「殺伐」という言葉をご存知でしょうか。「殺伐とした雰囲気」「殺伐とした職場」などと使います。テレビ番組や小説などでよく使われていて、日常会話でも時々使うことがある言葉です。見聞きした覚えがある表現ですが、意味についてしっかりと理解しているでしょうか。「殺伐」は「殺」という漢字が用いられていることもあって、あまり良いイメージがありませんよね。では、どのような場面で使うことができるのでしょうか。色々と疑問に思うことがあります。そこで今回は「殺伐」の意味や使い方、類語、対義語について解説していきます。「殺伐」を正しく知って、上手く使えるようにしましょう!
「殺伐」は<さつばつ>と読みます。 「殺」は音読みで「サツ・サイ・セツ」、訓読みで「ころす・そぐ」と読みます。 「殺」は「削ぎ取っている。取り除ける。ころす」を意味します。 「伐」は音読みで「バツ」、訓読みで「きる・うつ」と読みます。 「伐」は「敵を殺すころ。うつこと」を意味します。 「殺伐」の意味は、 1.あたたかさや平穏さがなく、とげとげしいさま 2.平気で人を殺すこと です。 優しい雰囲気が全く感じられない荒々しい状態・殺したりするぐらいピリピリとした殺気がみなぎっているさまを表します。 実際に人を殺傷するのではなく、そうしてしまうぐらい荒れている様子を表します。
上記で紹介した通り、「殺伐」には2つ意味がありますが、1つめの意味で使うことがほとんどです。 1つ目の意味の「殺伐」でも使う人によって、どれほど荒々しい状態なのかは異なります。 本来は、穏やかな雰囲気が全く感じられず、荒々しい状態を表す場合に「殺伐」を使います。「何かが勃発しそうなほど刺々しい」というニュアンスになります。 例えば、「地元はかなり治安が悪く、商店街もかなり殺伐としている」と表現するならば、まさにこの意味になります。 逆に、「4チャンか6チャンのどちらを見るか喧嘩になり、殺伐とした」「勝手にお菓子を食べて怒られ、殺伐とした」などと言う場合は、そこまで殺気立った状況ではありません。「雰囲気が少しピリッとする」「嫌な空気が流れる」といった具合になります。 言い回しとしては、
などとなります。
例文
「殺伐」を用いた表現だと「殺伐とした雰囲気」がよく使われます。「殺伐とした空気」とも言います。 「殺伐とした雰囲気」は「穏やかさがないピリピリとした雰囲気」ということです。 本来「殺伐とした雰囲気」の意味は、「悪い空気」「重苦しい空気」ということではなく、「一触即発の様子」「緊迫した様子」などと、きっかけがあればすぐにでも何かが起こりそうな緊張感漂っている様子を表します。
例文
「殺伐とした職場」もよく使われている表現です。 「殺伐とした職場」とは「仕事が忙しいせいでイライラしていたり、物事が上手くいかずに険悪なムードが漂っている職場」です。 「殺伐」を使うことによって、「ギスギスしていたり、ものものしい雰囲気」を表すことができます。 人にきつい言葉で当たったり、ミスを責め立ててしまうことが「殺伐とした職場」に繋がります。確かに、皆がピリピリとしていたりと社内の雰囲気が悪いと、やる気が削がれて自然と人もいなくなってしまいます。 なるべく笑顔で、相手のことを責めるのではなく褒めることを意識するのが良いでしょう。
「殺伐とした気持ち」とは「笑うことがままならず、人の顔さえ見るのに億劫さを感じる気持ち」です。 何か嫌なことが起きたり、気分が下がる出来事にあったときに「殺伐とした気持ち」になることが多いです。 一人で殺伐とした気持ちにはなることは少なく、だいたいは誰か相手がいる場合に「殺伐とした気持ち」になる傾向があります。人がいると、色々と気になることがあり殺気立ってしまうことがありますよね。 「殺伐とした気持ち」の時は、イライラしていたりモヤモヤしていたりと、雰囲気が悪い状態となります。 こういった時は人に八つ当たりするのではなく、自分で何か方法を見つけて解消するようにしましょう。
殺風景な (意味:景色などに面白みがなく、冷めてしまうこと) 「殺風景な景色が広がる」 荒涼とした (意味:荒れてい寂しくなるさま) 「荒涼たる荒地となっている」 とげとげしい (意味:行動や言葉遣いが汚く厳しいさま) 「そんなとげとげしい言い方をしなくても」 荒々しい (意味:粗末になっていること) 「なんて荒々しいやり方なのだろう」 ささくれな (意味:気持ちが荒れてとげとげしくなること) 「ささくれな気分となってしまう」 寒々とした (意味:何もなくてもの寂しいさま) 「寒々とした光景となっている」 酷薄さ (意味:ものすごく薄情であること) 「彼女の酷薄さには困ってしまう」 残忍さ (意味:ひどいことを平気でしてしまうこと) 「残忍の性格なんだね」 無残さ (意味:残酷なことをすること) 「無残にも人を切りつける」 残虐さ (意味:無慈悲でひどいことをすること) 「あまりの残虐さに目を背ける」 一触即発 (意味:少し触れただけでも何かかが起こりそうなこと) 「一触即発しそうな雰囲気が広がる」
ほのぼの (意味:人と心が温まること) 「生まれたばかりの犬をみてほのぼのとする」 和む (意味:心が穏やかになる) 「動物を見ると心が和む」 あたたまる (意味:気持ちがあったまること) 「優しく接してくれて心があたたまる」 安らぐ (意味:心が落ち着くこと) 「温泉に入って安らいだ」 穏やかな (意味:心が静かで落ち着いているさま) 「少し休んだだけで穏やかな気持ちになる」 ホッとする (意味:安心したり心が落ち着くこと) 「無事と聞いてホッとした」 落ち着く (意味:心が静まること) 「だんだんと落ち着いてきた」 ほんわか (意味:静かで心が和んでいるさま) 「お茶を飲んでほんわかとする」 癒される (意味:心のモヤモヤが消えること) 「可愛い子供に癒される」 呑気(のんき) (意味:性格や気持ちがのんびりとしていること) 「随分と呑気な人である」
「殺伐激越」の意味は「音や行動などが激しくて乱暴な様子」です。 「激越」は「気持ちや音声などがひどく高ぶっていて激しいこと」を意味します。 「荒々しいこと」を意味する「殺伐」と組み合わせることによって、「非常に調子こいているさま」を表します。 何か音がうるさくごちゃごちゃとした歌だったり、ものすごく大声で騒いでいる人などいますよね。 そういったものを「殺伐激越」と表現することができます。
例文
「殺伐とした雰囲気」の英語表現を考えてみましょう。 まずはじめに「雰囲気」は「atmosphere」を使えばよいです。 「殺伐とした」は和英辞典で調べてみると、
などが出てきます。 これらは「獰猛(どうもう)な、暴力的な」という、かなり強い意味を持つ単語なので、「atmosphere」と一緒に使うには、少し不自然です。物理的に殺人などが起きている環境ならば、あり得る表現でしょう。 代わりに、
などを使えばよいでしょう。これらの単語は「荒れていて寂しいさま」を表します。「殺伐とした雰囲気」という日本語にピッタリな単語になります。
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「殺伐」について理解できたでしょうか? ✔︎「殺伐」は「さつばつ」と読む ✔︎「殺伐」は「あたたかさや平穏さがなく、とげとげしいさま」を意味 ✔︎「殺伐」はちょっと空気が悪いという場合ではなく、何かが起こりそうなほど空気が悪いという場合に使う ✔︎「殺伐」の類語には、「とげとげしい」「荒涼とした」「荒々しい」などがある