「妄言」という言葉をご存知でしょうか。「妄言を吐く」「妄言を並べる」などと使います。日常会話ではあまり使うことはありませんが、ニュースや小説で見聞きしたことがあるという方も多いかと思います。「妄言」と聞いてもあまりイメージすることはできませんが、一体どのような意味なのでしょうか。また、「妄言」と似た言葉には「虚言」や「暴言」などがありますが、何か違いはあるのでしょうか。正しく使うためには、意味を適切に知っておく必要があります。そこで今回は「妄言」の意味や使い方、類語との違い、例文について解説していきます。「妄言」を覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「妄言」は<もうげん>もしくは<ぼうげん>と読みます。 読み方は2通りありますが、「もうげん」と読むことが多く、「ぼうげん」と読むことはほとんどありません。 「妄」は音読みで「モウ・ボウ」、訓読みで「みだり」と読みます。 「妄」は「道理があっていない。筋が通っていなくでたらめなこと」を意味します。 「言」は音読みで「ゲン・ゴン」、訓読みで「いう・こと」と読みます。 「言」は「言葉。いうこと」を意味します。 「妄言」の意味は、 1.論理にあっていないでまかせな言葉。でたらめな言葉 2.自身の発言をへりくだる言葉 です。 理屈や事実に合っていない言葉、道理に外れている語を表します。 「妄」を用いた言葉に「妄想」「虚妄」があることが分かれば、何となく「でたらめ」という意味を思い浮かべられます。
「妄言」には2つ意味がありますが、主に1つめの意味で使うことが多いです。 「自身が述べた発言をへりくだっていう語」という意味ではほとんど使いません。 根拠はなく、でまかせな言葉を表す場合に「妄言」を使います。 「妄言」=「でまかせな言葉」「偽りの言葉」と置き換えることができます。 例えば、「明日世界が滅亡する」「昨日宇宙人を見かけた」などは誰が聞いても分かるでたらめを「妄言」と言います。 言い回しとしては、
などとなります。
例文
「虚言」は<きょげん>と読みます。 「虚言」の意味は「人を騙すような言葉。真実でないこと」です。 「虚言を吐く」「虚言を弄する」「虚言を並べる」「虚言者」「虚言癖」などと使います。 「虚言」は「相手を騙すような言葉、真実ではない言葉」 「妄言」は「理屈や事実に合っていない言葉、道理に外れている語」 「虚言」と「妄言」はどちらも「真実でない語」を表しますが、「虚言」には「人を欺くような」というニュアンスが含まれます。 例えば、事件が起きた日のアリバイを聞かれたとします。 「本当は一人で家にいたのに、遊びに行っていた」とわざとでなくいい加減に言った場合は「妄言」です。 「本当は自分が犯行を起こしたけど、バレたくないから一人で家にいた」とわざと騙すために言った場合は「虚言」です。 「妄言」よりも「虚言」の方が、悪質で卑劣なイメージとなります。
例文
「暴言」は<ぼうげん>と読みます。 「暴言」の意味は「無礼で、人を傷つけてしまう乱暴な言葉」です。 「暴言を言う」「暴言を吐く」などと使います。 「暴言」は「失礼で、人にダメージを与えるものすごく乱暴な語」 「妄言」は「理屈や事実に合っていない言葉、道理に外れている語」 「妄言」と「暴言」は意味が異なります。 「暴言」は「傷つける言葉。失礼な言葉」、「妄言」は「でたらめな言葉。でまかせな言葉」となります。 「暴言」は『バカ』『アホ』『ぶん殴る』『殺す』といった威圧的な言葉を表します。
例文
「放言」は<ほうげん>あるいは<ほうごん>と読みます。 「放言」の意味は「思ったまま無責任に放つ言葉」です。 何かしらの影響を考えることなく、思ったことをそのまま言い散らすことを表します。 「放言高輪」「漫語放言」などと使います。これは「無責任な言葉を言いたい放題に言うこと」です。 「放言」は「何かに配慮することなく、思ったことをそのまま言い放った語」 「妄言」は「理屈や事実に合っていない言葉、道理に外れている語」 「妄言」と「放言」は意味が異なります。 「放言」=「無責任な言葉。不用意な言葉」、「妄言」は「でたらめな言葉。でまかせな言葉」となります。
例文
でまかせ (意味:口から出てくることに任せて言う語) 「その雑誌はでまかせばかりだ」 でたらめ (意味:筋が通っていない言葉) 「それは根拠のないでたらめな話だよ」 出放題 (意味:口から出ることに任せて言う語) 「出放題ばっかり言っている」 うそ (意味:本当のことでないこと) 「その話はうそだった」 妄語 (意味:真実でないこと) 「妄語だらけで信用できない」 造言(ぞうげん) (意味:本当のことではない言葉) 「造言だから気にしない方が良い」 そら音(そらね) (意味:実際には鳴っていないのに聞こえる音) 「誰かに呼ばれたかと思ったが、そら音だった」 虚語(きょご) (意味:真実でないこと) 「虚語を言っても仕方がない」 不実 (意味:事実ではない言葉) 「あのことを信じているらしいけど不実だよ」 詐偽(さぎ) (意味:本当のことではないこと) 「詐偽に引っかかるなんて君もまだまだだ」 偽言(ぎげん) (意味:偽りの言葉) 「偽言を言うとバチが当たるよ」 虚誕 (意味:偽りのことを大袈裟に言ってしまうこと) 「虚誕を言うのがうまいね」
「妄言多謝」は「自分の考えだけでいい加減なことを言ったあとに、詫びる語」です。 手紙などにおいて『私の自分勝手な発言をお許しください』という意味合いで、「妄言多謝」を使います。 自分の考えや意見などを包み隠さずに、記した手紙において使うことが多いです。 『*******〜』などと好き勝手に色々と言ってしまった後に、「妄言多謝します」「妄言多謝した」などと言います。 「暴言多罪」も同じ意味です。これは「無礼な言葉を並べてしまったことについて、失礼を詫びる語」を表します。
例文
「妄言綺語」は「でまかせな事、偽りの言葉を言うこと」です。 「妄言綺語」は仏教が由来してできた言葉です。日常会話ではあまり使うことはありません。 「綺語」は仏教において「十悪の一つ」です。真実に背いていて、言葉を上手く偽り飾ることになります。
例文
「妄言盲聴」は「事実ではないいい加減なことを言ったり、人の話を真面目に聞かないこと」です。 話をしている人も、話を聞いている人も両方ともテキトーであるメチャクチャな様子を「妄言盲聴」と表します。 「盲聴」は「人の話を不真面目に聞くこと」を意味します。
例文
「虚偽妄言」は「理屈や事実に合っていない、本当でないことを言うこと」です。 「虚偽」は「本当ではないこと。あたかも本当のことのように見せかけていること」を意味します。 「虚偽妄言」は厳密には四字熟語ではありません。「虚偽」と「妄言」はほぼ同じ意味で、「デタラメであること」を強調するために2つの熟語を並べて表現したります。
例文
「妄言」はあまり一般的な日本語ではないですが、簡単に言うと「でたらめ」という意味ですよね。 「でたらめ」の英語表現は、
などがあります。 「bullshit」は汚いスラングなので、職場などで使用するのは避けるべきでしょう。
He always talks rubbish, so no one trusts him.
彼はいつも妄言するので、誰も彼のことを信じない。
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「妄言」について理解できたでしょうか? ✔︎「妄言」は「もうげん」と読む ✔︎「妄言」は「理屈や事実に合っていない言葉、道理に外れている語」を意味 ✔︎「妄言を吐く」「それは妄言だ」「妄言を並べる」などと使う ✔︎「妄言」の類語には、「でまかせ」「でたらめ」「そら音」「虚誕」などがある