「せざるを得ない」という言葉をご存知でしょうか。「中止せざるを得ない」「反対せざるを得ない」などと使います。なんとなく聞き覚えがある言葉ですよね。ただ、「せざるを得ない」を使いたい場合に、「せざるをえない」か「せざるをおえない」かと迷ってしまうことはありませんか。どちらが正しいのか、いまいち分からないという方が多いと思います。正しく言葉を使うためには、意味についてしっかりと理解する必要があります。そこで今回は「せざるを得ない」の意味や使い方、類語について解説していきます。「せざるを得ない」を適切に覚えて、上手く使えるようにしましょう!
正しくは「せざるを得ない」です。 品詞を分けると「せざる+を+得ない」が正しくなります。 「せざる+おえない」は誤りとなります。「せざるを負えない」「せざるを追えない」「せざるを終えない」と書くのは全て間違いです。 音が同じである「を」と「お」を混同したことから、「せざるをおえない」と誤用する人が増えてきました。 それでは、「せざるを得ない」の意味と使い方を例文付きで見ていきましょう。
「せざるを得ない」は「ある物事をしなければならない。しないわけにはいかない」という意味です。 「せざるを得ない」は、
で成り立っています。 「せざる」は「〜しない」、「得ない」は「〜できない」と不可能の意を表します。 二重否定となるので、「〜しないことはできない」=「〜しなければいけない」という意味になります。 「◯◯せざるを得ない」という形で使います。 例えば、「大雨のための、花火大会は中止せざるを得ない」と言った場合は「大雨が降っているので、花火大会は中止しなければいけない」という意味になります。 このように、「せざるを得ない」は不本意ながらも状態や状況からそうしなければだめだ、という場合に使います。 「せざるを得ない」はビジネスシーンでも使うことができ、何かを断らなくてはいけない場合に「断念せざるを得ません」などと言います。
などなど、色々な動詞と組み合わせて使うことが可能です。
「せざるを得ない」の例文を紹介します。
せねばならない (意味:そうするしか他に方法がない) 「あの人がそう言うなら、賛成せねばならない」 余儀なくされる (意味:他の方法がないこと) 「辞退を余儀なくされる」 止むを得ない (意味:他にはどうしようもないこと) 「徹底も止むを得ないだろう」 仕方がない (意味:そうするしかどうしようもないこと) 「仕方がないが、そのやり方で進めなければ」 不可避の (意味:それを避けることができない) 「このままだと追突は不可避のことだと思う」 他に打つ手がない (意味:その他に行うべき良い対策がないこと) 「他に打つ手がないので、こうするしかない」 免れ得ない (意味:不本意ではあるが、そうするしかないこと) 「この天気だと中止を免れ得ないだろう」 詮方ない(せんかたない) (意味:他に良い方法がないこと) 「この案でいくしか詮方ない」 そうする他ない (意味:選択肢がなく、本意ではないがそうするしかないこと) 「もう断念するしか、そうする他ない」 抑えがたい (意味:抑制することができないこと) 「抑えがたい意欲に駆られたものの、我慢する」 癖になっている (意味:やめられないと思い繰り返すさま) 「爪を噛むことが癖になっている」 暴走気味の (意味:何度も行いたいと繰り返すさま) 「暴走気味の傾向がある」
「せざるを得ない」の英語表現を見ていきましょう。 「しなければならない」を意味する、
などを言っても、ほぼ同じ意味になります。 より「せざるを得ない」のニュアンスに近づけるには、 have no chicce but to... になります。「...する以外に選択肢はない」という意味合いが強調されます。
The midterm exam is coming next week, so I have no choice but to study.
来週中間テストなので、勉強せざるを得ない。
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「せざるを得ない」について理解できたでしょうか? ✔︎「せざるを得ない」は正しく、「せざるを負えない」とするのは間違い ✔︎「せざるを得ない」は「ある物事をしなければならない。しないわけにはいかない」という意味 ✔︎「中止せざるを得ない」「練習せざるを得ない」「辞任せざるを得ない」などと使う ✔︎「せざるを得ない」の類語には、「せねばならない」「仕方がない」「そうする他ない」などがある