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「留意点」と「注意点」の意味の違いと使い分け

普段よく見かける「留意点」と「注意点」ですが、二つの言葉にはいったいどのような違いがあるのでしょうか。実は「留意点」と「注意点」は意味が異なります。そこで今回は「注意点」と「留意点」の意味の違いと使い分けについて解説していきます。上手く使い分けをしないと意味が伝わらず、トラブルを生じさせてしまう恐れもあるので、違いを明確に把握しておきましょう。

「注意点」と「留意点」の違いまとめ

▶︎「注意点」・・・「気持ちを集中させて気をつけなければいけない点」          用心・警戒すべき事柄に対して使う ▶︎「留意点」・・・「気持ちを留めておく程度の気をつけなければいけない点」          意識を留めておくべき事柄に対して使う

「留意(点)」と「注意(点)」は、基本的にどちらも「気を付ける」という意味ですが、「気をつける度合い」が違います。 「注意(点)」は「物事に神経を集中させ、それに対して用心する・警戒すること」を表すのに対して、 「留意(点)」は物事に用心や警戒といった意味は含まれず、「物事を比較的長く心に留めておくこと」を表します。 例えば「健康に留意する」といった場合は、「日常的に健康について気にかける」といったニュアンスになります。今現在は健康に対して警戒が必要となる状況ではないが、普段から気をつけるようにするという程度のことになります。 しかし「健康に注意する」といった場合は、「危機的な状況に備えて用心する」といったニュアンスになります。既に何らかの異常が見つかってしまっていたり、すぐにでも状況が悪くなりそうな病気を抱えていたりすることを表しています。 簡単に言うと「注意(点)」は具体的で一時的なことに対して使い、「留意(点)」は抽象的で永続的なことに対して使います。

「注意点」について

「注意(点)」の意味

「注意(点)」は

  • 気をつけること
  • 危険などにあわないように用心すること
  • 相手に向かって、気をつけるように言うこと
  • 心の働きを高めるため、特定の対象に選択的・持続的に意識を集中させる状態

を意味します。 「注」は音読みだと「チュウ」、訓読みだと「そそぐ」と読みます。 「注」は「一箇所の集中させる」「そそぎ入れる」を意味します。 「意」は音読みだと「イ」、訓読みだと「こころ」「おもう」と読みます。 「意」は「気持ち」「考え」「意見」を意味しています。 「注意(点)」は”対象の物事に対して意識を集中させる、瞬間的に気を引き締める”というニュアンスが含まれます。 「注意点」は「気をつけるべき点」「用心・警戒すべき点」となります。

「注意(点)」の使い方

「注意(点)」はいかなる場面においても用いることができます。 例えば、「猛犬注意」「飛び出しに注意」「取り扱い注意」など普段から様々な場面で目にすることが多いです。 「注意(点)」は、気をつける気持ちが強いとき・意識を集中させる必要がある場合に使います。 「注意点」の例としては、「SNS利用上の注意点」「クレジットカードを使う際の注意点」などと使います。 「注意点」は、守らないと何か事故や危険なことを引き起こすなど、何か致命的な事柄の場合に使用します。

「注意(点)」の例文

  • この通りは人がたくさんいるので、注意して車を運転する必要がある。
  • 家の前に自転車を止めないようにと注意を受けた。
  • インフルエンザにならないように注意する。
  • 同じミスを起こさないためにも細心の注意を払う。
  • 崖が多いので転落事故に注意する。
  • 勧誘にあたってはいくつかの注意点がある。
  • 海外旅行をする上での注意点は以上になります。
  • 薬の使い方と注意点について説明します。
  • ネットショッピング利用の際の注意点としては、業者からのメールは必ず保存しておくことである。

「留意点」について

「留意(点)」の意味

「留意(点)」は「ある物事に心を留めること」「気をつけること」を意味します。 「留意(点)」には「ある物事を心にとどめておき、常にそのことに気をつけること」というニュアンスが含まれます。 「留」は音読みだと「リュウ」、訓読みだと「とめる」「とまる」と読みます。 「留」は、「その場所にとめておく」「その位置から動かない」「とどまる」を意味しています。 「意」は音読みだと「イ」、訓読みだと「こころ」「おもう」と読みます。 「意」は「気持ち」「考え」「意見」を意味しています。 「留意(点)」は「注意(点)」ほど、物事に対して強く意識を向けている状態ではありません。 「留意点」は「気をつけるべき点」「心を留める必要がある点」となります。

「留意(点)」の使い方

「留意(点)」は、相手に気をつけてほしい事柄を伝える場合に使い、だいたい相手の健康を気遣って使われることが多いです。 「留意(点)」は、「頭にいれておく」「心に留めておく」必要がある事項に使います。 「留意(点)」は「注意(点)」に比べたら、気をつける度合いは低くなります。 例えば「このサイトを利用する際の注意点」といった場合、”注意点を守らなければもしかしたら不具合が出たり実際に被害が出てしまうかもしれない”というニュアンスになります。 一方で「このサイトを利用する際の留意点」といった場合、”注意点を守らなくても実害が発生することはない”といったニュアンスになります。

「留意(点)」の例文

  • 日頃から健康に留意する
  • 上記の点に留意をして、お客様の応対にあたるようにしてください。
  • この点に十分ご留意くださいますようお願いいたします。
  • 寒さいよいよ厳しい折柄、お体には十分ご留意くださいますようお祈り申し上げます。
  • 山に登る際は服装に留意してください。
  • 実験を実施する上での留意点をご理解ください。
  • 業務を行うに当たっての留意点は何かありますか。
  • 本サービス利用にあたっての留意点を掲載いたしますので、お読みください。
  • 公共施設において事故を防止するための留意点について検討しました。

「注意・留意」の類語

用心

「用心」は「心を用いること」「困ったことにならないようにあらかじめ注意すること」を表しています。 「火の用心」や「空き巣にご用心」など聞き馴染みのある言葉です。 「用心」は「注意」とほぼ同じ意味ですが、「注意」よりも使用範囲が狭く、一般的にはあまり使いません。

例文

  • たいへん滑りやすくなっているため、足元にご用心ください。
  • 不審なメールにはご用心ください。

警戒

「警戒」は「危険や災害に備えて、あらかじめ注意し、用心すること」を意味します。 「大雨警戒」「警戒情報」などと聞いたことがあると思います。 「警戒」は「注意」と似ていますが、「警戒」は「万が一に備えること」という意味合いなので間違わないようにしましょう。

例文

  • 野良猫はとても警戒心が強い。
  • 自宅に泥棒が侵入することを警戒する。

配慮

「配慮」は「他人に対して心をくばること」という意味です。 「配慮」という言葉を分解してみると、 「配」は「くばる」「割り当てる」で、「慮」は「あれこれと思いめぐらせる」「思い」といった意味になります。 「配慮」は「他人に対する思いやり」「危険を避けるための注意」などといった意味合いです。 例えば、「子供の手の届かない所に置くように配慮する」「この施設は足が悪い人にとって配慮がなされた工夫がされている」といったように使います。

例文

  • 改修工事の際は、近隣の皆様にも十分な配慮をいたします。
  • 社員の配慮に欠けた振る舞いには心よりお詫び申し上げます。

気配り

「気配り」は「あれこれ細かく気遣うこと」を意味します。 「気配り」は「特に注意を払うこと」を表していて、「配慮」とほぼ同じ意味です。 例えば、「あの人は気配りができる」「気配りをすることは重要だ」などと使います。

例文

  • 彼女は気配りができる優しい人です。
  • 私の強みは気配りできることです。

自愛

「自愛」は「自らその身を大切にすること」を表しています。 「ご自愛」は、手紙やメールの結びの言葉として、相手の健康を気遣う言葉として使われます。 使い方としては「〜なので、ご自愛ください」や「〜の折、ご自愛ください」といったようになります。 「ご留意」の代わりに「ご自愛」を使うことができます。

例文

  • 季節の変わり目ですが、どうかご自愛ください。
  • 時節柄、何卒ご自愛のほど、心よりお祈り申し上げます。

まとめ

「注意点」と「留意点」の違いと使い分けについて理解できたでしょうか? どちらも「気をつけるべき点」という意味合いですが、「注意点」の方が気をつける度合いが強いです。 「注意点」と「留意点」は非常に似ている言葉ですが、意味が少し異なるので間違わないようにしましょう。

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