「木を見て森を見ず」という言葉をご存知でしょうか。「まさに木を見て森を見ずだ」「木を見て森を見ずだしね」などと言います。一度は耳にしたことがあることわざだと思います。日常会話でもビジネスシーンでも使われている言葉なので、しっかりと知っておきたいですよね。聞いたことはあるけれど意味は知らない、どのような場面で使えば良いか分からない、という方が多いかもしれません。そこで今回は「木を見て森を見ず」の意味や使い方、類語、反対語、具体例について解説していきます。「木を見て森を見ず」を適切に知って、上手く使えるようにしましょう!
「木を見て森を見ず」の意味は「細かい部分にこだわりすぎて、大きく全体や本質をつかまないこと」です。 一部や細部にとらわれすぎて全体に注意を向けず、物事をおろそかにしている状況を表します。 小さいことだけに心を奪われていて、全体を把握できていないことのたとえです。
ヨーロッパで昔から使われていることわざが由来となります。 ドイツ・イギリス・フランス・ロシアなどでは、「木はしばしば森を隠す」「木を見ているものは森を見ることができない」ということわざがあります。 「一本の木に注目しているあまり、森全体を見ることを忘れてしまうこと。一本の木を見ていて、他の木を見ていないこと」という意味です。 こうしたことわざが流れてきて、日本でも「木を見て森を見ず」という表現が使われるようになりました。
「木を見て森を見ず」は目の前にあることしか見えていない、周りのことが見えていないことを表す場合に使います。 ビジネスシーンにおいては、自分の目先の利益にとらわれすぎて、会社の方向性などを見失っている場合に使われます。 使用場面としては、「自分の得や目的を優先し、グループ全体に迷惑をかける」「組織が自衛のために、他のものに影響を及ぼすこと」などとなります。 例えば、「儲けを伸ばすことだけを考えて、サービスの質や商品の質を考えなくなる」ということになってしまうと、会社のイメージダウンに繋がってしまうでしょう。 考えや行動に関しての反省や後悔として使うことが多いです。 「木を見て森を見ず」はマイナスなイメージを伴って用いますが、一部に集中することを批判しているのではなく、物事を上手く進めるためには全体のバランスを考えることが大事である、という教訓となっています。 言い回しとしては、
などとなります。
例文
「木を見て森を見ず」の具体的な例について紹介します。
木を数えて林を忘れる (意味:細かい部分にとらわれて、全体を見ることを忘れること) 「木を数えて林を忘れては駄目だよ」 鹿を追う者は山を見ず (意味:あることだけに夢中になり、他のものが見えていないこと) 「鹿を追う者は山を見ずでは、成功できない」 獣をおう者は目に太山を見ず (意味:目の前の利益だけを考えているようでは、周囲の状況に気付くはずがない) 「彼は獣をおう者は目に太山を見ずだから、失敗したんだよ」 金を掴むものは人を見ず (意味:ある事だけに熱中しているものは、他のものが見えないこと) 「金を掴むものは人を見ずだし、全体を見ないと」 木っ端を拾うて材木を流す (意味:小さい物事に熱中して、肝心なことで失敗すること) 「木っ端を拾うて材木を流すだし、もっと大きくものを見ないと」 菜園作りの野良荒らし (意味:細かいものに時間をかけ、大きなものには適当になること) 「菜園作りの野良荒らしだし、もっと大きな枠で考えないと」 あべこべ (意味:仕事や手順が普通とは違っていること) 「物事の手順があべこべとなっていて複雑だ」 錯誤 (意味:事実と認識が一致しないこと) 「君は時代錯誤に陥っているね」 本末転倒 (意味:根本的な事柄とある事柄を取り間違えること) 「アルバイトに専念してしまい、学業を怠るのは本末転倒だよ」
鹿を逐う者は兎を顧みず (意味:大きな利益を得ることに熱中している人は他のことを見ていないこと) 「鹿を逐う者は兎を顧みずだし、小さいこともコツコツやらないと」 森を見て木を見ず (意味:全体を見ているが小さいことを気にしないこと) 「森を見て木を見ずではなく、細かいことも気にするように」 大行は細謹を顧みず(たいこうはさいきんをかえりみず) (意味:大成功を遂げようとする人は、小さいことを気にせずに物事をすること) 「大行は細謹を顧みずだから、小さいことにも注意を払おう」 鷲は蠅を捕らえず(わしははえをとらえず) (意味:大物は小さいことを気にしないこと) 「ここの部分に気づかなかったのね。まさに鷲は蠅を捕らえずだ」 大人は大耳(たいじんはおおみみ) (意味:優秀な人は聞く態度も大らかで、小事をいちいち気にしないこと) 「流石大人は大耳で、あの人は小言を気にしていない」 小の虫を殺して大の虫を助ける (意味:小さなことは無駄にしても、重要なことを守る) 「まさしく小の虫を殺して大の虫を助けるだね」
「木を見て森を見ず」を直訳した「can't see the wood for the trees」も英語で慣用表現として存在しています。 その他にも、こんな言い回しをすれば意味が通じます。
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「木を見て森を見ず」について理解できたでしょうか? ✔︎「木を見て森を見ず」は「細かい部分にこだわりすぎて、大きく全体や本質をつかまないこと」を意味 ✔︎「木を見て森を見ず」は反省や後悔として使うことが多い ✔︎「木を見て森を見ず」の類語には、「木を数えて林を忘れる」「菜園作りの野良荒らし」などがある ✔︎「木を見て森を見ず」の反対語は、「大行は細謹を顧みず」「森を見て木を見ず」などがある