「参る」と「伺う」の違いについてご存知でしょうか。実はこの2つの言葉には違いがあります。使い方を間違ってしまうと相手に違和感を与えてしまうので、注意が必要です。そこで今回は「参る」と「伺う」の違いについて解説していきます。しっかり違いについて理解し、自信を持って使いこなせるようにしましょう。
▶︎「参る」
▶︎「伺う」
(誤)「今からお手洗いに伺います」 *「お手洗い」に敬意を払う必要はないので「伺う」は間違い
(誤)「来週は出張で東京へ伺います」 *「東京」に敬意を払う必要はないので「伺う」は間違い
(誤)「今日は天気が良いので、散歩に伺いましょう」 *「散歩」に敬意を払う必要はないので「伺う」は間違い
(誤)「今度の休みは旅行へ伺います」 *「旅行」に敬意を払う必要がないので「伺う」は間違い
▶︎尊敬語 相手の動作を高めることで、その人に対しての敬意を表す敬語。「いらっしゃる・おっしゃる」など ▶謙譲語I 自分の動作をへりくだることで、敬意の向かう先の相手を立てることができる敬語。「伺う・申し上げる」など ▶謙譲語II 自分の動作をへりくだることで、動作の対象の相手ではなく、聞き手や読み手に対して丁重に述べる敬語。「謙譲語II」ではなく「丁重語」とも。「参る・申す」など ▶︎丁寧語 高める相手の有無を問わず、丁寧な言葉遣いで相手への敬意を表す敬語。「です・ます」など ▶︎美化語 誰かへの敬意を表すのではなく、表現を上品に、ものごとを美化して述べる敬語。「お酒・ご挨拶」など
「参る」は「行く」の謙譲語です。 謙譲語は、自分の動作をへりくだって表現するので目上の相手に敬意を示します。 「参る」は謙譲語なので、自分が目上の人の元へ行く時に使うのが基本になります。 また、「参る」は「行く」の謙譲語として使う以外にも「今年の夏の暑さには参る」といったように「困る」という意味で使うことがあります。 「困る」という意味合いから転じて「降参する」「死ぬ」といった意味で使うこともありますが、これらの使い方は少々古臭い響きがあり、意味が伝わりにくいことがあるので使用する際は注意が必要です。 「参る」は自分の行動に対して使います。「△△へ参ります」といったように自分から相手に出向くことを表します。 「参る」は自分の行動だけでなく、社内の身内の行動に対しても使うことができます。例えば取引先に「上司の田中が御社へ参ります」と使えます。 ただ、「参る」は謙譲語のため、相手に対して使うのは間違いになります。例えば、「◯◯様が明日参られます」というような使い方は間違いです。正しくは「◯◯様が明日いらっしゃいます」とします。 「参る」は謙譲語ですが、謙譲語の中でも謙譲語IIと呼ばれるものに分類されます。 謙譲語IIは、”聞き手を立てたり、相手に対する敬意を表すときに使う敬語”です。 「参る」は「出張で埼玉に参ります」といったように、行く先に敬意を払う相手がいてもいなくても使うことができます。
「伺う」は、「聞く」「伝え聞く」「尋ねる」「訪問する」「行く」の謙譲語です。 「お伺いします」とすると、「聞く・質問する」「訪問する・行く」の謙譲語になります。 謙譲語は、自分の動作をへりくだって表現するので目上の相手に敬意を示します。 「行く」の謙譲語として「伺う」を使うときは、自分から目上の相手に出向くことを表しています。 なぜこの場面で「伺う」を使うのかというと、自分の都合で相手が時間を割いてくれていることに対して敬意を示す必要があるからです。 「伺う」を「行く」という意味で使う場合は、
といったようになります。 「伺う」は謙譲語ですが、謙譲語の中でも謙譲語Iと呼ばれるものに分類されます。 謙譲語Iは、”自分がへりくだることで相手を立てるときに使う敬語”です。 「伺う」は行く先に敬意を払う相手がいない場合には使うことができません。 「休みを利用して、沖縄に伺う」といったような使い方は、行く先に敬意を払うべき相手がいないので誤用になります。 また、「伺う」は「明日は久しぶりに実家に伺う」といったように、行く先に相手がいても、その相手が身内など敬意を払うべき相手でなければ、不自然な使い方になってしまいます。
英語には謙譲語という概念はありませんから、その部分はあまり意識する必要はありません。 「参る」は「行く」の謙譲語なので、「参る」の英語表現は、
などを使えばOKです。 「come」は「来る」じゃないの?と思う方がいるかもしれませんが、英語でも相手目線で自分の動作を発言することがあります。 「今すぐ行くね!」は「I'm coming soon!」となります。 自分からしたら「go」ですが、相手からしたら自分が「come」するわけです。 この英語の言い回しは日本語の謙譲語とどこか似ている気もします。
Okay then, I'm going to visit your office tomorrow morning.
はい、それでは明日の午前中弊社に参ろうと思います。
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「参る」と「伺う」の違いについてお分かりいただけたでしょうか。 「参る」は聞き手に敬意を表す敬語で、 「伺う」は敬意を払うべき相手がいないと使用できない敬語です。 同じ「行く」の謙譲語でも意味は少々異なるので、しっかりと使い分けできるようにしておきましょう!
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