「ともすれば」という言葉をご存知でしょうか。「ともすれば忘れそうになる」「ともすれば人を頼ってしまう」などと使います。「ともすれば」と聞くとやや古めかしい印象がありますが、どういった意味なのでしょうか。また、どのような場面で使うことができるのでしょうか。色々と疑問に思うことが多いですよね。「ともすれば」は日常会話ではなく、ビジネスシーンでも使います。使う際には注意が必要になるので、しっかりと覚えておく必要があります。そこで今回は「ともすれば」の意味や使い方、「ややもすれば」との違いについて解説していきます。「ともすれば」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「ともすれば」の意味は「しばしばそうなる傾向があるさま。ひょっとすると。どうかすると。場合によっては」です。 そのままの状態にしておくと、その傾向がエスカレートしやすくなってしまうということを表します。 簡単に言うと「〜しがちである」「〜かもしれない」「もしかすると」となります。 「ともすれば」は「物事の可能性を相手に示す前置きの言葉」だと言えます。 「ともすると」と言っても同じです。 「ともすると」の方がやや柔らかい印象になるので、女性などはこちらを使うのが良いでしょう。 「ともすれば」には正式な漢字がありません。 ですので、「ともすれば」といったようにひらがなで表記することが一般的です。
古語としても使われていました。古文の授業で「ともすれば」を習ったことのある方もいるかもしれません。 「ともすれば」は平安時代から使われていたと言われています。『竹取物語』にも「ともすれば」という表現が登場します。 「ともすれば」は、昔から使われていた”大和言葉”と言えます。
「ともすれば」は基本的な起こってほしくないことが場合によっては起きてしまう、というようにネガティブなニュアンスで使うことが多いです。 ビジネスシーンでは何かを変更するときに、その変更する理由、つまり、そのまま変更しないと起こりうるネガティブな事象を説明するときに「ともすれば」をよく使います。 例えば、「改善をする必要があると思います。ともすれば、この企画は中止になってしまうかもしれません」などと言います。
などあらゆる場面で「ともすれば」は使うことが可能です。 ビジネスシーン以外の日常会話でも「ともすれば」は使うこともあります。 日常会話で使うときもネガティブなことが起きる可能性があるときに使います。 例えば、「ともすれば日曜日は一日ダラダラして終わってしまいがちだ」などと言います。 言い回しは、
などとなります。
「ややもすれば」の意味は「ともすれば。どうかすると。ややもすると」です。漢字では「動もすれば」と書きます。 何もせずに放置したままにしておくと、ある状態になりそうなさまを表します。 「やや」は「その状態に進んでいくさま」を意味しています。 「ややもすれば」は「物事がとにかくそうなりがちであるさま。どうかすると」 「ともすれば」は「しばしばそうなる傾向があるさま。ひょっとすると」 「ややもすれば」は「ともすれば」と同様に、起こってほしくないことが起きてしまう、というようにマイナスなニュアンスで使うことが多いです。 このように、「ややもすれば」と「ともすれば」はほぼ同じ意味ですが、意味合いが少々異なります。 「ともすれば」よりも「ややもすれば」の方が、「その状態になる度合い」が強いです。 「ややもすれば」は「何かちょっとしたことが起きるだけでも....」 というニュアンスになります。
例文
かもしれない (意味:その可能性があるが確かではない) 「もしかしたら明日は雪かもしれない」 ひょっとすると (意味:もしかすると。ひょっとしたら) 「ひょっとすると展示会は中止になるかもしれない」 もしかすると (意味:疑いを含む推定を示す語。ひょっとすると。もしや) 「もしかすると家には誰もいないかもしれない」 可能性がある (意味:あることが実現する見込みがあるさま) 「もしかしたら彼に会える可能性がある」 あるいは (意味:または。もしくは) 「AあるいはBのどちらかを選べ」 もしかして (意味:疑いながら推定するさま) 「もしかして彼女は先に行ってしまったのかも」 ともすると (意味:ひょっとすると。どうかすると) 「ともすると物を忘れそうになる」
源氏物語でも「おくと見るほどぞはかなきともすれば風にみだるる萩のうは露」という一文があります。 これは「起きているのも、それは束の間です。起き上がってもしばらくしたら、萩に宿る露は風に乱れて散ってしまうように、私も露のようにはかなくなるばかりである」という意味です。 あるところに、病が癒えない紫上という人物がいました。脇息にもたれて庭を眺めていると、そこに源氏がやってきます。起きていることに喜ぶ源氏に、紫上は悲嘆を思って、つい「おくと見るほどぞはかなきともすれば風にみだるる萩のうは露」と口にします。
山家集では「ともすれば月すむ空にあくがるる心の果てを知るよしもがな」という歌が出てきます。 これは「気がつけば、月が満ちている空を見てさまよっている心の行き場所を知ることができたらいいのになぁ」という意味です。
語源でも説明した通り、「ともすれば」は古語としても使用されており、長い歴史を持つ和語になります。
「ともすれば」の英語表現を見ていきましょう。 副詞で表現すると、
になります。 助動詞で、
と表現することも可能です。
Maybe it gonna be rainy.
ともすれば雨になるかもしれない。
The event might be called off because of the rain.
イベントは雨でともすれば中止になるかもしれない。
科学的に正しい英語勉強法
こちらの本では、日本人が陥りがちな効果の薄い勉強方法を指摘し、科学的に正しい英語の学習方法を紹介しています。読んだらすぐ実践できるおすすめ書籍です。短期間で英語を会得したい人は一度は読んでおくべき本です!
正しいxxxxの使い方
授業では教わらないスラングワードの詳しい説明や使い方が紹介されています。タイトルにもされているスラングを始め、様々なスラング英語が網羅されているので読んでいて本当に面白いです。イラストや例文などが満載なので、この本を読んでスラングワードをマスターしちゃいましょう!
職場で英語が必須な方や海外留学を検討している方など、本気で英語を学びたい人にオススメの英会話教室、オンライン英会話、英語学習アプリを厳選した記事を書きました!興味のある方はぜひご覧ください。
「ともすれば」について理解できたでしょうか? ✔︎「ともすれば」は「しばしばそうなる傾向があるさま。ひょっとすると」という意味 ✔︎「ともすれば」は「起こってほしくないことが場合によっては起きてしまう」とネガティブな意味合い ✔︎「ともすれば◯◯してしまいがちだ」「ともすれば◯◯しそうになる」などと使う ✔︎「ともすれば」の類語には、「かもしれない」「あるいは」「ともすると」などがある