「画策」の読み方は「かくさく」で、意味は「相手を騙したり惑わすための計画を立てること」です。主に悪い意味で使われています。今回はそんな「画策」の使い方を例文付きで詳しく解説していきます。また「計画」「模索」「策略」との違いも紹介します。その他の類語、対義語、さらに英語も紹介しますので是非参考にしてください。
「画策」の読み方は「かくさく」です。 「がさく」と読むのは間違いになりますので注意しましょう。
「画策」の意味は「謀(はかりごと)をめぐらすこと、計画を立てること」です。 ここで言う「謀」とは、「物事がうまくいくように前もって考えた方法」「相手を騙そうとして考えた手段」です。 要するに、「画策」は「自分の望んでいる方向に持っていくために事前になにか企むこと」です。 そのために相手を騙す、惑わすといった意味合いが強くなっています。
相手を騙したり自分のことをごまかすために、あれこれと計画するといった意味合いが強くなっています。 そのため、悪い意味で使われるのが一般的です。 主な言い回しは、
となります。 「政権、隠蔽画策か」などとニュースのタイトルなどでも使われています。
例文
この場合は「画策」自体をいい意味として使うのではなく、悪い意味である「画策」を否定することで文脈として肯定することが出来ます。 例えば「彼女が成功したのは何か画策をしたわけではない」と使います。 これは「彼女があれこれと謀をめぐらせたから成功したのではなく、実力で成功を掴んだ」といった意味になります。 あえて「画策」を否定することで、ただ「彼女は実力で成功した」というよりも、実力で掴んだということを強調する文章となります。 また、他に「画策」によって成功した人がいる場合に「そういった人たちとは違う」という皮肉を含めることも出来ます。
「計画」は「けいかく」と読みます。 「計画」の意味は「あることを行うために、前もってその手順や方法などを考えておくこと」です。 「計」は「手順を整える、くわだてる」、「画」は「考えをめぐらすこと」を意味します。 「計画」はいい意味でも悪い意味でも使えますが、「計画」そのものには良いも悪いもありません。 ある物事を行うにあたって方法や手順を具体的に考えておくことなので、広く使うことが出来ます。 「画策」は主に「相手を騙したり自分の都合のいいように物事を進めるための方法を考えること」ですが、「計画」は画策も含め「前もって考えておくこと」を表します。
例文
「模索」の読み方は「もさく」です。 意味は「色々と試しながら探し求めること」です。 「模」は「何かをたよりに探すこと」という意味で、「模写」「模範」などの熟語が使われています。 「索」は「求めたり、探すこと」という意味で、「思索」「捜索」などの熟語があります。 「模索」は、「物事の答えがはっきりとしない状況で方法論も確立されないが、手先の感覚のみで探し求めていく」という意味合いで使います。 「模索する」「模索している」「模索中」などの形で使います。 「模索」には「計画をする」といった意味はなく、「画策」とは全く違う意味を持ちます。
例文
「策略」の意味は「相手を自分の望む事態に陥らせるための謀」です。 主に、自分のために相手を苦しい立場に落とす策のことを指します。 「画策」とはほぼ同義であり、他にも「策謀」「計略」なども同じ意味を持ちます。 相手を騙したり陥れたりと、自分の思うように物事を運ぶための手段を事前に考えることです。
例文
「画策」の類語は他にもたくさんあります。
「企図」は「きと」と読み、「目的を立てて手段を企てること」という意味です。 「企む」は「たくらむ」と読み「悪事を計画すること」という意味です。 そのため、「企図」も悪い意味合いが強いと思われてしまいますが「コスト削減を企図」などと悪いニュアンスを含まずに使われることもあります。 「策動」は「ひそかに計略をめぐらして行動すること」という意味で、主に「悪いたくらみ」に使います。 「ひそかに」といった意味合いが強く、また「行動すること」までが含まれています。 「魂胆」は「こんたん」と読み、「心の内に隠されたたくらみ」といった意味です。 主に悪巧みといった意味合いが強く、「魂胆が見え見えだ」などと使われています。
例文
「画策」の「敵をまどわす」という意味の類語なら
などがあります。 「工作」は「図画工作」や「土木・建築などの工事、作業」といった意味もありますが「目的を達するために前もって働きかけを行ったり下準備をすること」といった意味があります。「工作員」と使われるように「悪い計画を立てる」といった意味も持ちます。 「マヌーバー」とは元々軍隊用語で「巧妙な手段」「機動作戦」といった意味を持ちます。 窮地を逃れたり、相手を騙したりするための巧妙な手段といった意味合いが強くなります。 「劃策」も実は「かくさく」と読みます。 「劃」という字は日本で載っておらず、書き換えは「画」です。 要するに「画策」となります。 「劃」には「区切る」「区分けする」といった意味があり、「劃策」は中国語の辞書だと「計画する」といった意味とされています。
例文
「画策」の対義語は
「偶発的」の意味は「たまたま起きること」です。 こちらの意図しないことや予想もできないときに出来事が起こる様子を指します。 「その場しのぎ」の意味は「後のことを考えず、その場だけを取り繕うこと」です。 なんの計画もせず、将来的なことも考えずにその時だけをうまく切り抜ける様子を指します。 「放埒」は「ほうらつ」と読み、「勝手気ままなこと」「だらしなく女色やお酒にふけること」という意味があります。 決まりやしきたりに従わない様子や、ふしだらな行いをすることを指します。
例文
単に「計画」という意味合いならば「plan」です。 「画策」というニュアンスを出すには、「陰で」を意味する
などの表現と一緒に使えばよいでしょう。
Someone is planning a coup behind the scenes.
陰でクーデターを画策している奴がいる。
「画策」に一番近い英語は「scheme」です。 カタカナ語の「スキーム」は単に「設計、計画」という意味で使われますが、英語「scheme」は「陰謀、悪い企み」というニュアンスです。 誤用に注意しましょう。
The new directors are scheming to oust the chairman from the company.
新しい取締役たちが会長を会社から追い出そうと画策している。
いかがでしょうか? 「画策」について理解できたでしょうか? ✔読み方は「かくさく」 ✔意味は「相手を騙したり惑わすための計画を立てること」 ✔主に悪い意味で使われる ✔類語は「策略」「企図」「謀」など 相手を騙したり惑わしたりするのはよくありませんが、政治や世界情勢のニュースで使われることも多いためしっかりと覚えておきましょう。