「必至」という言葉をご存知でしょうか。「売り切れ必至」「混戦必至」などと聞いたことがあると思います。では、「必至」の意味について正しく理解しているでしょうか。同じ読みの言葉に「必死」があるため、意味が混同してしまいますよね。しかし、「必死」と「必至」は全く意味が異なります。間違えて使ってしまうと相手に誤解を与えてしまうため、しっかりと区別しておくことが必要です。そこで今回は「必至」の意味や使い方、「必死」との違い、類語について解説していきます。「必至」を正しく覚えて、上手く使いこなせるようにしましょう!
「必至」の意味は「必ずその事の来ること。必ずそうなること。必然」です。 必ずその事がやって来るさま・そうなるのを避けることができない様子を表します。 「必」は「きっとそうなること。間違いなく」、「至」は「ぎりぎりのところまで行き着くこと」を意味します。 「必ず至る」と書くように、「間違いなくその結果となる」ということです。 『必ずそうなる!』と言い切るわけではなく、”可能性が限りなく高い”状況や状態を表すので「確実に」「絶対に」というニュアンスになります。 時々「必至事項」と使われていますが、これは「必ずそうなる事柄。必ずそうなることが避けられない事柄」を表します。
将棋用語での「必至」は「王手」の一種です。 どのような受けの手を指しても、それが解除することができない状態・逃げ場のない状態を表します。 どんなにあがいてもいずれは詰まらさせてしまうような状態が「必至」です。 「詰めろ」「詰み」などが類語となります。何もしなければ詰ませられる状態を「詰めろ」と言います。 「詰めろ」を進化させた形が「必至」と言えます。 将棋用語の「必至」は「必死」と言うこともあります。
「必至」は<ひっし>と読みます。 「必」は”八”+”弋”で成り立っています。「飾りの垂れ紐の象形」+「枝がある木に支柱を足した象形」です。「飾りである垂れ紐から武器に締め付けた柄」を表していて、そこから「きっとそうなること」を意味するようになりました。 「至」は「矢が地面に突き刺さった象形」から「いたる」という意味の「至」が成立しました。 「必」と「至」が二つ合わさって、「かならずそうなる」という意味になりました。
この先どうやっても、どうあがいても必ずそうなるだろうという場合に使うのが「必至」です。 例えば、「その会社の倒産は必至である」といった場合は「その会社は必ず倒産する。倒産することを避けることはできない」という意味になります。 また、「今シーズン、致命的な怪我したA氏は引退必至だろう」といった場合は「今シーズン、致命的な怪我をしたA氏はかんらず引退するだろう。引退することを免れないだろう」ということになります。 言い回しとしては、
などとなります。 「必至」は話し言葉として使うと「必死」と混同して間違えられやすいので、文語として用いることが多いです。
例文
「必至」と「必死」はどちらも「ひっし」と読む同音異義語です。 「必死」の意味は、
です。 「必ず死ぬ」と書きますが、”結果的に死ぬ”という意味ではなく、死ぬ覚悟を持って全力を尽くすことを表します。 「必至」は「必ずその事の来ること。必ずそうなること」 「必死」は「必ず死ぬこと。死を決して物事の全力を尽くすこと」を表します。 例えば、「痩せるために必死にダイエットする」とは言いますが「痩せるために必至にダイエットする」とは言いません。 このように、「必至」と「必死」は同じ読みでも意味が全く異なります。
例文
「必然」は<ひつぜん>と読みます。 「必然」の意味は「かならずそうなること」です。 そうなることが決まっている様子・それより他になりようがないさまを表します。 「必」は「きっとそうなること。間違いなく」、「然」は「ほかでもなく、そうなっている。そのとおり」を意味します。 これまでの行動や言動から、『そうなるしかない』『こうなるだろう』と判断した場合に「必然」を使います。 言い回しとしては、
などがあります。 「必至」は「『そうなるだろう』と免れることができないことを予想すること」 「必然」は「『そうなるだろう』と論理的に考えること」を表します。 このように、「必然」と「必至」は少々意味が異なります。
例文
「必須」は<ひっす>と読みます。 「ひっすう」「ひっしゅ」と読むこともありますが、一般的にはあまり使いません。 「必須」の意味は「かならずもちいるべきこと。かならずなくてはならないこと」です。 なくてはならないこと・かならず欠かせないことを表します。 言い回しとしては、
などがあります。 なんとなく聞いたことがあると思います。 例えば、「◯◯学部を受ける場合は国語・数学・英語が必須科目となります」といった場合は「◯◯学部を受ける場合は国語・数学・英語がかならず受けなくてはいけない科目です」という意味になります。 「必至」は「かならずその事の来ること。かならずそうなること」 「必須」は「なくてはならないこと。かならず用いるべきこと」を表します。
例文
「不可避」は<ふかひ>と読みます。 「不可避」の意味は「さけることのできないこと」です。 「不可」+「避」で成り立っているので、「避けられないこと。かならず起こること」という意味になります。 「影響は不可避」「悪化は不可避」などと使います。記事の見出しなどで用いられることが多いです。 例えば、「A社が起こした不祥事が、経営に悪影響を与えるのは不可避だ」といった場合は「A社が起こした不祥事が、経営に悪影響を与えるのは避けることができない。悪影響はかならず起こる」という意味になります。 ちなみに、ネット上では「草不可避」「大草原不可避」という言葉が多く使われています。 ”面白い・おかしい”という時に用いる「www」を「草」と呼びます。 ですので、「大いに笑ってしまう」「笑わずにはいられない」という場合に「草不可避」「大草原不可避」と言います。
例文
「必然的」の意味は「必ずそうあるべきさま。そうなることが避けられない」です。 「かならずそうなること」という意味の「必然」+「そのような性質をもったものの意」を意味する「的」で成り立っています。 「必然的な結果」「必然的な成り行き」などと使います。 例えば、「今回の件は必然的に起こったことだ」といった場合は「今回の件は他になりようがなく、このようなことが起こった」という意味になります。
例文
「致し方ない」の意味は「仕方ない。する方法がない」です。 そうするしか他に方法がない・仕方がないということを表します。 ”他の手段がないので、やむを得ない”というニュアンスになります。 「致し方ない」はややへりくだった言い方となります。 諦めるしかない・他の良い方法がない・妥協するしかないというような場合に「致し方ない」を使います。
例文
「已む無い」「已むを得ない」は「やむない」「やむをえない」と読みます。 「已む無い/已むを得ない」の意味は「ほかにどうすることもできない。仕方がない」です。 どうしようもない・他に打つべき案がないため、仕方がなく他の方法で行うことを表します。 「已むを得ない事情があって...」「已むを得ないことです」などと聞いたことがあると思います。 例えば、「もう別の方法が思い浮かばない...。已むを得ない、諦めるしかない」といった場合は「もう別の方法が思い浮かばないので、仕方がないから諦める」という意味になります。
例文
「是非無い」の意味は、
です。 「是非無い」は「已むを得ない」や「致し方ない」と同じように使います。 「是非無く中止する」「是非無く諦める」「是非ありません」などと言うことができます。
例文
「必至」は英語で、
などと言います。どれも「避けられない」という意味の形容詞です。 「◯◯は必至だ」というときは、上記のような単語を使わずに、確実な未来を表す「be goint to」を使った方が自然であることが多いです。 be動詞「is」「are」などを強調して発音すると、より一層「必至」というニュアンスに近づきます。
He IS going to fail the math class because he was too lazy.
彼はダラダラしていたので、数学の授業に合格できないのは必至だ。
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「必至」について理解できたでしょうか? ✔︎「必至」は<ひっし>と読む ✔︎「必至」は「必ずその事の来ること。必ずそうなること。必然」を意味 ✔︎ 同音異義語の「必死」は「死ぬ覚悟で全力を尽くすこと」と意味が全く異なる ✔︎「必至」の類語には、「不可避」「必然的」「やむを得ない」などがある