「潮時」という言葉をご存知でしょうか。釣りや潮干狩りを趣味としている人は聞き覚えがありますよね。「潮時」は日常会話でも、「そろそろ潮時だ」「物事の潮時」などと使います。よく使われている言葉ですが、「潮時」は誤用されることが多い表現の一つです。ほとんどの人が間違った意味で使ってしまっています。では、「潮時」は本来どのような意味を表しているのでしょうか。どのような使い方をするのか。疑問に思います。そこで今回は「潮時」の意味や正しい使い方、類語、対義語について解説していきます。「潮時」を適切に覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「潮時」は「しおどき」と読みます。 「潮」は音読みだと「チョウ」、訓読みだと「しお・うしお」と読みます。 「潮」は「海水の干満。海水の流れ。しお」を意味します。 「時」は音読みだと「ジ」、訓読みだと「とき」と読みます。 「時」は「月日の移りかわり。その間の一点。とき」を意味します。 「潮時」の意味は、 1. 潮の満ち引きが発生する時間帯 2. 物事を開始したりやめたりするのに一番よいタイミング の2になります。 1の意味では「潮水の差し引きする時刻。潮が満ちたり引いたりするとき」を表します。 「潮時に合った釣り」「満潮の潮時にかかる」などと言います。 2の意味では「ある事をするための、ちょうど良い時期。好機」を表します。 『ちょうど今が絶好のチャンスだ!』『絶妙なタイミングだ!』というニュアンスになります。
多くの人が「潮時」を「本位ではないが物事をやめるべきタイミング」という意味で誤用しています。 「潮時」は「物事をやめるとき」にも使うことはできますが、あくまでも「良いタイミング」というニュアンスです。 本来「潮時」にはネガティブな意味合いはありません。ポジティブな意味でのみ使います。 いくつか例を挙げて説明しましょう。 「この事業は潮時かな」といった場合、「事業を始めるには良い機会」または「辞めるには良い機会」の2つの意味になります。 どちらの意味にせよ、ポジティブなニュアンスになります。 他の例では、「潮時」はスポーツ選手が引退するときなどに聞くことが多いと思います。 「私はプロの選手としてそろそろ潮時だと思う」などと聞きますよね。 これは「引退するのにちょうど良い機会」という意味になります。 「引退」と言葉がマイナスな意味合いがあるため、「本当は引退したくないが、引退しなければならない時期」という意味で解釈してしまう人がいるのが、誤解・誤用されている原因になります。 恋愛においても「恋愛関係の潮時」「カップルの潮時」などと言います。 このように言うこと自体は可能です。「カップルの潮時」と言った場合は「別れるのに良い時期だ」というのが本来の意味です。 上記の例でも同じですが、「別れる」という言葉自体がマイナスなイメージがあるので、「本当は別れたくないけど別れないといけない時期だ」と誤解・誤用されています。 「潮時」は「良いタイミング」という意味なので、本来は「結婚の潮時を待つ」などと婚約や結婚に絶好の時期という意味で使うことができます。 言い回しとしては、
などとなります。
例文
元々「潮時」は「潮が満ちたり引いたりするとき」を意味していました。 潮が満ちている時が一番漁に出るタイミングとして完璧なことから、「潮時」=「物事をはじめるのに最適な時間」という意味で広く使われるようになりました。 潮が段々と満ちていくことが「上げ潮」で、止まってからは「引き潮」となります。 上がっては下がるということを繰り返しますが、その瞬間を「潮時」と言います。 潮の満ち引きのタイミングを知っておくと、潮干狩りを楽しむことができます。 漁師も、満ち引きの絶好の時機を知っておかないと、大漁のチャンスを得ることができません。 このように、昔は満ち引きのタイミングを知らないと漁による生計を立てられなかったのです。 「潮時」は漁師の間でよく使われている言葉でしたが、最近では一般的に使われています。
「チャンス」は「機会。好機。あることをするのに絶好の時期」を意味します。 「好機」は「良い機会。またとない良い折り」を意味します。 『今がチャンス!』『一生に一度の好機が到来!』などと言いますよね。 「チャンス」や「好機」以外にも類語があるので紹介します。 到来 (意味:機運などの向いてくること。こちらへやってくること) 「ついに計画を実行するチャンスが到来した」 転機 (意味:他の状態や状況にかわる機会。転換の時機) 「人生の転機を迎える」 勝負どころ (意味:勝利への展開をもたらす重要な局面) 「うっかりしていたら勝負どころを逸するよ」 頃合い (意味:適当な時機。好機) 「頃合いを見計らって席を外す」 時機 (意味:適当な機会。ちょうど良いとき) 「時機を伺って、行動に移そう」 折り (意味:機会。その際。場合) 「折を見て、出掛けることにしよう」 千載一遇<せんざいいちぐう> (意味:千年に一回しかあえないようなめったにないこと) 「もしかしてこれは千載一遇のチャンスでは」 旬 (意味:物事を行うのに適した時期) 「物事を始めるには今が旬だろう」
「引き際」は「引きしりぞく時。特に、現在ついている地位から身を引くとき」です。 「やめ時」は「物事を終わらせるのに適した時期のこと」です。 「引き際が肝心だ」「もうそろそろやめ時だろう」などと使います。 「引き際」や「やめ時」は「潮時」と違い、『もう終わりだろう』『やめるときだ』と物事の終わりの時期を表す時に使います。 「引き際」や「やめ時」以外にも、「物事の終わり」を意味する言葉があるので紹介します。 退きどき (意味:身を引くのに適しているとき) 「もう自分は退きどきだろう」 往生際<おうじょうぎわ> (意味:死に際。ギリギリのところまで追い詰められたとき) 「君は本当に往生際が悪いよ」 はなれ際 (意味:はなれるときが適していること) 「衰えてきたし、そろそろはなれ際だろう」
「潮時」は、
などになります。 例文です。
I think that now is the perfect timing for me to retire.
今が引退するのが潮時だと思います。
You should find the best timing of taking actions.
行動を起こす潮時を見計らうべきだ。
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「潮時」について理解できたでしょうか? ✔︎「潮時」は「しおどき」と読む ✔︎「潮時」は「物事を開始するのに一番よいタイミング」を意味 ✔︎「潮時」を「何かをやめるのには適している時期」という意味で使うのは間違い ✔︎「潮時」の類語には、「チャンス」「到来」「頃合い」などがある