「支度」「仕度」という言葉をご存知でしょうか。「支度する」「身仕度を整える」などと使います。「支度/仕度」は日常会話で使うことが多い言葉です。「支度」と「仕度」は同じように使いますが、意味に違いはあるのでしょうか。意味を知っておけば正しく使えるようになります。また、「用意」と「準備」という言葉がありますが、どのように区別するのでしょうか。普段からよく使う表現でも知らないことが多いですよね。そこで今回は「支度/仕度」の意味と使い方、「準備・用意との違い、例文について紹介します。適切に覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「支度/仕度」の意味は、 1.必要なものをあらかじめ揃えておくこと。準備すること 2.外出や応接のために服装をととのえること 3.食べ物を食すること 4.前もってしっかりと見積もること です。 事前に必要なものを揃えておくこと、外出する前に服装や髪型など身だしなみを整えることを表します。
「支」は「物事を企てる。計算する」、「度」は「推察する。見積もる」を表します。 二つを組み合わせて「支度」とすることで、「見通しを立てる。導き出す」という意味になります。 「導く」という意味から、だんだんと「用意する。あらかじめ揃える」を意味するようになりました。そこから「身なりを整える」という意味でも「支度」を使うようになりました。 実は「仕度」は当て字です。元々は「支度」のみが使われていましたが、「仕度」が徐々に広まっていき今では一般的になってしまいました。 現在は「支度」でも「仕度」でも問題ありませんが、「支度」が本来正しい漢字なので、「仕度」ではなく「支度」を使用するのが無難です。 余談になりますが、「仕度」と同じように、よく使われていながらも実は当て字である漢字はいくつも存在します。 例えば、「試合」は本来は「◯◯しあう」という意味で、「試みる」という字が当てられて「試合」が使われるようになりました。
「支度/仕度」は物事を実施する前に必要なものを揃える場合、出掛ける前に身だしなみを整える場合に使います。 学校や仕事、遊びに行くときは持ち物を確認したり、髪型を整えてから外に出ますよね。そうした行動を「支度/仕度」と言います。 例えば、「学校に行く支度を手短に済ませる」「旅行の支度のため買い出しに行く」といったように使えます。 主に、「◯◯の支度をする」という形で用います。「◯◯を支度する」とは言いません。 「支度/仕度」は、身なりや食事の場を整える場合に用いることが多いです。「資料の支度をする」「書類の支度をする」といっても間違いではありませんが、あまり使いません。 言い回しとしては、
などとなります。
例文 「準備をする」という意味
「身だしなみを整える」という意味
「支度」・・・特定の行動に取りかかれるように、必要な物を前もって整える 「用意」・・・行動に取りかかれるように、必要な様々な事を前もって整える 「準備」・・・行動に取りかかれるように、必要な事だけではなく精神面も整える
「支度」は、食事や外出など特定の動作にすぐに取り掛かれるように必要な物を整えることを意味します。 それ以外の場面では「支度」という言葉を使うことは少ないでしょう。また「支度」は口語で使うのが主になります。 「用意」は、「支度」よりも様々な場面で使え、また整える物も広範囲になります。
「準備」の意味は「ある物事を上手く進めるために、前もって必要なものや態勢を整えること」です。 「支度/仕度」と「準備」は共に「前もって整えること」を意味しますが、「準備」の方が「整える」範囲が広く、精神的なもの・抽象度の高いものまで含みます。 「支度/仕度」はある事を始める際に必要な物のみを揃えれば終わりますが、「準備」は単に物を揃えるだけではなくある事を始めるにあたって必要な環境や姿勢、精神状態、支援までも整えることを意味します。つまり、「準備」には「意欲」「決心」というニュアンスが含まれています。 その証拠として、「心の準備をする」「準備体操」などの表現がありますよね。 「旅行の支度をする」だったら「どこかに行くかは決まっているが、荷物はまだまとめていない状態」ですが、「旅行の準備をする」だったら「どこに行くか、誰と行くか、そもそもどのように行く場所を決めるか、などを考えることから始める状態」を表します。
「用意」の意味は、 1.物事を進める前に、前もって必要なものを揃えること 2.競争や競技のスタートの構えを整えさせる合図 3.心を配ること。注意すること です。 「支度/仕度」よりも「用意」の方が指す範囲が広いです。 「支度/仕度」は食事や身なりを整える場合に使うことが多いのに対して、「用意」は様々なことを整える場合に使えます。 例えば、「料理の支度をする」だったら「材料は揃っているが、まだ作っていない状態」、「料理の用意をする」だったら「材料がまだ揃っていないのでまず買い物に行かなければならない状態」を表します。 また、「用意」は『用意、どん!』『用意、スタート!』といったように、開始の掛け声として使うこともできます。
「用意」の例文
「準備」の例文
「支度」の敬語は、「お支度」と「ご支度」のどちらが正しいのでしょうか? 結論から言うとどちらでも間違いとは言えませんが、「お支度」を使う場合が多いです。 敬語を表す接頭語には「お」と「ご」の2種類が存在します。 基本的な規則として、和語には「お」が付き、漢語には「ご」が付きます。 しかし、例外がかなり多く、この規則性はあまり意味をなしていません。漢語なのに「お」が付いたり、和語なのに「ご」が付いたり、「お」「ご」のどちらでもよい日本語がたくさん存在します。 「支度」は漢語なので、規則通りならば「ご支度」なのですが、実際には「お支度」の方がよく使われています。 実際に、結婚式の用語としては「お支度」が定着しています。花嫁がメイクや衣装の身支度をしてもらうことを「お支度」といいます。
例文
「支度する/仕度する」というのは、「準備する」という意味とほぼ同義と解釈して問題ないでしょう。 「準備する」は英語で、
などを使います。 外出前の「支度する」は「wash and brush up」という表現も使うことがあります。 「brush up」の意味と使い方に関しては、下記の記事で紹介しているのでぜひ読んでみてください。
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「支度/仕度」について理解できたでしょうか? ✔︎「支度/仕度」は「必要なものをあらかじめ揃えておくこと。外出や応接のために服装を整えること」を意味 ✔︎「仕度」は当て字で、元々は「支度」が正しい ✔︎「支度/仕度する」「支度/仕度に追われる」「旅支度/旅仕度」などと使う ✔︎「支度/仕度」の敬語表現は「お支度」