「偏に」と「一重に」は、どちらも「ひとえに」と読む同音異義語です。「偏に」の意味は、ただそのことだけが、原因や理由であるということを強調する気持ちです。「一重に」の意味は、そのものだけで重ならないことです。例えば「これもひとえに皆様のおかげです」などとお礼を伝える場合は「偏に」を使います。
▶︎「偏に」・・・ただそのことだけが、原因や理由であるということを強調する気持ち ▶︎「一重に」・・・そのものだけで、重ならないこと。それだけであること
「偏に」は<ひとえに>と読みます。 「偏に」は大別して2つの意味があります。 1.ただある事だけをするさま。ひたすら 2. ただそれだけで、他に理由がないさま。いちず 1つ目の意味の「偏に〜する」はかなり古めかしい響きがあるので、日常会話はもちろんビジネスシーンでもあまり使う機会はありません。誤用ではありませんが、少し堅すぎる印象を相手に与えてしまう可能性がありますので、注意しましょう。 ビジネスシーンでは、2つ目の意味で「偏に」を使用することが多いです。 「偏に」は、顧客や取引先に対する感謝の気持ちを述べる時によく登場します。「偏に〜のおかげ」というフレーズで使うことが多いです。 感謝の気持ちを伝える以外にも、謝罪文で使用されることもあります。 「偏に」は読める人が少ないということもあって、一般的には「ひとえに」とひらがな表記にすることが無難です。
例文
「一重に」は「偏に」の誤記です。どちらも「ひとえに」と読むので間違えられやすいです。 「ひとえに」を漢字変換すると、「一重」が一番に来ることから誤って使われるようになりました。 「一重に」は「偏に」と同じ意味で使うことはできません。では、「一重」はどういった意味なのでしょうか? 「一重」の意味は、 1.そのものだけで、重ならないこと 2.花びらが重なっていないこと。また、その花弁 3.単衣、単物の略 4.一重まぶたの略 です。 「一重」には4つの意味があります。主に、一つ目の意味で使うことが多いです。 重なっていないこと・そのものだけであることを表します。 例えば、「壁一重を隔てているだけ」と言います。「壁一枚だけであること」を表します。「紙一重」という言葉もあり、これは「紙一枚の厚さほどのわずかなへだたり」を意味します。 他にも、「一重」は「一重まぶたの略」として使われることも多いです。
例文
「偏に(ひとえに)」は、ただそのことだけが、原因や理由である」という意味です。 使う場面は二通りあり、ひとつは理由などが唯一そのことだけであることを強調するときです。 もうひとつは、ただそのことだけをすることを強調するときです。「ひたすら」などと言い換えることができます。 「一重に(ひとえに)」は、そのものだけで重ならないことという意味です。 使う場面は、重なっていないことを強調するときです。 「一重に」を「偏に」の意味で使うのは誤りです。
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