「携わる」という言葉をご存知でしょうか。「携わる」はビジネスシーンだと「◯◯に携わっています」という形で使われることが多いです。この形で自己紹介をする場面もあるでしょう。では「携わる」にはどのような意味や使い方があるのでしょうか。意外と意味を知らないで、なんとなく使ってしまっていることもありますよね。そこで今回は「携わる」の意味や使い方、類語、「関わる」との違いについて解説していきます。「携わる」を正しく理解して、上手く使いこなせるようにしましょう。
「携わる」は「たずさわる」と読みます。 「携」は「携帯」の「ケイ」のように音読みすることが多いですが、「たずさわる」という読み方もするので覚えておきましょう。
「たずさわる」の送り仮名には「携わる」と「携る」の2通りを見聞きしたことのある人もいるのではないでしょうか? 送り仮名の付け方の決まりとして、文化庁では『活用語尾以外の部分に他の語を含む語は、含まれている語の送り仮名の付け方によって送る』としています。 漢字「携」は、「携える(たずさえる)」という言葉でも使われます。 「携る」と表記してしまうと、「たずさわる」「たずさえる」のどちらで読めばいいか分からなくなってしまうので、「たずさわる」の場合は「携わる」と表記すべきとされています。 ただ、送り仮名には「許容」が存在します。 (例えば、原則「暮らす」と書くが、「暮す」も許容される) よって、「携る」は絶対間違いとは言えないですが、基本的には「携わる」と書くべきでしょう。
「携わる」は「ある物事に関係する」という意味です。 特に「仕事としてある事柄と接点を持つ」というニュアンスで使われることが多いです。 しかし、必ずしも「仕事として」関わるわけではありません。 「携」という漢字には「手にさげて持つ・たずさえる」という意味があり、「携帯」「携行」などと使われます。 また、「手を取り合う」という意味もあり、「提携」「連携」のように使われます。 現代はこれらの意味で「携わる」が使われることはありませんが、古語ではこれらの意味で使われていました。
上記でも解説した通り、「携わる」は「仕事としてある物事に関わる」という意味です。 よって、ビジネスシーンではプロジェクトや案件、事業、部署などに参加し関わりを持つときに使います。 一般にビジネスで「携わる」は、ただ接点があるというだけではなく、知恵を貸したり発展に寄与している、というニュアンスを含みます。
例文
敬語には大別して、尊敬語、謙譲語、丁寧語の3種類があります。 「携わる」の敬語表現を見ていきましょう。
目上の人の動作に対して使う尊敬語は、
などがあります。 自分の行為をへりくだっていう謙譲語には、
などがあります。 丁寧な言い方である丁寧語には、
取引先や上司、顧客など目上の人が何かの仕事に関わっている場合は尊敬語「携わられる」「携わっていらっしゃる」「携わっておられる」などを使います。 自分が目上の人の組織やプロジェクトに関わらせてもらう場合は、謙譲語「携わらせていただく」を使います。 「携わってまいりました」は携わる対象への敬意ではなく、話している相手に対する敬意を示すときに使います。 「携わってまいりました」は、「携わってきました」の謙譲表現にあたります。 社外の人に社内のプロジェクトや案件に関わっている旨を伝える場合は丁寧語を使います。社外の人と話すときに、自社に対して尊敬語を使うのはマナー違反だからです。
例文
「携わる」は就職活動でもしばしば使用される言葉です。 履歴書の志望動機の欄などで「携わる」という文言はよく使われます。 志望動機で使われる「携わる」でも上記で説明してたのと同じ意味になります。 「携わる」はビジネスシーンでよく使われる堅い表現なので、使うことで文章全体がしまります。 よくある使い方は「貴社に入社することができたら、◯◯に携わらせていただきたいです」というような形です。 大事なのは、その前後に「なぜその会社に入りたいのか」「なぜその仕事に携わりたいのか」理由をしっかりと述べることです。 また、転職の際には、「これまでは◯◯に携わっておりました」と自分の今までの経験について述べることができます。例えば「前職では営業職に携わっておりました」と使えます。
例文
▶︎「関わる」・・・関係すること ▶︎「携わる」・・・職業や業務などに仕事として関係すること
「携わる」と「関わる」は非常に似ています。 違いは、「関わる」は単に「関係する」という意味であるのに対して、「携わる」は「ある事柄に仕事として関係する」という意味になります。 よって、「関わる」の方が幅広く使われます。「関わる」は、仕事ではなくプライベートである物事と関係する時にも使えますし、人と関係する場合にも使うことができます。 また、仕事として「携わる」という場合は、ただ関係を持つだけではなく、その業務などの発展に貢献している、というニュアンスが含まれます。
「携わる」に似た言葉に「携える」があります。送り仮名が違うだけですが、全く違う意味になります。 「携える」は「手にさげて持って行く、身につけて持つ」という意味です。
「係う・拘う」の意味は、
となります。 「係う/拘う」は「関係すること」を表します。 「係う/拘う」はただ関係することではなく、「めんどうなことやつまらないことに関係する」というニュアンスになります。 例えば、「私も◯◯の研究に係う」「小事に拘う」などと言うことができます。
例文
「関与」の意味は「ある物事に関係すること」「関わること」です。 「関与」はただ関係するのではなく、「深く関わる」という意味合いも含まれます。 例えば、「他人の犯罪行為に関与する」や「社長が人事に関与するのは良くない」など使います。 あまり、良くない意味で使うことが多いです。
例文
「参加」の意味は、
になります。 「参加」は文字通り「集まりに加わること」を表します。 「携わる」と「参加」は似ている感じがしますが、実はことなります。 例えば、「イベントに参加する」「イベントに携わる」とした場合。 「参加する」はイベントのお客さんを、「携わる」はイベントを企画運営している側を表します。 このように、「参加」と「携わる」は従事するかしないか、関係性の大小によって使い分けできます。
例文
「従事」の意味は「仕事に従うこと」「仕事に携わること」です。 「従事する」は「事に従う」と書きますが、この「事」とは「仕事」を指します。 ある物事に仕事として関係すること、仕事に就く、勤めることを表します。 例えば、「研究に従事する」「事務の仕事に従事する」「ある業種に従事する」などと使います。 履歴書でも、「◯◯の仕事をしていた」というときに「◯◯に従事していた」と書くことができます。
例文
「携わる」は英語で、
などと表現します。
I've been involved in this industry for a long time.
この業界に長く携わっている。
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「携わる」について理解できたでしょうか? ✔︎「携わる」は<たずさわる>と読む ✔︎「携わる」は「(その物事に)仕事して関係する」「勤める」という意味 ✔︎「携わる」は自分が従事していている仕事について、「◯◯に携わっています」などと使う ✔︎「携わる」の類語には、「関与する」「参加する」などがある