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「有為転変」の意味と使い方、由来、「諸行無常」との違い

「有為転変」という言葉をご存知でしょうか。「有為転変は世の習い」「有為転変の世の中」などと使います。では、「有為転変」とはどのような意味なのでしょうか。日常会話であまり使わない言葉なので、どのようなことを表しているのか知らない方が多いかもしれません。また、「諸行無常」という言葉がありますが、違いについて説明できるでしょうか。色々と疑問に思う点が多いですよね。「有為転変」を正しく知っておくと、いざというときに使うことができます。そこで今回は「有為転変」の意味や使い方、読み方、由来について解説していきます。適切に覚えて、上手く使えるようにしましょう!

「有為転変」の読み方と意味

「有為転変」は<ういてんぺん>と読みます。 「ういてんべん」と読むこともできますが、稀です。 「有為転変」の意味は「世の中は絶えず移り変わり、少しの間も一定の状態にないこと」です。 世の中は常に変わりやすいもので虚しいこと、この世のものは常に変わるので同じ状態ではないことを表します。

「有為転変は世の習い」とは

「有為転変は世の習い」は「ものごとが激しく移り変わることは、世の中にとって普通であること」を表します。 この場合の「習い」は「学ぶ、勉強する」という意味ではなく、「世の常、世間一般」を意味します。 単に「有為転変」と使いますが、「有為転変は世の習い」と使うことも多いです。 「有為転変は世の習いと言うように〜」「有為転変は世の習いと言うが〜」といったように用います。 例えば、『テストで赤点とっちゃったよ〜』『そんなことで落ち込む必要はない。有為転変は世の習いと言うし、今度のテストはきっと良い点を取ることができる』と言えます。

「有為転変」の由来

元々「有為」は仏教用語です。 「有為」は「因縁によって生じた現象」を意味します。 例えば、手が滑って持っていた皿を落とし割ったとします。これは手が滑ったことが「因」で、手から落ちたことが「縁」となります。こうした因縁から生じた出来事を「有為」と言います。 「転変」は「万物が移り変わること」を意味します。 「有為転変」とすることで、「全ての事物は常に移り変わっていて、一定ではないこと」を表すようになりました。

「有為転変」の使い方と例文

世の中は激しく移り変わり、一定の状態ではないことを表す場合に「有為転変」を使います。 「有為転変」は、人生や人の生活を表す時に使うことが多いです。 例えば、「少し前まで生き生きと走り回っていた犬が元気をなくしていく姿を見て、有為転変を思い知る」と言えます。 元気だと思っていた犬がだんだんと衰えていく様子から、生き物は常に変化することを表します。 このように、「有為転変」を用いることで、世の中の変わりようを実感して、そのことが虚しかったり激しいことを表せます。 使い方としては、

  • 有為転変に
  • 有為転変な◯◯
  • 有為転変の◯◯
  • 有為転変の世の中
  • 有為転変は人の世の常
  • 有為転変を思い知る

などとなります。

例文

  • 彼女の彼に対する思いは、有為転変に左右されることはない。
  • 長い間同じ状態ではなく、人は有為転変を経験することでレベルアップする。
  • 世は有為転変なので、いつ事故に遭ったり会社をクビになるかは分からない。
  • 彼女は有為転変の生活を送ってきたので、細かいことでは動じない。
  • 有為転変の世の中では、安定した生活を送り続けることができるとは断言できない。
  • 学生時代の友達と久しぶりに会ったが、太り過ぎて別人のようになっていた。有為転変とはまさにこのことだ。
  • 何年かぶりに地元に戻ったが、畑が並んでいた場所にビルがたくさん建っていて有為転変を強く実感した。
  • これまで何回も優勝してきたチームが、今年は不調でリーグ最下位であることは有為転変を実感させられる。

「有為転変」と「諸行無常」の違い

「諸行無常」は<しょぎょうむじょう>と読みます。 「諸行無常」の意味は「この世の中のあらゆるものは変化・生滅して、同じ状態ではないこと」です。 「諸行」は「関係によって作られたこの世の一切の存在」、「無常」は「事物は生滅・変化して同じでないこと」を表します。 二つを組み合わせることによって、この世に存在してるものは常に変化するため、永久不滅なものは全くないことを表します。 「諸行無常」と「有為転変」はほぼ同じ意味です。同じように使うことができますが、使う場面がやや異なります。 「諸行無常」は事物が盛んになったり衰えたりすることだけでなく、壊れたり、無くなったりと様々なものに変化することを表す時に用いることが多いです。 「有為転変」は、世の中は常に変わりやすいことを表す時に用いることが多いです。

例文

  • 白髪が生えてくるたびに、永遠に若くはいられないのだと諸行無常を痛感する。
  • 長年付き合っていたか彼と別れたが、諸行無常であると感じる。
  • 久々に会った友人たちとシワが増えた顔を見合って、諸行無常だと言い聞かせた。

「諸行無常」の正しい読み方と意味を例文を添えて解説します!

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「有為転変」の類語

有為無常 (意味:この世のものは常に変化して同じ状態ではないこと) 「彼が変わっていく姿を見て、有為無常を思い知る」 生々流転(せいせいるてん) (意味:この世のものは生死を繰り返し、変化していくこと) 「ものが変わっていくことは、生々流転だと実感する」 泡末夢幻(ほうまつむげん) (意味:人生は変わり、虚しいこと) 「呆気なく終わってしまうと、泡末夢幻だと思う」 盛者必衰 (意味:この世は常に変化し、勢いの盛んな者でもいつかは衰えること) 「盛者必衰とは言うが、A社が衰えるとは思わなかった」 万物流転 (意味:ものは激しく変化すること) 「万物流転と言うように、いつか良いことが起こるはずだ」 パンタ・レイ (意味:万物は流転すること) 移れば変わる世の習い (意味:この世で起きる全ての出来事は常に変わること) 「移れば変わる世の習いと言うが、あの店が潰れてしまうのは悲しい」 昨日の淵は今日の瀬 (意味:未来がどうなるかは分からないこと) 「昨日の淵は今日の瀬と言うし、毎日大切にしないと」 世の中は三日見ぬ間の桜かな (意味:桜がいつのまにか散るように、世の中は変化しやすいこと) 「世の中は三日見ぬ間の桜かなと言うように、いつ何が起こるか予想できない」 驕(おご)れるもの久からず (意味:自分の立場や権利を威張る人は、そのうち駄目になること) 「驕れる者は久しからずって言うし気をつけなくては」 もの盛んなれば則ち(すなわち)衰う (意味:全ての物事は盛んになってしまうと、後々衰えること) 「物盛んなれば則ち衰うって言うし今は頑張らないと」

「有為転変」の対義語

一定不変 (意味:何があっても変わらない) 「私たちの仲は一定不変だね」 永遠不変 (意味:いつまでも移り変わることがない) 「永遠不変の愛なんてないよ」 恒久不変 (意味:いつまでも変化しないこと) 「恒久不変なものなどないはずだ」 万古不易(ばんこふえき) (意味:いつまでも変化しないこと) 「万古不易なものは思いつかない」 常住不変 (意味:永遠に変わらないこと) 「常住不変と言っているが、そんなことはありえない」 果てしない (意味:終わりがないこと) 「二人の言い争いは果てしなく続きそうだ」 限りない (意味:終わりがないこと) 「この海は限りなく広がっている」 永久 (意味:終わりがなく続くこと) 「彼女に対する気持ちは永久に変わらない」 悠久 (意味:長く変わらないこと) 「今に至るまでは悠久の歴史がある」

「有為転変」の英語

「Nothing is permanent」「Everything is changing all the time」など

「有為転変」の英語表現を考えていきましょう。 「有為転変」は「全てのもは変化し続ける」という意味なので、これを上手に表現するばOKです。

  • Nothing is permanent.(永久なものは何もない)
  • Everything is changing all the time.(全てのものは常に変化し続ける)
  • Everything is in flux.(万物流転)

もう少し分かりやすく意訳すると、

  • Life comes and goes.(人生は動き続ける)
  • You never know what will happen in life.(人生何が起こるか分からない)

などになります。

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まとめ

「有為転変」について理解できたでしょうか? ✔︎「有為転変」は「ういてんぺん」と読む ✔︎「有為転変」は「世の中は絶えず移り変わり、少しの間も一定の状態にないこと」を意味 ✔︎「有為転変」の類語には、「生々流転」「泡末夢幻」「世の中は三日見ぬ間の桜かな」などがある ✔︎「有為転変」の反対語には、「一定不変」「永遠不変」「永久」「悠久」などがある

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