「送らせていただきます」という表現をご存知でしょうか。品物を送るときや、メールを送るときなどに使うことが多いですよね。では、「送らせていただきます」とはどのような意味なのでしょうか。ビジネスシーンで使われていることが多い言葉ですが、正しい敬語なのでしょうか。また、言い換え表現には何があるのでしょうか。そこで今回は「送らせていただきます」の使い方、例文、言い換えについて解説していきます。正しく覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「させていただきます」は、使役の助動詞「させて」+「もらう」の謙譲語「いただく」+丁寧語「ます」で成り立っています。 「送らせていただきます」は「送らせてもらいます」という意味で、謙譲語と丁寧語が含まれる正しい敬語なので、目上の人に対して使えます。 「送らせて頂きます」と表すこともできますが、この場合の「いただく」は補助動詞として使われているので、ひらがなで表記します。
あまり意識して使用している人はいませんが、「させていただく」という表現は厳密には「相手の許可」が必要です。 目上の人から「させてもらう」わけですから、勝手に実行するのは失礼になります。 なので、相手の許可を取ってない場合は「送らせていただきます」も使うべきではない、と考える人もいるので注意です。 しかし、実際は「相手の許可が必要なくらい遠慮している」という謙虚な姿勢を示すために使われていることが多く、そこまで意識する必要がないでしょう。
「送らさせていただきます」は「さ入れ言葉」のため、誤用になります。 さ入れ言葉とは、正しい表現に間違って「さ」を入れてしまう言葉のことです。 助動詞「させる」「せる」は「いただく」と共に使うことで、「◯◯をさせてもらう」という意味になります。 上一段、下一段、カ行変格活用の動詞の場合は「させる」をつけます。五段とサ行変格活用の動詞の場合は「せる」をつけることになっています。 「送る」は五段活用のため、「せる」をつけて「送らせていただきます」と使うのが正しいです。
「お送りします」は、謙譲を表す「お」+丁寧語「ます」で成り立っています。 相手に物を送ったり、メールを送る場合に使います。 「お送りします」は正しい敬語ですが、相手によっては自分勝手な印象を与えてしまうことがあります。「お送りします」は相手や状況によって、使うかどうか判断してください。
「お送りいたします」は、謙譲を表す「お」+「する」の謙譲語「いたす」+丁寧語「ます」で成り立っています。 「お送りします」よりも丁寧な表現となります。 「お送りいたします」は、相手から頼まれた資料や品物を送る場合に使うことが多いです。 「お送り致します」と表すことができますが、この場合の「いたす」は補助動詞として使われているため、ひらがなで表記します。
「送らせていただきます」は相手が注文した品物や、商品を送ったりする場合に使います。 他にも、メールや手紙で情報を送る場合にも使われます。就活においても「履歴書を送らせていただきます」と用います。 また、「近くまで送らせていただきます」などと、お客さんや取引先の人をどこかまで送っていくことも表します。 「送らせていただきます」は相手から頼まれていなくても、自分から資料や品物を送る場合に使うことが多いです。
送るものによって、言い回しが異なる場合があります
「送付」は「そうふ」と読みます。 「送付」は「資料や品物などをおくりとどけること」を意味します。 「送付」は、相手に物を送る場合に使う表現です。「送迎する」という意味では使いません。 また、手紙や資料を送ることも「送付」と表現できますが、メールそのものを送る場合は「送付させていただきます」ではなく「送信する」を使うことが多いので注意してください。
例文
「郵送」は「ゆうそう」と読みます。 「郵送」は「郵便で品物や書類を送ること」を意味します。 郵便局のサービスによって物を送ることなので、その他の方法で送る場合は「郵送させていただきます」とは使えません。 郵便で送る場合、「送らせていただきます」と言うよりも「郵送させていただきます」と言った方が、どのような方法で送ったかということが明確になります。
例文
「発送」は「はっそう」と読みます。 「発送」は「品物を送ること」を意味します。 品物や商品などを送ることを表す場合に「発送させていただきます」を使います。 「発送させていただきます」は、郵便で物や手紙を送る場合に使うことが多いです。
例文
「添付」は「てんぷ」と読みます。 「添付」は「書類などに、他のものを付け足すこと」を意味します。 何か足りないことがあった場合に、他のものを付け加える場合に「添付させていただきます」を使います。 メールや資料に、他のものを付け足すことを表します。品物や商品に対して「添付」は使うことはできません。
例文
「送らせていただきます」の英語は、口語では「I will send...」でOKです。 ちなみに「send」は「give」と用法が同じで、「send + 人 + 物」「send + 物 + to + 人」の形で使うことができます。
I'll send you flowers.
お花を送らせていただきます。
「ファイルを送らせていただきます」などとメールで書く場合は、「I will send」だと少し不自然です。 相手が「I will send....」という文章を見たときにはすでにメールが届いているからです。 代わりに、
などを使います。
I have attached the file to this email.
ファイルを本メールに送付して送らせていただきます。
This is just a friendly reminder that we are going to have a meeting tomorrow at 11 a.m.
明日11時よりお打ち合わせがあることを再度ご案内させていただきます。
Here's what we talked in the meeting yesterday.
これが昨夜の会議で話したことです。(この後に箇条書きで続ける)
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「送らせていただきます」について理解できたでしょうか? ✔︎「送らせていただきます」は謙譲語と丁寧語が含まれているため、正しい敬語 ✔︎「送らせていただきます」は、目上の人に使うことができる ✔︎「お送りします」「お送りいたします」などの使い方もできる ✔︎ 言い換えには「発送させていただきます」「添付させていただきます」などがある