「したたか」という言葉をご存知ですか?「したたかな人」というような使い方で耳にしたことがあるかと思いますが、「したたかな人」と言われたらどのような人をイメージするでしょうか。実は「したたか」はいい意味でも悪い意味でも使用される言葉であるため、使い方には注意が必要な言葉です。今回は、「したたか」という言葉の正しい意味や使い方を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「したたか」という言葉を聞くと、悪い意味の言葉というイメージが強いのではないでしょうか。 しかし、「したたか」の本来の意味は、「強くて容易には屈しない様子」です。 情に流されず、自分の意志を貫く強さや粘り強さを表現した言葉であるため、「したたか」と言われても悪い意味だと決めつけずに、言葉の背景にあるニュアンスをくみとる必要があるということを頭に入れておきましょう。 しかし、自分自身が相手に褒め言葉として使用する場合は悪い意味で受け取られ、誤解をされないためにも「したたか」の類語を使用した言い回しで伝えることが無難です。
「したたか」の類語を使用した表現
上記で説明した通り、「したたか」は本来よい意味で使われていましたが、近年は「ずる賢い」「狡猾(こうかつ)」「あざとい」「腹黒い」などの意味合いで悪口して使われることが増えてきました。 「したたかな人」とは本来「社会的に強い人」を指します。 特徴にはポジティブな面とネガティブな面の両方があり、後者にフォーカスした結果、マイナスなニュアンスで使われることが一般化してきた背景があります。
「したたかに」という表現は、「したたかに顔面をぶつけた」「したたかにお酒に酔った」というように使用した場合、「ひどく・大いに・強く」という副詞になります。 このように、「したたかに」は「とても」というような言葉の意味を強める表現として使用される場合もあります。
例文
「したたか」は、漢字で表記すると「強か」または「健か」となります。 「強」・「健」は、ともに「強い」という意味がある漢字です。したがって、「強い・しっかりした人」というニュアンスで「強か」「健か」と表記されていることがわかります。 しかし、「したたか」は平仮名で表記されることが一般的です。 「強か」「健か」と表記しても「したたか」と読めないという人も多いので、書面で使用する場合は平仮名で書いたほうが無難であるといえるでしょう。
「したたか」は、「強か」と表記することを上述しましたが、「強ち」としてしまうと、意味の違う言葉になってしまうので注意が必要です。 「強ち」は「あながち」と読みます。 「強ち」の意味は「自分側の都合だけで決め付けられないこと、必ずしも」で、物事を全体的に、それが本当であるかどうかははっきりと判断できない気持ちを表します。 主に「あながち◯◯ではない」といったように、下に打ち消しの語を伴って使います。 このように、「したたか」と「あながち」では違う意味となってしまいます。
「したたかな女」の文字通りな意味は「社会的に強い女性」を指します。 しっかりとしていて、自立できているということを表現しています。 しかし、「したたかな女性が職場にいて嫌いだ」「したたかな女とは結婚したくない」などとネガテイブに捉える人(主に男性)が多く、そこから「したたか」=「ずる賢い」という意味に変化してきた背景があります。 現代では、「したたかな女」と言われると、男性に対して媚びる女性というように、男性に対する態度のことを表現したり、なんでも損得感情で行動をするような自分勝手さを表現する言葉として捉えられてしまうことが多いです。
例文
「したたかな男」だと、「賢い男」という意味であり、必ずしも悪口として捉えられてしまうということではありません。 「したたかな男」は、ぶれない芯をもち、いい意味でも悪い意味でも計算高く、人を上手く操作できる賢い男の人を意味しています。 とくにビジネスシーンでは、職場での立ち振舞として「したたかな男」と言われることは褒め言葉として使用されている可能性が高いです。
例文
「したたかな人」は、「ずる賢い人」を表現していることがあります。 自分の思い通りに物事を動かすために、悪知恵がよく働き、他人がずるいと感じるやり方をする・またはそのように頭がよく働く人のことを「したたかな人」といいます。
例文
「したたかさがある」は「計算高い」という意味で使用されます。 物事を損得で判断し、自分の「得」であるように計算して行動することを「計算高い」といいます。 「したたかさがある」を「計算高い」というニュアンスで使用する場合、「賢さがある」と捉えることもできますが、「ずる賢い」というようなマイナスのニュアンスで使用されていることがほとんどです。
例文
「したたかに生きる」とは、無駄に目立とうとせず、静かに生活をすることをいいます。 「何事も目立たないように控えめに」というといい意味に聞こえますが、「したたかに生きる」という言葉には、適度な人付き合いをしながら、仕事もプライベートもそれなりに充実させるという計算高さも感じます。 つまり、相手に「計算高い」と思わせないように上手く立ち振る舞いながら生きることを「したたかに生きる」といいます。
「したたか」の類語には、「辛抱強い」「我慢強い」「打たれ強い」といった言葉があります。
「辛抱強い」は、「よく辛抱する」という意味で使用される言葉で、「よくこらえて我慢することができる」という様子を表現しています。 例文
「我慢強い」は、「忍耐力がある」という意味で使用される言葉です。 つまり、困難や逆境など、辛い状況でも耐えることができる人のことを「我慢強い」といいます。 例文
「打たれ強い」は、「敵の攻撃に耐える力がある」「くじけない精神力の強さ」を表現している言葉です。 例文
「したたか」の対義語には、「神経質」「脆弱」「ひ弱」などがあります。
「神経質」は、「情緒的に不安定で、わずかなことにも過敏に反応してしまう」といった細かいことまで気に病んでしまうような性格のことをいいます。 例文
「脆弱」は、「身体・組織・器物」などがもろくて弱いことを表現する言葉です。 例文
「ひ弱」 「ひ弱」の意味は、「勢いや力が、かすかで弱いこと」です。 例文
「ひどく」の意味で副詞的に使う「したたか」の英語は、
などがあります。 「dead」は通常「死んでいる」という形容詞で使いますが、「ひどく」という意味の副詞で使う場合もあります。
The ball hit my head very hard.
ボールが頭にしたたか当たった。
She wad dead drunk.
彼女はしたたか酔っていた。
「したたか」の元の意味である、「手強い」というニュアンスならば、「difficult to deal with」をよく使います。 直訳すると「扱うのが難しい」になります。
Jasmine is difficult to deal with.
ジャスミンはしたたかな女だ。
「あざとい、ずる賢い」という意味の英語は「clever」が一番近いでしょう。
She is so clever that she got promoted faster than any colleagues.
彼女はしたたかなので、どの同期よりも早く出世した。
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「したたか」という言葉について理解していただけましたか? ✓「したたか」の本来の意味は「強くて容易には屈しない様子」 ✓「したたか」は現在では「あざとい」「ずる賢い」など悪口になる ✓「したたかに」は「ひどく」という意味の副詞で使う ✓「したたか」は漢字で書くと「強か」または「健か」だが平仮名表記が一般的 など