「老獪」と「狡猾」という言葉をご存知でしょうか。「老獪な政治家」「狡猾な男」などと何となく聞いたことがあると思います。字だけを見ると、難しそうな複雑そうな意味をイメージしますよね。「老獪」と「狡猾」は似た言葉ではありますが、それぞれ意味が異なります。また、使い方にも違いがあるので、適切に使い分けたいですね。そこで今回は「老獪」と「狡猾」の意味や使い方を解説していきます。言葉を正しく使うためには、意味をしっかりと押さえておくことが重要になります。2つの言葉をきちんと覚えて、上手く使いこなせるようにしましょう!
▶︎「老獪」
▶︎「狡猾」
「老獪」の意味は「長い間世俗の経験を積んで悪賢いこと。世故にたけて悪賢いこと」です。 「老」は「長い経験を積んでいる」、「獪」は「悪賢い・ずるい」を意味しています。 ずるく立ち回るのに経験豊富であるさま・多くの経験を積んだため、ずる賢くなるさまを表します。 十分な経験を積み、様々な方法・手段を習熟していて、なおかつ悪賢いということを表すときに「老獪」を使います。「老獪」は年配者に対して、相手を蔑む場合に使うことが多いです。 主に、「老獪な◯◯」「老獪さ」という形で使います。 例えば、「老獪な手口」「老獪な政治家」「老獪なやり方」などと言うことができます。 同じ意味の言葉で「老猾(ろうかつ)」という言葉もあります。 また、反対の意味を持つ言葉では「老練(ろうれん)」があります。これは「多くの経験を積み、慣れて巧みなこと」という意味です。「老練なかけひき」「老練な映画監督」などと言います。
例文
「狡猾」の意味は「わるがしこいこと。こすいこと」です。 「狡」は「悪賢い・ずるい」、「猾」は「わるがしこい・みだれる・みだす」を意味しています。 ずるく悪賢いさま・悪いところなどによく知恵が回るさま・ずるくて抜け目がないさまを表します。 「狡」と「猾」はどちらも”悪賢いこと”を意味するので、重ねることによってより意味を強めます。 自分だけ得をしようと、こっそりと卑劣な手段をとるということを表すときに「狡猾」を使います。 意味から分かるように、悪いことに対して用いられることがほとんどです。 「狡猾」は男性でも女性でも若い人でも老いた人でも、老若男女に対して使うことができます。 主に、「狡猾な◯◯」「狡猾さ」という形で使います。 例えば、「狡猾な物言い」「狡猾な笑顔」「狡猾な手段」などと言うことができます。 「狡猾」を用いた四字熟語がいくつかあるので紹介します。 「怜悧狡猾(れいりこうかつ)」・・・小賢く悪賢いこと 「狡猾剽悍(こうかつひょうかん)」・・・賢くて、その行動が素早く強引に行われること また、「狡猾」と全く同じ意味を持つ言葉に「狡獪(こうかい)」という言葉があります。
例文
「狡猾老獪」という四字熟語があります。 意味は「経験豊富でずる賢いこと」になります。 「狡猾」と「老獪」は、どちらも”わる賢いこと”を意味しているので二つを重ねることで意味を強調しています。 例えば、「狡猾な男・老獪な男」と言うよりも「狡猾老獪な男」と言った方が「ずる賢い」という”悪いイメージ”が強くなります。 「狡猾老獪」の類語を紹介します。 「海千山千(うみせんやません)」・・・世間の経験を多く積み、物事の裏表を知り抜いていて悪賢いこと 「奸佞邪知(かんねいじゃち)」・・・心が曲がっていて悪知恵が働き、人に媚びへつらうこと
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