「提示」という言葉をご存知でしょうか。「金額を提示する」「条件を提示する」などと、どことなく聞き覚えがありますよね。ビジネスシーンにおいても日常生活においても使われることが多い言葉です。では、「提示」とはどのような意味を持っているのでしょうか。どういったように使うのでしょうか。また、「提示」を敬語として使えるのでしょうか。疑問に思う点が数多くありますよね。よく使う言葉だからこそ、正しく意味を知りましょう。そこで今回は「提示」の意味や使い方、類語との違い、敬語表現について解説していきます。
「提示」の意味は、 1.差し出して相手に示すこと 2.五段階教授法の第二の段階で新教材を児童に示すこと です。 「提」は「差し出す。持ち出す」、「示」は「しめすこと」を意味します。 その場に持ち出して、人に理解させること・相手に分からせるように差し出して見せることを表します。
「提示」は単に見せるという場合ではなく、相手に分からせるために差し出して見せるという場合に使います。 例えば、「金額を提示する」だったら「相手に分からせるために、金額をその場で差し出して見せる」という意味になります。 他にも、「企画の問題点を提示して、より良いものに仕上げようと改善に努める」といった場合は「企画の問題点を相手に理解させるように差し出して、より良いものへと改善に努める」ということを表します。 分からせるようにするのが「提示」なので、出すものとしては、身分証明書といったものだけでなく、問題や条件などといったものも含まれます。このように、「提示」には抽象的なものが当てはまります。 実際に提示するもの、提示されるものは、
などがあります。実際の使い方は例文で確かめてみてください。
例文
「呈示」の意味は「差し出して見せること」です。 相手に差し出して見せること・人に渡して見せることを表します。 「提示」は「相手に分からせるように差し出して見せること」 「呈示」は「手に差し出して見せること」 「呈示」は単に見せることであって、「分からせる」という意味合いは含まれません。 例えば、「免許証を提示する」といった場合は「免許証を相手に分からせるように見せる」、「免許証を呈示する」といった場合は「免許証を差し出して見せる」となります。 「呈示」は「提示」という言葉に内包されていますが、「提示」の方がより深いニュアンスです。 それぞれ少々意味合いが異なりますが、報道機関では紛らわしいという理由で、全て「提示」で統一されています。
例文
「掲示」の意味は「人目につくところにかかげ示すこと。また、その文書」です。 不特定の人が見れることができるように紙を貼り出すこと・知らせたい情報を書いて掲げて示すことを表します。 「提示」は「相手に分からせるように差し出して見せること」 「掲示」は「人目につきやすいところに掲げて示すこと」 「提示」は一対一で差し出して見せることで、「掲示」は不特定多数にかかげて見せることを表します。 「掲示板」という言葉を思い浮かべると、「掲示」の意味をなんとなくイメージできると思います。 「提示」と「掲示」では発音も字面も似ているため、非常に間違いやすいです。注意してください。
例文
「提出」の意味は「書類などを差し出すこと」です。 文書などを然るべき人や場所の差し出すこと・特に公の場に出すことを表します。 「提示」は「相手に分からせるように差し出して見せること」 「提出」は「書類などを相手に出すこと。渡すこと」 「提示」は見せるだけなので書類は戻ってきますが、「提出」は出すことなので書類はだいたい手元に戻ってきません。 例えば、「証拠を提示する」といった場合は「証明の根拠として、確認できるように差し出して見せること」、「証拠を提出する」といった場合は「証明の根拠として相手に渡すこと」となります。 「提示」は「見せる」、「提出」は「出す」と覚えておきましょう。
例文
「提案」の意味は「案を提出すること。また、提出した案」です。 議案や考えといったものを出すこと・また、その議案や考えを表します。 「提示」は「相手に分からせるように差し出して見せること」 「提案」は「意見や考えを提出すること。議案を出すこと」 例えば、「私は彼女にそろそろ車を買ってはどうかと提案した」とは言うことができますが、「私は彼女にそろそろ車を買ってはどうかと提示した」とは言いません。 この場合、「提案」だと『こうしたらどう?』とあくまでも自身の意見を出していることになりますが、「提示」とすると『こうしたら』とやや強制的なニュアンスとなってしまいます。 このように、「提案」は私的な場において、案や考えを出すことを意味します。 「提示」と「提案」は意味合いが異なるので、しっかりと区別できるようにしましょう。
例文
「明示」の意味は「明らかに示すこと。はっきりと示すこと」です。 物事や意思というものを明確に示すこと・しっかりと示すことを表します。 「提示」は「相手に分からせるように差し出して見せること」 「明示」は「はっきりと示すこと。明らかに示すこと」 例えば、「契約をするにあたって、条件を提示する」「契約をするにあたって、条件を明示する」などと言います。 このように、「提示」と「明示」はほぼ同じ意味です。 ただ、「提示」よりも「明示」の方が「明らかに示す」という意味合いが強くなります。 「明示」は「文章や数字というものをはっきりと確認できるようにする」というニュアンスが含まれます。 「提示」と「明示」はほとんど一緒ですが、やや異なる部分があるので注意しましょう。
例文
「指示」の意味は、
です。 物事をそれと指し示しすこと・命令することを表します。 「提示」は「相手に分からせるように差し出して見せること」 「指示」は「それとゆび指し示すこと。命令すること」 「提示」と「指示」は全く意味が異なります。 「指示」は「上司の指示を仰ぐ」「彼女の指示に従う」などといったように、人に指図すること・されることを表します。 一方で、「提示」は「提示を仰ぐ」「提示に従う」などとは言いません。
例文
「提示」という言葉自体は敬語ではないため、目上の人に使う場合は敬語表現にする必要があります。
「尊敬語」は相手の動作や持ち物に関して、敬意を含ませた語です。 「提示」を尊敬表現にすると、
などとなります。 「くださる」は「くれる」の尊敬語で、「なさる・される」は「なす・する」の尊敬語です。 「免許証をご提示ください」「お客さんがパスポートをご提示なさる」などと使います。 「提示した」「提示する」というと軽い感じになりますが、尊敬語にすることによって敬意を込められます。
例文
「謙譲語」は、自分や自分の身内などをへりくだって表現する語です。 「提示」を謙譲表現にすると、
などとなります。 「いたします」は「する」の謙譲語「いたす」+丁寧語「ます」で成り立っています。 「させていただきます」は使役の助動詞「させて」+「もらう」の謙譲語「いだだく」+丁寧語「ます」となります。 「提示いたします」「ご提示いただけると....」ということによって、へりくだることができます。
例文
「丁寧語」は、相手に対して丁寧に述べる語です。 「提示」の丁寧表現は「提示します」となります。 丁寧語には「です」や「ます」「ございます」があります。 「提示」の場合は、丁寧語「ます」をつけて「提示します」とします。 例えば、「問題を提示する」と言うよりも「問題を提示します」といった方が丁寧ですよね。
例文
見せる (意味:相手が見るようにする。見させる) 「彼女はようやく人前に姿を見せた」 見せつける (意味:人に自慢らしく見せる。これみよがしに見せる) 「睦じい仲を他の人に見せつける」 示す (意味:他のものにそれと分かるように指差し、実際に出して見せること) 「どれが本物であるか実物を示した」 表す (意味:形や様子を表に出して示すこと) 「わかりやすいようにグラフで表した」 証明 (意味:ある事柄が事実または真理であることを、根拠に基づいて証拠立てること) 「これが事実であることを証明する」 呈する<ていする> (意味:差し出す。呈出する・差し上げる) 「そのことについて彼は苦言を呈した」 さらけ出す (意味:隠すとところなく、全部見せること) 「隠しきれないから、事実をさらけ出す」 開示 (意味:明らかにさし示すこと) 「開示請求を求める」 剝きだす<むきだす> (意味:隠さず出す。あらわに出す) 「彼女は歯を剥き出しにして喋った」 曝す<さらす> (意味:広く人々の目に触れるようにすること) 「人目に曝すようにチラシを貼る」
「提示」は英語で「presentation」になります。 「提示する」は「present」または「show」になります。最も一般的な単語は「show」になります。
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身分証明書を提示してください。
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「提示」について理解できたでしょうか? ✔︎「提示」は「相手に分からせるように差し出して見せること」を意味 ✔︎「提示する・されるもの」には、警察手帳・パスポート・条件・金額などがある ✔︎「提示」を敬語表現にすると、「ご提示なさる」「提示いたします」「提示します」などとなる ✔︎「提示」の類語には、「見せる」「示す」「証明」などがある