「ご請求書」は正しい敬語でしょうか?請求するのは自分なのに敬語「ご」を付けるのは正しいのでしょうか?「ご請求」はビジネスシーンで頻繁に使う言葉であるのにもかかわらず意外と敬語を正しく理解している人が少ないので要注意です!「ご請求」の意味と使い方を徹底解説していきます。
「ご請求」は「ごせいきゅうしょ」と読みます。
「請求」とは「(法的に)相手に一定の行為をすることを要求すること」を指します。 「請求」は日常会話ではあまり使わず、ビジネスシーンで見聞きすることが多いと思います。 「請求」が意味する「相手に求める一定の行為」は幅広い意味を持ちますが、ビジネスでの「請求」は、基本的に「金銭の払い渡しを要求すること」が多いです。「資料の要求をする」ときにも使われます。 「ご請求」はその「請求」に、敬語を表す接頭語「ご」が付いた言葉です。(敬語に関して詳しくは後述いたします)
接頭語「ご」は漢字で「御」となります。 「ご請求」の漢字は「御請求」と書くこともありますが、柔らかい印象のある「ご請求」を使うことが多いです。
「御請求」と読み方は同じですが意味が全く違う言葉に「誤請求」があります。 「誤請求」は「誤って請求すること」を指します。 「誤請求」には、請求書宛先を間違って送信・郵送してしまう場合や企業名・住所の誤字脱字など様々な場合があります。 「誤請求」をしてしまった場合は、謝罪文を送る必要があります。
接頭語「ご」は敬語です。 ちなみに、「ご」は漢語に、「お」は和語に付くのが原則です。(例外あり) 「ご」でも「お」でも漢字は「御」となります。 敬語は大別すると、尊敬語(目上の人の行為を敬う)・謙譲語(目上の人に対する自分の行為をへりくだる)・丁寧語(ただ丁寧にいう)の3種類があります。 接頭語「ご」は使い方によって、尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにでもなりえます。 接頭語「ご」は尊敬語・丁寧語でしか使えないと誤解している方が結構多いので注意です。 謙譲語で使う例では「私からご説明します」などが当てはまります。「説明」するのは自分なので、「ご説明」の「ご」は謙譲語を表します。
上記の説明からもわかる通り、請求するのが自分ならば「ご請求」は謙譲語、請求するのが目上の人ならば尊敬語になります。 「請求」は人の動作なので、「ご請求」の「ご」を丁寧語とするのは基本的に無理があるでしょう。
よって、「ご請求書」は正しい敬語です。 自分が請求しているのに「ご請求書」と敬語にしていいのかな?と思う方もいらっしゃると存じますが、この場合の「ご請求書」の「ご」は謙譲語になるので、「ご請求書」は正しい敬語となります。 名詞に対する「ご」は丁寧語と解釈する場合もあります。その場合は「ご請求書」の「ご」を丁寧語と解釈しても正しいでしょう。相手に対して「請求書」という言葉をただ丁寧に表現している、ということになります。 「ご請求書」の「ご」を謙譲語、丁寧語のどちらに解釈したとしても「ご請求書」は正しい敬語となります。 「ご請求書」以外にも「ご請求先」「ご請求額」「ご請求内容」なども同じ理由で正しい敬語となります。
まず初めに二重敬語の定義を確認しましょう。
二重敬語とは、同じ種類の複数の敬語で、一つの言葉を修飾することを指します。
「ご」=謙譲語 「いたす」=「する」の謙譲語 「ます」=丁寧語 なので、「ご請求いたします」は厳密には二重敬語ですが、「ご〜いたす」で謙譲表現の定型句として浸透しており慣習的に日本人は多用していますので、"正しい敬語(謙譲表現)"として定着しています。 「ご請求いたします」は二重敬語だ!納得がいかない!という方は、「ご請求」の「ご」を丁寧語と解釈すれば、「ご請求いたします」は二重敬語ではなくなります。どのみち「ご請求いたします」は頻繁に使われる言葉なので誤用とはいえません。 どうしても違和感があるという方は、
の形で使いましょう。そうすれば謙譲語が一つになり、二重敬語でなくなります。 「ご請求いたします」は二重敬語以外にも注意点があります。 ビジネスにおける「ご請求」は、他社に支払いを求める行為なので、直接的な表現は避けるべきです。 「ご請求いたします」は「請求します」という意味で、やや直接的ですので人によっては少し違和感を感じる人がいるかもしれません。。
「ご請求申し上げます」が請求書やメールで最も頻繁に使用される表現です。 「ご」=謙譲語 「申し上げます」=「いう」の謙譲語 なので「ご請求申し上げます」も厳密には二重敬語ですが、「ご〜申し上げます」は謙譲表現の定型句となっていますので、問題なく使うことができます。 「ご請求いたします」と「ご請求申し上げます」の違いは、「する」と「いう」の違いです。 「する」のは行為の対象である相手がいなくては成立しませんが、「いう」のは相手がいなくてもただ言うことは可能なので、「いう」の方が意味的に謙虚な度合いが強いです。 そのため、「ご請求いたします」より「ご請求申し上げます」の方が堅い響きがあり、よく使われます。
例文
「ご請求させていただきます」は、 「ご」=謙譲語 「いただき」=謙譲語 「ます」=丁寧語 です。「ご請求させていただきます」も厳密には二重敬語ですが、「ご〜させていただきます」はよく使われる表現なので敬語としては許容です。 しかし、「させていただく」=「させてもらう」ですが、「させてもらう」には相手の許可が必要で、かつ相手がそれによって恩恵を受ける場合にのみ使えます。 許可は得ずに請求しますし、請求をされても相手には特に恩恵はありませんので、「ご請求させていただきます」という言葉は意味的に不自然ということになります。 したがって、「ご請求させていただきます」という表現はできる限り避けた方がよいでしょう。
「ご請求申し上げてもよろしいでしょうか」は文法的にも意味的にも特に問題はありませんが、少しクドい印象を受けますので、わざわざ「よろしいでしょうか」と許可を求める形にせず、「ご請求申し上げます」を使うのがよいでしょう。
「ご請求」は金銭の支払い以外にも資料を要求するときも使用されます。 「資料をご請求いただき誠にありがとうございます」は、資料を請求してくれたお客に対して使うフレーズです。 この場合の「ご請求」は、お客様の行為に対して使っているので尊敬語です。
自分が支払う側なのに、相手がまだ請求書を送ってくれない場合に、請求書を催促するためにメールで
などといいます。
「ご請求書を添付しておりますので〜」は請求書をメールで送るときに使う定番のフレーズです。 「ご請求書を添付しておりますので、ご確認のほどよろしくお願い申し上げます」の形で使うことが多いです。
「ご請求はございません」は請求は発生しないという意味になります。
「ご請求」の類語は、
などがあります。 どれも類語ではありますが、ビジネスで言い換えるのには適していません。
「ご請求」の対義語は、
などになります。
「ご請求書」の英語は、
などになります。 支払いは「payment」になります。
I'll send you the bill today.
本日請求書をお送りいたします。
I've attached the invoice in this email.
本メールにてご請求書を送付いたします。
Please be advised that your payment to be made as follows.
下記の通り、ご請求申し上げます。
「〜を求める」という意味て一般的によく使われる英語は「ask for」です。
Thank you for asking for the catalogs of our service.
弊社サービスの資料をご請求くださり、ありがとうございます。
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