「問答無用」の読み方は「もんどうむよう」で、意味は「議論をしても何の意味もないこと」です。これ以上話し合っても無駄だなと思った際に「問答無用です」などと使います。ただビジネスシーンでは相手に失礼であったり、パワハラになることもあるため注意しましょう。今回はそんな「問答無用」の使い方を例文付きで詳しく解説していきます。類語や対義語、英語も紹介しますので是非参考にしてください。
「問答無用」の読み方は「もんどうむよう」です。 「問答無用」の発音をする際、アクセントはありません。 「問答」は苗字の「近藤」、「無用」は「無糖」と同じイントネーションです。 「近藤無糖」というよう「問答無用」と言ってみてください。
「問答無用」の意味は「議論をしても何の意味もないこと」です。 あれこれと話し合いをしても役に立たなかったり、これ以上議論を進めることに何の利益もないことを指します。 「問答無用」の語源は「問答」と「無用」のそれぞれの意味を見ればわかります。 「問答」の意味は「質問と応答のやりとり」です。 「無用」の意味は「役に立たない」「不要なこと」「やってはいけないこと」です。
「問答無用!」「問答無用です」と使うことで話を打ち切ることが出来ます。 「問答無用!」の場合は怒って「ここで議論は終わり!」と強く言っています。 「これ以上話し合っても埒が明かない」「無駄な時間になるだけ」といった怒りの感情を含んでいます。 主に「ああ言えばこう言う」といった状況になったり、何を言っても反論してくる場合に用いられます。 その他、相手の話を終わらせたい際に「問答無用です」を使って打ち切ります。 例えばしつこいセールスや、身に覚えのないことで言いがかりをつけられた際に使います。 また、「話せばわかる」「問答無用、撃て!」は五・一五事件で交わされた犬養毅と山岸宏海軍中尉のやり取りです。 五・一五事件とは1932年5月15日に起きた、当時の内閣総理大臣犬養毅を武装した海軍の青年将校たちが殺害した事件です。首相官邸に乱入した際に、犬養毅が「話せばわかる」と言ったが「問答無用、撃て!」と山岸宏海軍中尉が叫び、射撃されたということです。
例文
「問答無用で」と副詞的にも使うことが出来ます。 「問答無用で〜する」だと話し合いをせず強制的に何かを実行するということになります。 「話し合いはせずに」「質問はなしで」「反論なしで」といった意味合いです。 「問答無用で捨てる」「問答無用で延期にする」などと使います。 相手に有無を言わせない状況になるため、相手との関係に影響を与える可能性があります。
例文
「問答無用」は「議論をしても何の意味もない」といった意味になります。 これを目上の人に対して使うのは失礼ですよね。 「あなたと話しても意味がありません」と言っていることになるため、使わないようにしましょう。 例え、話し合いをする必要がないくらい理解できたという意味で用いたとしても、話し合いを終わりにするかどうか決めるのは目上の立場の人です。
かといって、目下の人にどのように使ってもいいわけではありません。 部下や後輩が質問や自分の意見を話そうとしているにも関わらず、個人的な感情で「問答無用!」といって話し合いを終わらせるのはパワハラになります。 自分の方が立場が上だからといって、相手の話を聞かないのは良くありません。 例え感情的な言い方じゃなかったとしても、ただ相手に意見させないために「問答無用」を使うのもパワハラとなります。
「問答無益」の読み方は「もんどうむやく」「もんどうむえき」と2つあります。 「問答無益」の意味は「問答無用」と同じで「話を続けても何の利益もないこと」です。 あれこれと問答しても役に立たないこと、そのさまを表します。 使い方も「問答無用」と同じです。
例文
「問答無用」の類似語の四字熟語を紹介します。 「一刀両断」の意味は「思い切った処置をすること」「すみやかに決断すること」です。 由来は一太刀で真っ二つに断ち切ることから来ています。 「問答無用」と似た使い方をする場合は、みんなが明言を避けたり迷ったりして話し合いがグダグダと続いている際にスパッと思い切って言ったり決断したことに対して「一刀両断」と使います。 「じゃあこれにしよう!」と良い決断をしてくれた際にも使えますし、「このまま話し合ってても埒あかないよね?」と痛いところをついた場合にも使えます。 「単刀直入」の意味は「直接、要点を突くこと」です。 遠回しではなくすぐに本題に入ったり、問題の核心をつくことを指します。 無駄な話し合いをしない、グダグダと話し続けないといったニュアンスを含むところが「問答無用」と類似語となります。
例文
「問答無用で」の言い換えは以下の通りです。
などとなります。 例えば「問答無用で残業させられた」は「無理矢理残業させられた」「強制的に残業させられた」と言い換えられます。 また「問答無用で1週間の出張となった」は「否応なく1週間の出張となった」と言い換えられます。
例文
「任意」の意味は「その人の意思に任せること」です。 定められた方法などによらず、その人の心のままの判断に任せることを指します。 書類やアンケートなどでも「必須」と「任意」の欄がありますよね。 「任意」の欄は自分の意志によって記入するか否かを選択出来るということになります。
例文
「自発」の意味は「自ら進んで物事を行う」です。 外からの働きかけや他人からの指示を待たないで、自分から何かすることを指して使います。 相手に自ら行動してほしい時には「自発的にやってください」などと使います。 「自主的」とほぼ同義で使われています。
例文
「自由」の意味は「他から強制や命令を受けず、自分の思うままに振る舞えること」です。 「勝手気まま」「わがまま」といった意味も持ちます。 誰かに束縛をされず、自分の思い通りにできることを指します。 修学旅行や社員旅行などで「自由行動」と使われますよね。 これは決められた行き先などがなく、本人たちの意思で好きなところに行ったり好きなように過ごしても良いということです。
例文
「問答無用!」は、「No more...」で表現可能です。
No more discussion!
No more talking!
No more argument!
No more questions!
その他にも、
There's no use in talking!
話すことに価値はない!
I don't want to hear anything more about it!
それに関してはもう聞きたくない!
No questions asked!
もう質問は受け付けない。
などと表現できます。
「問答無用で」と副詞的に使う場合の英語表現は「without discussion」です。 「話し合いなく」という意味合いです。
He stopped the meeting without discussion.
彼は問答無用で会議を中断した。
「禅問答」は「禅宗の修行法の一つ」です。 悟りをひらくために行う問答のことです。 修行者が疑問を発し、それに対して師が答えるものです。 そこから転じて「何を言ってるのか訳の分からない問答」「話の噛み合わない問答」のたとえとしても使われています。 「問答」は仏教用語でもあります。 教義についての論議や、宗派間の法論のことです。
「想定問答」は「事前に想定された質問の内容と、それに対する回答」のことです。 例えば面接を受ける際に、「弊社を受けた理由はなんですか?」と聞かれるだろうと想定して答えを考えておきますよね。 これを「想定問答」と言います。 実際に何を質問されるかはわかりませんが、議会や面接、説明会などではよくある質問に対して事前に模範解答を用意しておきます。 様々な場面での対策して作られるもので、「想定問答集」といったものもあります。
「問答法」は「対話によって相手の矛盾・無知を自覚させて、より高次の認識や真理へと導いていく手法」です。 これは古代ギリシアの哲学者であるソクラテスが用いたものです。
「他言無用」は「たごんむよう」と読みます。 「内密な話題を他の人には漏らしてはいけない」ということを言い表す言葉です。 「他言無用です」と言われた場合は「他の誰にも言ってはいけません」「関係者以外には話さないでください」「このことは秘密なので漏らさないでください」といった意味になります。
「心配御無用」は「しんぱいごむよう」と読みます。 意味は「心配はいらない」となります。 特に、自分に対して気を遣ってくれたり心配してくれた人に対して、「その心配はいらない」「気を遣ってもらわなくても大丈夫です」と相手に敬意を表しながら、助けようとしてくれたことを断る時の定型的表現です。
「天地無用」は「てんちむよう」と読みます。 これは運送用語で、意味は「上下を逆さまにしてはいけない」となります。 特に電子機器や液体、重さのある家具など逆さにすると商品が壊れたりしてしまう際に、注意事項として用いられます。
いかがだったでしょうか? 「問答無用」について理解できたでしょうか? 最後に「問答無用」に関してまとめてみたいと思います。 ✔「問答無用」の意味は「議論をしても何の意味もないこと」 ✔「問答無用!」「問答無用で〜する」などと使う ✔「問答無用」はあまり他人には使えない ✔「問答無益」が同義語