「見くびる」と「見下ろす」という言葉をご存知でしょうか。「人を見くびる」「相手を見下ろす」といったように使います。では、それぞれの意味についてしっかりと理解しているでしょうか。どちらも同じように使うことができるイメージですよね。あまり良い印象を持たない言葉ですが、何か違いはあるのでしょうか。正しく使うためには、それぞれの意味についてきちんと知っておくことが必要です。そこで今回は「見くびる」と「見下ろす」の使い分けについて解説していきます。適切に覚えて、上手く使い分けできるようにしましょう!
「見くびる」・・・相手の実力や能力を実際よりも低く見て、軽んじること 「見下ろす」・・・自分よりも立場や地位が下の相手を軽んじること
「見くびる」と「見下ろす」はどちらも「相手を軽く見ること」を表しますが、「見くびる」は「相手の能力を軽く見る」、「見下ろす」は「相手の立場によって軽く見る」という違いがあります。 「見下ろす」は「高い場所から下の方を見る」という意味も含まれます。 「見下ろす」は「相手を軽く見る」という意味よりも、「上方から下を見る」という意味で使われることが多いです。
「見くびる」の意味は「あるものや人が大したことはない、価値がないと軽んじること」です。 力や価値がないと甘くみること、相手の実力を実際よりも低く評価することを表します。 「見くびる」は漢字では「見縊る」と表します。「見」は「見ること」、「縊る」は「絞め殺すこと、絞首刑にすること」を意味します。 「見限る」と書くと違う意味の言葉になるので注意してください。 「見限る」は「ものや人が、これ以上良くなる見込みがないと断念すること」を意味します。 主に、「◯◯を見くびる」という形で用います。「相手を見くびる」「ライバルチームを見くびる」といったように言います。これは勝負事や取引の相手の力を低く見て、馬鹿にしていることを表します。 例えば、「相手のチームの実力を見くびっていたので、大敗した」と使います。これは相手チームの力を実際よりも低く評価していたせいで、負けたという意味になります。 「見くびる」は相手の能力を軽んじた上で、自分の力を最大限に尽くさないという場合に使うのが適します。 このように「見くびる」はマイナスなイメージを伴って使います。 「見くびる」の類語には、「侮る」「軽んじる」「過小評価する」「甘く見る」「見下す」などがあります。
例文
「見下ろす」は<みおろす>と読みます。 「見下ろす」の意味は、
です。 「見下ろす」は高い場所から下を見る、上の方から下を見ることを表します。「海を見下ろす」「山頂から見下ろす」といったように使います。 「眼下に見下ろす」という表現があって、これは「高い場所から下を見ること」を意味します。 この意味での「見下ろす」の反対語は、「見上げる」となります。 他にも、「自分よりも立場が下の相手を低く見る」という意味で使うことができます。「人を見下ろした態度をとる」「上司が新入社員を見下ろす」といったように使います。 この意味では、相手に対して軽蔑する気持ちが込められています。 「見下ろす」は二つの意味がありますが、「物理的に上方から下を見る」という意味で使うことが多いです。 「見下ろす」の類語には、「眼下に見る」「見渡す」「一望する」「見晴らし」などがあります。
例文 「高い場所から下を見る」という意味
「相手を軽く見る」という意味