「対峙」という言葉をご存知でしょうか。「対峙した二人」「自己と対峙する」などと聞いたことがあると思います。では、「対峙」と聞くとどのような意味をイメージしますか。なんとなく「対立している・対抗している」といった意味を予想するのではないでしょうか。よく聞く言葉ではありますが、しっかりと使えるという人は少ないですよね。また、「対峙」に似た言葉に「対立」や「対面」があります。区別が難しいですが、これらを正しく使い分けることが必要です。そこで今回は「対峙」の意味や使い方、類語、反対語について解説していきます。「対峙」を覚えて、上手く使いこなしましょう!
「対峙」は<たいじ>と読みます。 「対」は音読みだと「タイ・ツイ」、訓読みだと「むかう・こたえる」と読みます。 「対」は「向かい合う。二つが向き合う」を意味します。 「峙」は音読みだと「ジ」、訓読みだと「そばだつ」と読みます。 「峙」は「まっすぐ立つ。そばだつ」を意味します。 「対峙」の意味は、 1.山などが並んでそびえること 2.相対してそばだつこと。向き合って立つこと です。 二つの勢力が向き合ったまま動かない様子・対立しているものが、睨み合ったままじっと動かないさまを表します。 「心が通い合う。理解し合う」という意味は含まれません。
対立するもの同士が、向き合ったままじっと動かないという場合に「対峙」を使います。 元々は「山が向かい合う」という意味だったので、「対峙」は勢力が大きいものや力が大きいもの同士がにらみ合うというときに使うことが多いです。 例えば、「自己と対峙することによって成長することができる」といった場合は「自分自身と向き合うことによって成長することができる」という意味になります。 「睨み合っている」という意味合いなので、互いに向かい合わせになっている状態を「対峙する」と言います。 向かい合っていなかったり、何かその後に動きがあったときは「戦う」だったり「殴り合う」などとします。 言い回しとしては、
などとなります。 それでは例文を見ていきましょう。
例文 1の意味
2の意味
「対立」の意味は「二つのものが反対の立場に立って張り合うこと」です。 二つのものがお互いに譲らないで張り合っているさま・二つのものが反対の立場に立っている様子を表します。 「対峙」は「二つの勢力が向き合ったままじっと動かないこと」 「対立」は「二つの反対の立場にあるものが並び立っていること」 「対峙」と「対立」では少々意味が異なります。 二つとも非常に似ていますが、「睨み合ったまま動かない」という意味合いを持つ「対峙」の方が堅く対抗している感じが強いです。 「対立」は「利害関係の異なる者同士が、自分の立場を保持するために競争すること」を表しているので、「対峙」と比べると敵対している様子はやや弱まります。
例文
「対面」の意味は、
です。 人と人が直に向かい合って会うこと・互いに顔を見合わせることを表します。 「対峙」は「二つの勢力が向き合ったままじっと動かないこと」 「対面」は「お互いに顔と顔を見合わせること。顔を合わせて会うこと」 例えば、「恩師と10年ぶりに対面した」とは言いますが「恩師と10年ぶりに対峙した」とは言いません。 「対峙」と「対面」はともに「向き合うこと」を表しますが、「対面」には「対立するもの同士」という意味合いは含まれないです。このように、「対峙」と「対面」では全く意味が異なります。
例文
対決 (意味:両者が相対して正否や優劣などをはっきりと決すること) 「宿敵と対決する」 対抗 (意味:相対して互いに張り合うこと) 「ライバル店に対抗してセールを実施する」 正対 (意味:対象にまっすぐ向くこと。まともに向き合うこと) 「彼女の間違った意見に正対する」 首っぴき (意味:向き合った二人が輪にした紐を首にかけて引っ張り合い、引き寄せられた方を負けとする遊戯) 差し向かい (意味:向かい合っていること) 「差し向かいで今後のことについて話し合う」 睨み合う (意味:互いに睨む。互いににくむ) 「彼らはお互いに睨み合っていた」 見合う (意味:互いに見る。見かわす) 「二人はじっと見合ったままでいた」 直面 (意味:直接に物事に対すること、じかに物事に接すること) 「これまでにない困難に直面する」
結託<けったく> (意味:互いに心を通じ合わせて事に当たること) 「彼等は結託して悪事を働いた」 共謀<きょうぼう> (意味:二人以上の者が共同で企むこと) 「共謀して罪を犯す」 気脈を通じる (意味:互いに連絡をとって意志を通じ合う) 「気脈を通じて企画を成功させる」 示し合わす (意味:あらかじめ相談し合う) 「今回の計画は前もってA社と示し合わせておいた」 共同 (意味:二人以上の者が力を合わせること) 「共同して作業を進める」 提携 (意味:手を取り合って互いに助けること) 「提携して業務に取り組んだため、早く終わらせることができた」 結束 (意味:同士の者が互いに団結すること) 「チームとしての結束を強める」 同盟 (意味:個人や団体もしくは国家が互いに共同の目的のために、同一の行動を取ること) 「三ヶ国が同盟を結んだ」
「相対峙」の意味は「反対する。抗争する」です。 「相対」は「向かい合うこと。当事者どうしがさし向かいで事をなすこと」を表します。 「相対峙」とすることによって、「対立する」という意味合いを強めることができます。 例えば、「相対峙している二人が競い合う」「両軍は互いに相対峙していた」などと使います。
「対峙する」は英語で「face」といいます。
Facing the fact that he is going to die someday has dramatically changed his perspective on life.
いつか死ぬという事実と対峙することは、彼の人生観を大きく変えた。
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「対峙」について理解できたでしょうか? ✔︎「対峙」は<たいじ>と読む ✔︎「対峙」は「二つの勢力が向き合ったまま動かないこと」を意味 ✔︎「両軍と対峙する」「自分と対峙する」などと使う ✔︎「対峙」の類語には、「対決」「対抗」「にらみ合う」などがある