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「思い」と「想い」の意味の違いと使い分け

「思い」という言葉は日常的に使われることが多いです。「思いを馳せる」「思いを寄せる」などと言いますよね。また、「◯◯と思います」といったように公的な文章でも使います。「おもい」と言うと、「思い」の他にも「想い」と表記することがあります。では、漢字が違うことによって、何か意味は異なるのでしょうか。実は少々異なる部分があるので、使い分けることが必要です。難しいと思うかもしれませんが、違いを覚えておけばすぐにでも区別することができます。そこで今回は「思い」と「想い」の意味の違いと使い分けについて解説していきます。適切に知って、上手く使い分けるようにしましょう!

「思い」と「想い」の違いまとめ

▶︎「思い」・・・頭の中でおもい浮かんだ考え。論理的に考えていること ▶︎「想い」・・・心の中でおもい浮かべた考え。感情的に考えていること

「思い」と「想い」はほとんど同じ意味です。 違いとしては、 「思い」=「頭の中で考えているもの」 「想い」=「心の中でイメージするもの」 となります。 「思い」を使っても「想い」を使っても問題ありません。 ただ、「想」は常用外漢字ということもあって、公的な文章では「思い」を使います。 一般的には「思い」を使うことが多いですが、少し情緒的な雰囲気を醸し出したい場合は「想い」を使うのが良いでしょう。 「思い」は「想い」を内包しているので、どちらを使うか迷った場合は「思い」を使うのが無難です。

「思い」の意味と使い方

「思い」の意味は、

  • おもう心の働き、内容、状態
  • 物事から自然に感じられる心の状態
  • (悲しい嘆きで)喪に服すること。喪の期間

です。 「思」という漢字には、「こまごまと考える。思いめぐらす」という意味が含まれます。 「思」を用いた言葉には、「思考」「思惑」「思想」「意思」などがあります。 その対象について、『これこれだ』『こうなるだろう』と心を働かせること・あれこれと心に掛けてわずらい、または嘆くことを表します。 考え・空想・回想・希望・願望・心配・感銘・興味・恋情・執念などと、広い意味での主観的な感情的な心の働きを「思い」と表します。 『私はこう考えています』「僕はこう感じています」ということを「思います」と表現します。 「思います」は敬語として成り立っているので、公的な文章でも使うことができます。 「思い」を用いた表現は多くあるので、例文とともに紹介します。

「思い」を用いた表現 「主思い(しゅうおもい)」:主人のために思うこと。主人を大切にすること。また、その人 「思い入る」:いちずに思う。深く心に思う。深く心にかける 「物思い」:思いわずらうこと。思いにふけること 「断腸の思い」:腸がちぎれそうなほどの辛い悲しみ 「思いを馳せる」:遠く離れているもののことを思う 「思いがつのる」:恋しく思う気持ちが高まってくる 「思い半ばに過ぐ」:事実が想像以上で感慨無量なことにいう 「思いも寄らない」:全く予想できない。全く意外である 「思い邪(よこしま)なし」:心情をありのままに吐露していつわり飾ることがない 「思いを晴らす」:うらみやうさをはらす。ずっと抱いてきた望みを遂げる 「思いを致す」:そのことに思いをめぐらす

例文 「思い」を名詞として使っている例文

  • 自分の思いのままに文章を書いてみる。
  • ふとした思いが脳裏をよぎる。
  • 他人には思いやりを持って接することが大切である。
  • 彼のいい加減な性格が原因で、もう応援したいという思いが消えていった。
  • 世界を変えたいという思いの元、起業をする。

「思い」を動詞として使っている例文

  • 新しい企画に関する良い案が思いついた。
  • 彼の提案は私が思いがけないものであって、つい感心してしまった。
  • 私はあなたの言う通りだと思います。
  • 必ず実行させようとしたが、直前になって思いとどまってしまった。
  • 嬉しかったことを思い浮かべて、仕事を頑張るようにする。
  • 彼がものすごく怒っていたというのは自分の思い違いだったようだ。

「想い」の意味と使い方

「想い」の意味は、

  • おもう心の働き、内容、状態
  • 物事から自然に感じられる心の状態
  • (悲しい嘆きで)喪に服すること。喪の期間

です。 「想」という漢字には、「心に思い浮かべる。まだできていない作品などに関する具体的なイメージ」という意味が含まれます。 「想」を用いた言葉には、「想像」「妄想」「発想」「構想」などがあります。 心に思い浮かべた感情・物事や人に対してある感情を抱くことを表します。 「想い」は日常的によく使われる表現ではありませんが、小説・歌詞・ポエムなどの創作物においてよく使われます。 このことからも分かるように「想い」には、感情が込められています。 『懐かしい』『憧れる』『恋している』といった心情を「想う」と表現します。 このように、頭で思い浮かべたイメージの人物や情景だったりを表すときに使うことが多いです。

例文 「想い」を名詞として使った例文

  • 初めて会った彼に想いを寄せる。
  • 憧れを抱いている彼女に自分の想いを伝える
  • 彼と両想いだと知って、テンションが上がってしまう。
  • 本当に歌が上手い人というのは、想いを込めて歌うのだ。
  • 長年の想いがかなって、憧れの人物と会うことになった。
  • 綺麗に咲いている桜を見て、想いにふける。
  • 遠い場所にいる彼に対しての想いが募る。

「想い」を動詞として使った例文

  • キラキラと輝いている将来を想うと、頑張ろうとする気持ちが沸々と湧いてくる。
  • テレビの田舎特集を見て、自身の故郷を懐かしく想う。
  • 先輩を想う気持ちが知らぬ間にどんどん大きくなっていく。

「思い」と「想い」の類語

気持ち (意味:物事に対して感ずる心のあり方) 「彼の気持ちをよく考える」 感じ (意味:物事や人に触れて起こる思い) 「なにかわびしい感じがする」 センチメンタル (意味:感じやすく、涙もろいさま) 「随分とセンチメンタルな小説である」 情感 (意味:ものに感じて情のおこること) 「情感溢れるシーンに感動する」 胸中 (意味:胸の内。心のおもい) 「彼女の胸中を察する」 心中 (意味:心のうち。胸中) 「ああ見えるが心中は穏やかでないだろう」 胸懐<きょうかい> (意味:胸の内。胸襟) 「胸懐はものすごく複雑である」 フィーリング (意味:感じ。感情。心地) 「あの人とはフィーリングが合う」 感情 (意味:喜怒哀楽や好悪など、物事に感じて起こる気持ち) 「つい感情が高ぶってしまう」 意中 (意味:心の中で思っていること) 「彼にだったら意中を漏らせる」 切望 (意味:しきりにのぞむこと。たって願うこと) 「実行するのを切望してやまない」

「思う」と「想う」の類語は非常に多くあります。上記で説明しきれなかった類語についても紹介します。

  • 願い
  • 望み
  • 願望
  • 愛欲
  • 憧れ
  • 意欲
  • 志願
  • 欲望
  • 欲求
  • 所望
  • 気分
  • 心情
  • 思惑
  • 主張
  • 情動
  • ムード

履歴書や手紙ではどっちを使う?

上記でも説明したように、「想」は常用外漢字です。ですので、履歴書では「思い」を使います。 例えば、「御社に活かせると思います」「今までの経験を活かせると思います」などと使います。 「思います」は非常に使い勝手がいい言葉なので、履歴書内でも多用されます。 ただ、あまりにも多く使ってしまうとしつこいので、「存じます」「考えます」などと言い換えるのも良いでしょう。 手紙の場合は、ビジネスシーンなどでの公的な手紙では「思い」、親しい間柄の相手や知人に出す手紙は「思い」も「想い」も使えます。ラブレターなどの感情を伝える手紙では、「想い」を使うのが良いでしょう。

「念い」と「憶い」とは

「おもい」の漢字には他にも「念い」と「憶い」があります。 「念い」の意味は「強く意思を抱いて物事に取り組む。事を成し遂げること」です。 「念」という漢字には、「いつまでも心にとどめる。 思い詰めた考えや気持ち」という意味が含まれます。 「一念発起」「自責の念」「畏敬の念」などと使われているように、強い気持ちを表す場合は「念い」を使います。 「念い」という言葉はあまり使われることがありませんが、いざというときに使えるように覚えておきましょう。 「憶い」の意味は「深く思って忘れないこと。過去のことについておもいを馳せること」です。 「憶」という漢字には、「いろいろなことを思いやる。心にとどめて忘れない」という意味が含まれます。 「記憶」「回憶」「追憶」「憶測」などと使われているように、絶えずに忘れないという場合は「憶い」を使います。 「憶い」という言葉は読み方が知られていないということもあって、滅多に使われません。

「思い」と「想い」の英語

英語でも「思い」「想い」を意味する単語はたくさんありニュアンスによって使い分けが必要です。

  • thought(考え)
  • hope(願い)
  • will(意思)
  • love(愛)
  • feeling(感覚)
  • mind(心)

などが一般的によく使われる単語です。

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