「衷心」という言葉の意味と使い方はご存知でしょうか。「衷心」は堅い言葉なのであまり馴染みがないかと思いますが、ビジネスシーンやかしこまった場面で感謝やお願いをする場合に使われることがあります。「衷心」の読み方や発音、類語、英語表現なども詳しく解説していきます。
「衷心」は「ちゅうしん」と読みます。 「衷」は音読みだと「チュウ」、訓読みだと「うち」「こころ」「まこと」と読みます。 「衷」はあまり馴染みがなく「チュウ」と読めない方もいるかもしれません。「衷」は「和洋折衷(わようせっちゅう)」の「チュウ」と同じ漢字であると覚えておきましょう。
「衷心」という言葉のイントネーションは、「中心」と同じです。 「衷心」は「衷(ちゅう)」の部分に強勢がきます。
「衷心」の意味は「本心、まごころ、心の底」になります。 「衷」は読み方の通り「まごころ」「中央」という意味があり、「衷」を使った熟語には、「折衷」「愚衷」「苦衷」などがあります。
「衷心」はほとんどの場合、「衷心より」「衷心から」という形で使います。 「から」よりも「より」の方が堅い表現なので、かしこまった場面で使う場合は「衷心より」がよく使用されます。 「衷心より」=「心より」と置き換えると、使い方がイメージしやすいと思います。 「衷心より」は後に続く言葉を強調する役割があります。 「衷心より」は、
などが定型文になります。
「衷心より」は、心より伝えたいことがある場合に使用するかしこまった言い方です。 「衷心より」は開店祝いや創業祝い、結婚式などの祝辞やお悔やみなど、特別な場面で使います。 お悔やみの言葉として使う場合は、基本的に弔電の中で使われます。他にもお店の創業祭の広告、企業の年賀状などでもよく使用されます。 このように、「衷心より」は重要な場面に使われるかしこまった言葉です。使いどころを間違えないように注意して使いましょう。 2018年12月23日に天皇陛下が「国民に衷心より感謝」と述べられたことで、「衷心」という言葉を知った人も多いかと思います。
「衷心より」は日常会話ではあまり使わない表現で、主に礼状や挨拶状など書き言葉として使います。 不幸やお詫びに用いられることが多いですが、おめでたい場面でも使うことができます。 お願いをする際や感謝を伝える際にも手紙で使うことができます。
「衷心より」は書き言葉ですのでビジネスメールでも使うことができます。 しかし、「衷心より」はとてもかしこまった言葉なので、ビジネスメールで多用すると不自然になります。 日頃のビジネスメールで「衷心よりお願い申し上げます」などと使うと、慇懃無礼(いんぎんぶれい)であると捉えられてしまう場合があります。(慇懃無礼とは、丁寧すぎてかえって失礼になること) お祝いの言葉や感謝の言葉、またお悔やみの言葉など特別なことがあった場合に使いましょう。
「衷心より」は目上の相手や取引先の相手に対して使うことができる表現です。 「衷心」という言葉自体は敬語ではありませんがとても堅い言葉なので、目上の相手に対して使います。 同等や目下の相手には基本的に使用しません。 注意点としては、「衷心より」はあまり使われる熟語でないので、逆によそよそしい印象を与えてしまう可能性があります。 目上の相手でも親しい間柄の相手であったら、他の言葉に言い換えた方が印象が良くなります。
(災害に遭った人へのお見舞い)
(入院している人へのお見舞い)
「心より」は「自分の心がもとで」「心を通して」「心によって」という意味です。 「心より」は「衷心より」と同義になりますが、「衷心より」も意味が伝わりやすく、柔らかい表現になります。あえて「心より」を使った方が適する場合もあります。 「衷心より」はとてもかしこまった言い方なので、目上の相手や取引先などに対して使います。しかし、「心より」だとそれほどかしこまった言い方ではありません。「心より」は目上の相手に使うことが間違いではありませんが、使うとしても親しい間柄の相手などに使うようにしましょう。
例文
「心から」は、「心の底から」「真心を込めて」という意味で、「建前ではなく、本当にそう思っているさま」を表します。 「心より」と似ていますが使用場面が異なります。 「〜より」は書き言葉なのに対して、「〜から」は口語表現になります。 例として、
とした場合。 「から」と「より」は両方使うことができ、文の意味は同じです。使い方としては、「2時から」は話し言葉で、「2時より」は文章的で手紙・文書などで用いられることが多く、改まった感じがするという違いがあります。
例文
「切に」は、「しきりに」「心を込めて」という意味で、「心から思っていること」「うわべではなく本心によるもの」を表します。「切に」は「とても」と同じような意味です。 「切に」を使った言葉の中では、「切に願っております」がよく使われます。
例文
「誠に」は「偽りなく」「本当に」「非常に」という意味で、「間違いなくその通りである」というニュアンスになります。 「誠に」は副詞なので、形容詞や形容動詞に付く言葉です。
例文
「心底」は「しんそこ」と読みます。 「心底」には名詞と副詞の2つの品詞があります。 「心底」のそれぞれの意味は、 名詞「心底」の意味
副詞「心底」の意味
となります。
例文
「深厚(しんこう)」の意味は、
になります。 「深厚な〜」「深厚に〜」といった形で使われます。
例文
「衷心より」の英語表現を考えていきましょう。 下記の表現はすべて「衷心より」という意味合いで副詞的に使用します。
などなど。 それでは例文を見ていきましょう。
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✔︎「衷心」は「ちゅうしん」と読み、意味は「心の奥底」「真心」「心の中」「衷情」 ✔︎「衷心」は「衷心より」という形で使い、後に続く言葉を強調する効果がある ✔︎「衷心より」はより丁寧に「心から思っている」ということを相手に伝えたいときに使う ✔︎「衷心より」は、特別な場面で使用する書き言葉 ✔︎「衷心より」の類語には、「心から」「心より」などがある