「触らぬ神に祟りなし」という言葉をご存知でしょうか。「触らぬ神に祟りなしだ」「触らぬ神に祟りなしと言う通り」などと使います。学校や職場において、「触らぬ神に祟りなし」という場面がよくありますよね。では、「触らぬ神に祟りなし」とはどのような意味なのでしょうか。聞いたことはあるけれど意味が分からない、全く聞いたことがないという人が多いかもしれません。適切に使うためには、意味を正しく知っておく必要があります。そこで今回は「触らぬ神に祟りなし」の意味や使い方、語源、類語、反対語について解説していきます。「触らぬ神に祟りなし」をきちんと覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「触らぬ神に祟りなし」は<さわらぬかみにたたりなし>と読みます。 「障らぬ神に祟りなし」「当たらぬ神に祟りなし」などとするのは間違いです。 「触らぬ神に祟りなし」の意味は「物事に関係しなければ、面倒なことに巻き込まれることはない」です。 余計なことをしなければ、災いを招かない・揉め事は傍観的に対応するのが一番ということを表します。 面倒な事に余計な首を突っ込むな、というたとえです。
「触らぬ神に祟りなし」は「尾張(大阪)いろはかるた」の一つです。 「触らぬ神に祟りなし」の「触る」は、「からだに触れる」という意味ではなく「関係を持つ」という意味です。 「祟り」は「神様や霊に対して悪い行いをしてしまった際に受ける咎めや災禍」を表します。 「いろいろな神様に対して自分から関わりを持たなければ、神様の祟りを受けたりはしない」というたとえからきています。 神様と関わり持つと、利益を得ることもあれば、祟りを受けることもあります。ですので、そもそも関わらなければ、祟りを受けることが無いからつながりを持たない方が良いというわけです。
何かトラブルやいざこざなど良くない事に巻き込まれそうになった時に、そっとしておくのが一番だという場合に「触らぬ神に祟りなし」を使います。 厄介な人、関わっても何の得にもならない人、何が起こるのか予想がつかないので避けることを表すときに用いるのが適します。 「触らぬ神に祟りなし」は、職場などの人間関係においてよく使います。 例えば、「今日の部長はご機嫌斜めだ。家庭がうまくいってないのだろう。触らぬ神に祟りなしと言うし、なるべく声は掛けないでおこう」と言ったりします。 こういった状態の時に、変に喋りかけると、理不尽に怒られたりイライラさせてしまったりします。そうしたことに巻き込まれてしまわないためにも、関わらないのが良いということを表します。 言い回しとしては、
などとなります。 「触らぬ神に罰あたらぬ」「知らぬ神に祟りなし」と言うこともあります。
例文
君子危うきに近寄らず (意味:しっかりしている人は、自分から危険を起こすような事をしない) 「あの男の本性を暴くなんて、君子危うきに近寄らずだ」 近づく神に罰当たる (意味:関係さえ持たなければ、災いが起こることはない) 「近づく神に罰当たると言うし、逃げてしまおう」 参らぬ仏に罰は当たらぬ (意味:関わりがなければ、トラブルには巻き込まれない) 「調子が悪いようだし声はかけない。参らぬ仏に罰は当たらぬだ」 当たらぬ蜂には刺されぬ (意味:自ら危険なことをしなければ、平気であること) 「当たらぬ蜂には刺されぬと言うし、関わらないのが一番だ」 触り三百 (意味:関わり合いを持つと、損害を受けること) 「触り三百で、無視するのが良い」 無用の神たたき (意味:関わりさえ持たなければ、無事であること) 「今日のキャプテンは機嫌が悪いから、無用の神たたきだね」 七日通る漆(うるし)も手に取らねばかぶれぬ (意味:面倒なことに関わらなければ、危険にあわないこと) 「七日通る漆も手に取らねばかぶれぬだし、彼には近づかない」 距離をおく (意味:交際相手と連絡をする機会を減らすこと) 「一旦距離をおくことも必要だ」 腰が引ける (意味:責任を取ることを怖がり、やり方が消極的になること) 「どうしても腰が引けてしまう」
寝た子を起こす (意味:忘れていた事を騒ぎ立てて、また問題を起こすこと) 「寝た子を起こすと言うように、もう忘れてしまおう」 藪(やぶ)をつついて蛇を出す (意味:不要な事をして、災いを受けること) 「そんな事をするなんて、まさに藪をつついて蛇を出すだ」 義を見てせざる勇無きなり (意味:当然するべきことと知りながら、行わないのは勇気がないから) 「義を見てせざる勇無きなりと言うし、実行してみないと」 息を吹き返させる (意味:一度死んだ人を、もう一度生き返らせること) 「息を吹き返させるなんて不可能だろう」 火に油を注ぐ (意味:勢いが強いものに、さらに勢いを加えるようなことをすること) 「君の発言は火に油を注いでいるよ」 首を突っ込む (意味:興味を持ち、その事に深入りすること) 「無駄に首を突っ込まない方が良い」 虎の尾を踏む (意味:かなり危険な事を起こすこと) 「虎の尾を踏むような馬鹿げた事をするな」 神経を逆撫でする (意味:相手の心情や周りの状況を考えないで、不快な行動をすること) 「なぜあなたは神経を逆撫でするような事をするの?」
「触らぬ神に祟りなし」と似ている英語のことわざに「Let sleeping dogs lie.」というフレーズがあります。 直訳すると「寝ている犬を起こすな」となります。これは「すでに起こっている面倒なことに自ら首を突っ込むべきではない」という意味になります。 その他にも、
などと表現することができます。 「ain't」は「is not」「are not」のスラング的な表現です。「broke」の箇所は本来「broken」ですが、スラング的に「broke」になっています。
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「触らぬ神に祟りなし」は座右の銘として使うことはできますが、消極的なイメージを伴うのであまりオススメできません。 「危険なものは避ける」という意味なので、面接など大事な場面で使うと良くない印象を与えてしまいます。