「廉価」という言葉をご存知でしょうか。「廉価販売を行う」「廉価版のDVDで我慢する」などと聞いたことがあると思います。比較的よく見かける言葉ではありますが、具体的にはどのようなことを表しているのでしょうか。難しい漢字を使っているので誤って読んでいたり、間違った意味で使ってしまっている人もいます。言葉はとても難しいものなので、自分ではこういう意味だと思っている言葉でも、実は違っていたということが意外にも多く、恥をかくこともあります。そこで今回は「廉価」の意味や使い方、読み方、類語、「安価」との違いについて解説していきます。
「廉価」は<れんか>と読みます。 「けんか」「はいか」「かんか」などとは読まないので注意しましょう。 「廉」は音読みだと「レン」、訓読みだと「かど」と読みます。 「価」は音読みだと「カ」、訓読みだと「あたい」と読みます。
「廉価」の意味は「値段が安いこと。やすね。安価」です。 値段が安いこと・安くて手ごろな値段・品物の値段が安いさまを表します。 「廉」は「安い」、「価」は「物の値段・あたい」を意味します。 他にも、「廉」には「潔い・利に心が動かない・値がやすい・見極める」という意味が含まれます。 ちなみに、「廉」の字を用いた他の言葉には、「品物を安い価格で売る」を意味する「廉売(れんばい)や、「心が清らかで私欲がないこと」を意味する「清廉(せいれん)」などがあります。
「廉価」は少々改まった言葉なので、書き言葉として使うことが多いです。 「廉価」は「廉価に買えた」といったように使うよりも、「廉価販売する」「廉価な商品」といったように売り手側が使用することの多い言葉です。 「廉価」には「安価」や「安値」といったように、”安”という字が使われていないので「安い」という悪いイメージが他の言葉と比べてあまりつきません。 売り手側が多く使うことが多いのは、このことが理由であると言えるでしょう。
例文
「廉価販売」は<れんかはんばい>と読みます。 「廉価販売」は「安い価格で販売すること」を意味します。 他の言葉に言い換えると、「安売り」「セール」「タイムサービス」「大特売」などとなります。 「廉価販売コーナーを見てみる」「廉価販売を実施している」などと使います。 お店は、身を削って赤字覚悟の廉価販売を行うことで、ようやく客を店舗に呼び込めることができます。 また、似た言葉に「不当廉売(ふとうれんばい)」という言葉があります。 これは、「市場の健全な競争を阻害するほど不当に安い価格で商品を販売すること」を意味します。
「廉価版」は<れんかばん>と読みます。 「廉価版」とは「ある製品を普及の促進などの目的のために低価格化した商品」のことです。 低価格で入手できるようにした商品・付加的機能や装飾などを削減するなどとコストを抑えて、購入や利用しやすいようにした物になります。 「廉価版」として販売される商品は、パソコン・携帯電話・食品・ゲームソフト・家電などと様々です。 ちなみに、2013年に発売された”iPhone 5c” は同年にリリースされた”iPhone 5s”と比べて価格が安く、機能に違いもあったことから「廉価版iPhone」と言われました。 別名、「普及版(ふきゅうばん)」「低価格版(ていかかくばん)」などとも言います。 CDやDVDといったソフトウェアの場合は「廉価版」ではなく、「廉価盤」とも呼ばれます。
「廉価品」は<れんかひん>と読みます。 「廉価品」は「価格の安い商品」を表します。 単に価格が安いだけでなく、既に販売されている商品や製品と比較して原材料にかかるコストが低かったり、一部機能が制限されている商品ということになります。 「セール品」「安いもの」「特売品」などと言い換えることができます。 「廉価品を購入する」「廉価品や中古品のストリートマーケット行われる」などと使います。
「安価」は<あんか>と読みます。 「安価」の意味は「値段の安いこと。やすね。転じて、安っぽいこと。浅薄なこと」です。 「値段が安い」という意味では「廉価」と「安価」の違いはありません。 「安価」には他にも、「安価な同情」といったように「価値がないこと・浅薄なこと」に関しても使います。 しかし、「廉価」はそのような意味で使いません。 また、「安価」は「安価に買えた」といったように買い手側が使うことが多く、「廉価」は「廉価販売する」「廉価な商品」といったように売り手側が使うことが多いです。
例文
低廉<ていれん> (意味:金額が安いこと。また、そのさま) 「低廉なコストで事を進めることができる」 安い (意味:他に比べて、普通より値段が低いこと) 「給料が安くて不満が募る」 安値<やすね> (意味:値段の安いこと。安い値段) 「土地を安値で売り渡しする」 格安 (意味:値段が普通より特に安いこと。品質に比べて値段の安いこと) 「あの店では家電を格安で販売している」 安上がり (意味:安い値段で出来上がること。費用が安く済むこと) 「何とか安上がりに済ませようとする」 下直<げじき> (意味:値段の安いこと。また、そのさま) 徳用 (意味:値段のわりに利益のあること。安くて得なこと) 「徳用品を買い溜めしておく」 割りのよい (意味:他と比べたときの損得が良いこと) 「随分と割りの良い商売である」 リーズナブル (意味:論理などが妥当なさま。また、価格が手ごろなさま) 「リーズナブルな値段で購入できる」 チープ (意味:安いこと。安っぽいこと) 「自作の洋服のチープさに、自分でも驚く」
高価 (意味:値段が高いこと。価値が高いこと) 「この品物は大変高価である」 高い (意味:金額がかさむさま。ある金額に占める割合が大きいさま) 「このアクセサリーは高く売れるだろう」 高額 (意味:金額が大きいこと。また、そのさま) 「治療費がとても高額である」 割高 (意味:品質や分量に比して高価なこと) 「お花はばらで買うと割高になる」 上等 (意味:物の品質や出来栄えなどが、すぐれて良いこと) 「上等な品なので、手が出にくい」
「廉価」の英語表現を見ていきましょう。 「安い」を意味する最も一般的な英語は「cheap」になります。 「cheap」には、日本語の「安価」と同じで「安っぽい」というニュアンスも含みます。 「Cheap is cheap.(安価なものは、質も悪い)」という言い回しもあります。 「廉価」に近いニュアンスを持つ英語は、
などになります。
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「廉価」について理解できたでしょうか? ✔︎「廉価」は<れんか>と読む ✔︎「廉価」は「値段が安いこと。やすね。安価」という意味 ✔︎「廉価」という言葉は、売り手側が使用することが多い ✔︎「廉価」の類語には、「低廉」「格安」「安値」などがある