。 「頭が下がる」と「頭が上がらない」は語感が似ているので混同しやすいですが、意味は異なります。 「頭が下がる」は尊敬や感銘からきているのに対して、「頭が上がらない」は罪悪感からきています。 相手が自分よりも優れている場合は「頭が下がる」、何かの事情で同等の相手よりも自分の方が下にいる場合は「頭が上がらない」を用います。 また、「頭が上がらない」は立場が上の人に対して反抗できないという意味で使うこともできます。 「部長には頭が上がらない」「先生には頭が上がらない」などと言えます。
例文
「脱帽(だつぼう)」は「相手が自分よりも上だと認めて、降参の気持ちを表すこと」を意味します。 「脱帽」には『この人にはかなわないと』『参った』『恐れ入りました』という気持ちが強く込められています。 「ただ帽子を脱ぐ」という意味も含まれます。『脱帽せよ』と言った場合は「帽子を脱げ」という意味になります。 「感服(かんぷく)」は「深く心に感じて、尊敬や敬意の気持ちを抱くこと」を意味します。 何か技術や人の行動に深く感じて、尊重の気持ちを抱くことを表す場合に「感服」を使います。 「脱帽」「感服」を使う場合は注意点があります。 「脱帽」は目上の人に使うべきではない、「感服」は目上の人によっては使用を避けるべきです。 「脱帽」は上から物を言うニュアンスが込められるので、同等か目下の人に対して使います。 「感服」は目上の人から目下の人にも使えます。ただ「感服」は目下の人に使えるということもあり、失礼に感じる人がいるので注意しましょう。
例文
恐れ入る (意味:相手の才能に圧倒されて屈すること) 「彼の実力には恐れ入る」 尊敬する (意味:他人の行動を敬うこと) 「何でもこなせる彼を尊敬する」 畏敬の念を抱く (意味:相手を敬う気持ちを持つこと) 「師匠に畏敬の念を抱く」 尊ぶ(とうとぶ) (意味:相手を敬い重んずること) 「努力し続ける先生を尊ぶ」 感銘する (意味:心に残すほど深く感動すること) 「華やかな劇に感銘する」 一目置く (意味:相手の実力を認めて敬意を表すこと) 「勉強もスポーツもできる彼女を一目置く」 敬意を表する (意味:相手を敬う気持ちを持つこと) 「敬意を表して、姿勢を正す」 敬愛する (意味:相手を敬い、愛情を抱くこと) 「才能がある彼女を敬愛する」 崇める(あがめる) (意味:敬うものとして扱うこと) 「全員で彼を崇めていて気味が悪い」 慕う(したう) (意味:人柄などを尊敬して、そのようになりたいと思うこと) 「先輩の芸風を慕う」
侮蔑(ぶべつ) (意味:人を馬鹿にすること) 「彼は侮蔑する最悪な人間だ」 軽蔑(けいべつ) (意味:人を馬鹿にして軽く見ること) 「軽蔑するような眼差しで見られる」 肘鉄(ひじてつ) (意味:馬鹿にするように、肘で人を突き飛ばすこと) 「肘鉄を食らって倒れる」 蔑み(さげすみ) (意味:相手を見下すこと) 「蔑んだ目で見られることに耐えられなくなる」 軽視 (意味:人を馬鹿にして見下すこと) 「君は軽視する傾向にあるけど、あとでバチが当たるよ」 蔑ろ(ないがしろ) (意味:人などを無いものとして軽んじること) 「いつも私のことを蔑ろにして、許さない」 蔑視(べっし) (意味:人を見くびること) 「蔑視に耐えることは余裕だ」 見下す (意味:人を馬鹿にして見ること) 「いつも彼女は私を見下している」 軽侮(けいぶ) (意味:人を軽んじて調子に乗ること) 「あの人を軽侮するとあとで痛い目を見るよ」
「頭が下がる」は「感服する、敬服する」というニュアンスなので、
などの他動詞を使えばOKです。
I admire him more than any other guy.
彼には一番頭が下がる。
「頭が上がらない」は「対等の立場にはなれない」という意味なので、
などと表現します。どちらも慣用的な表現になりますが、ネイティブはよく使う表現です。
My mom has supported me financially and mentally since I was born, so I have no match for her.
母は私が生まれたときから経済面も精神面もサポートしてくれているので、頭が上がらない。
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「頭が下がる」について理解できたでしょうか? ✔︎「頭が下がる」は「尊敬しないではいられない。感心させられる」を意味 ✔︎「頭が下がる」は、敬意と感心を表す動作「お辞儀」からきている ✔︎「頭が下がる」は目上の人に使っても問題ないが、基本的に同等か目下の人の行いに使う ✔︎「頭が下がる」の類語には、「恐れ入る」「畏敬の念を抱く」「一目置く」などがある