「鷹揚」という言葉をご存知でしょうか。「鷹揚な態度」「鷹揚な性格」などと聞いたことがあると思います。なんとなく「鷹揚」は人の性質や態度について述べるときに使う言葉なのかな、とイメージがつくのではありませんか。ただ、具体的に「鷹揚」がどういう意味を表しているのか、どのような場面で使えば良いか、分からないことも多いですよね。そこで今回は「鷹揚」の意味や使い方、類語、対義語について解説していきます。「鷹揚」を用いた例文も紹介します。「鷹揚」を正しく理解して、上手く使いこなせるようにしましょう!
「鷹揚」は<おうよう>と読みます。 「ようよう」と読むこともできますが、一般的には「おうよう」と読むことが多いです。 「たかあげ」「こうよう」とは読まないので注意しましょう。 「鷹」は音読みだと「オウ・ヨウ」、訓読みだと「たか」と読みます。 「揚」は音読みだと「ヨウ」、訓読みだと「あげる・あがる」と読みます。 また、似たような言葉に「大様(おおよう)」があります。 「鷹揚」は「大様」と混同されて、同じ意味でも用いられるようになったと言われています。
「鷹揚」の意味は、
となります。 「鷹」は「鳥の名。タカ」、「揚」は「高く上がる。上げる」を意味します。 ゆったりと振る舞うこと・余裕があって目先の小事にこだわらないことを表します。 イメージとしては、おっとりしていて争いとは無縁な感じです。 ちなみに、「大様」は「ゆったりと落ち着いていること・大まかなこと」を表します。
「鷹揚」は中国最古の詩集で五経の一つである『詩経(大雅・大明)』に由来しています。 鷹が大空をゆうゆうと飛ぶさま、「鷹が飛揚する(空高く飛び上がる姿)」ということから「堂々としている・ゆったりとしている」という意味で「鷹揚」が使われるようになりました。 また、上記で説明したように「大様」という言葉があります。 「大様」は中世ごろから「度量が大きい・大雑把」という意味で使われていました。 「鷹揚」と表記されたのは近世以降であるため、音や意味が似ていることもあり「大様」の当て字として、「鷹揚」が使われるようになったと考えられます。
「鷹揚」は心に落ち着きやゆとりがあって、上品なさまを表すときに使います。 このように、「鷹揚」は人の性質や態度について述べるときに用いる言葉です。 例えば、「彼はいつも鷹揚に構えていて、周囲の信頼も得やすい」という場合は「彼はいつも物腰が柔らかで心にゆとりがあるので、周囲からの信頼も得やすい」という意味になります。 また、「彼は鷹揚に頷いた」としたら「彼はゆったりと落ち着いて頷いた」という意味で、心に落ち着きやゆとりがあり上品なさまを表すことができます。
言い回し
例文
大らか (意味:心がゆったりとして、せこせこしないさま) 「子供が大らかにのびのびと育つ」 悠然 (意味:物事に動ぜず、ゆったりと落ち着いているさま) 「彼は遅刻しても、悪びれる様子もなく悠然とやってきた」 おっとり (意味:人柄・仕草などが、落ち着いていてせこせことしないさま) 「彼女はおっとりとしている」 自然体 (意味:気負いのない、自然な態度) 「彼女の前だと自然体でいられる」 マイペース (意味:自分に合った進度・方法) 「彼は非常にマイペースだ」 伸びやか (意味:心が穏やかで生き生きしているさま) 「彼女の子供はぐんぐん伸びやかに育った」 寛容 (意味:心が広くて、よく人の言動を受け入れること) 「多少苛ついてしまうが、寛容でいる」 ラフ (意味:大まかなさま。形式ばらず、気取らないさま) 「彼はいつもラフな服装をしている」 太っ腹 (意味:度量の大きいこと。大胆で、物事に動じないこと) 「全て払ってくれるなんて、先輩は太っ腹ですね!」 広量 (意味:度量が大きいこと。心のひろいこと) 「随分と広量な人物である」 寛大 (意味:度量が大きく、思いやりがあり、むやみに人を責めないこと) 「寛大な処置を施す」
器が小さい (意味:人格や器量、才能が乏しいさまなどを表す) 「部長は本当に器が小さい」 偏屈 (意味:性質がかたくなで、素直でないこと) 「偏屈な人は対応に困ってしまう」 狭量<きょうりょう> (意味:人を受け入れる心が狭いこと) 「上司は狭量で、なかなか自分のミスを認めない」 せせこましい (意味:考え方や性質などがこせこせして、心にゆとりがないさま) 「そんなせせこましい考えをしていると、みんなから嫌われてしまうよ」 頑迷 (意味:かたくなでものの道理がわからないこと) 「頑迷な人を説得することは非常に大変だ」 けち臭い (意味:心が狭く、こせこせしている) 「なんてけち臭い奴なんだ」 意地っ張り (意味:こうと思ったことは、よくても悪くても押し通すこと) 「先生は意地っ張りでわがままな私にも優しくしてくれる」
「鷹揚自若」は<おうようじじゃく>と読みます。 「鷹揚自若」の意味は「落ち着いていて、何事にも動揺しない様子」です。 重大な事に当たっても、ゆったりとして落ち着き払い、心の動じない様子を表します。 「鷹揚」は「ゆったりと落ち着いていること」を意味します。 「自若」は「重大事に当たっても、落ち着いていて、心や態度に少しの乱れもないさま」を意味します。 例えば、「明日は試合本番だけど、なんとか頑張るよ!」「それにしても動じない、まさに鷹揚自若ね!」などといったように使うことができます。
例文
「鷹揚」の英語表現を見ていきましょう。 「おっとりした性格」を英語で表現するなら、
などになります。
当サイト「英語部」で一番人気の英会話教室が、NOVAです。 全国展開(270校舎)をしている大手英会話教室の中で圧倒的に価格が低いのが特徴です。 しかも講師は全員ネイティブ!
「格安で週一回NOVAのネイティブ講師と会話し、あとは自習する」という英語学習法が非常におすすめです。 ご興味のある方はホームページから無料体験レッスンをぜひ!
科学的に正しい英語勉強法
こちらの本では、日本人が陥りがちな効果の薄い勉強方法を指摘し、科学的に正しい英語の学習方法を紹介しています。読んだらすぐ実践できるおすすめ書籍です。短期間で英語を会得したい人は一度は読んでおくべき本です!
正しいxxxxの使い方
授業では教わらないスラングワードの詳しい説明や使い方が紹介されています。タイトルにもされているスラングを始め、様々なスラング英語が網羅されているので読んでいて本当に面白いです。イラストや例文などが満載なので、この本を読んでスラングワードをマスターしちゃいましょう!
職場で英語が必須な方や海外留学を検討している方など、本気で英語を学びたい人にオススメの英会話教室、オンライン英会話、英語学習アプリを厳選した記事を書きました!興味のある方はぜひご覧ください。
「鷹揚の精」とは、バレエ『眠れる森の美女』に出てくる妖精の一人です。 他には、優しさの精・元気の精・呑気の精・勇気の精などがいます。 「鷹揚の精」はゆったり落ち着いている妖精のことです。 妖精はそれぞれ、誕生したオーロラ姫に相応しい気質をプレゼントします。 「鷹揚の精」は「優雅で穏やかに大きく育つように....」と魔法をかけます。 バレエ団によっては、「鷹揚の精」ではなく「優雅の精」「穏やかの精」「誠実の精」「松の精」などと、いろいろな呼び名があるそうです。
「鷹揚」について理解できたでしょうか? ✔︎「鷹揚」は<おうよう>と読む ✔︎「鷹揚」は「ゆったりと落ち着いていること・小さな事にこだわらないこと」を意味 ✔︎「鷹揚に構える」「鷹揚な態度」といったように使う ✔︎「鷹揚」の類語には、「大らか」「自然体」「寛容」などがある