「したたかな男」という言葉をご存知でしょうか。「したたか」と聞くと、悪イメージを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。しかし、「したたかな男」の場合、褒め言葉であることも多いです。今回は「したたかな男」の正しい意味や、「したたかな男」の特徴について解説します。また、言い換え表現や英語表現も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「したたか」という言葉を聞くと、悪い意味の言葉というイメージが強いのではないでしょうか。 しかし、「したたか」の本来の意味は、「強くで用意には屈しない様子」です。 情に流されず、自分の意志を貫く強さや粘り強さを表現した言葉で、「したたかな人」とは本来「社会的に強い人」を指します。 特徴にはポジティブな面とネガティブな面の両方があり、後者にフォーカスした結果、マイナスなニュアンスで使われることが一般化してきた背景があります。
「したたかな男」は、「賢い男、世渡り上手な男性」というように、ポジティブな意味合いで使用されることが多いです。 「したたかな女」からは、計算高い・腹黒いといった嫌な印象をうけることが多いですが、男性の場合の「したたか」は、どちらかというと、「仕事ができるいい男」というイメージをうけます。 仕事をしていくうえで、「したたかな男」は成功者に多く女性からも魅力的に見えることがほとんどです。
上記で説明した通り、「したたか」は本来よい意味で使われていましたが、近年は「ずる賢い」「狡猾(こうかつ)」「あざとい」「腹黒い」などの意味合いで悪口して使われることが増えてきました。 とくに「したたかな女」は、特に計算高く男性に対して媚をうっているような女性に対して「あざとい」や「腹黒い」といったマイナスなニュアンスを含んで表現されている言葉です。 しかし、「したたかな女」の文字通りな意味は「社会的に強い女性」を指します。 しっかりとしていて、自立できているということを表現しているのですが、「したたかな女性が職場にいて嫌いだ」「したたかな女とは結婚したくない」などとネガテイブに捉える人(主に男性)が多く、そこから「したたか」=「ずる賢い」という意味に変化してきたと考えられます。
「したたかな男」は、ブレない芯を持っています。 自分の目的や、こうなりたいという意志をしっかりともっているので、明確な目標をたてて、きちんと目標に向かって行動をすることができます。 周りの人に何を言われても、自分の意志を曲げることはありません。 ブレない芯をもっているので、何がおきても自分が今どうするべきであるのか冷静に判断することができます。
「したたかな男」は、自分に関わる人に対しての印象操作が上手いです。 「印象操作」とは、相手に与える情報を取捨選択し、状況に合わせた伝え方をすることで相手が受け取る印象を制御しようとすることをいいます。 「したたかな人」は、自分にとって都合のいい情報を相手に上手いように流し相手からの信頼を得たりすることができます。 実際に仕事ができる・できないは関係なしに「この人はすごい人なんだな」と思わせてしまうので「したたかな男」の持っているすごい能力です。
「したたかな男」は、周りからの評価を得ているので、人を使うことができます。 自分がすごいなと思っている人に「あなたにしか頼めません」というような言い方でお願いごとをされたら聞いてしまいますよね。 「したたかな男」は巧みな話術と元から得ている信頼を利用して人を動かしていくことができます。 悪いように言えば「人を利用している」ということですが、「したたかな男」は相手が嫌な気持ちにならないような頼み方・人との接し方を熟知しているのです。
「したたかな男」には、厚い人望があります。 ブレない芯をもち、周りからの評価を得ている、仕事ができるということは、「この人にならついていける」と思われるので、自然と人が周りにあつまってきます。 そして、頼まずとも自分のために力になってくれる人が大勢いるのです。 仕事以外のプライベートの付き合いも上手にしていくことができ、人々から慕われています。 こうした人間関係の構築が、さらに周りからの信頼をうんでいき様々なチャンスをつかむことができます。
「したたかな」男は、自分に自信があります。 自信があるからこそ、ぶれない芯をもっていることができるのです。 周りの人に協力を仰ぐ場面で、自信がないような素振りを見せられたら不安になってしまいますよね? 「したたかな男」は自信をもち、いつでもはっきりとした口調で話すことが特徴です。
「したたかな男」は、聞き上手で、「なるほど」と相手に言っていることを受け入れる姿勢を忘れません。 例え、自分と意見が違ったとしても「なるほど」と一度納得する様子相手に見せて、その後で、自分の意見を相手が不快にならないように伝えます。 最初から「それは違う」と思っている場合や興味のない話には、「なるほど」「なるほど」と相づちを打ちながら半分は聞いてないなんてこともあります。
「したたかな男」はブレない芯をもっているので、「やはり○○のようだ」といったように、自分の意見を自信をもって伝えることができます。 つまり、自分の意見や判断が正しかったことを誇示する傾向があるということです。 自信がない人よりも、はっきりと自信をもって「こうだと考えている」と伝えられる人のほうが、とくにビジネスシーンでは好まれます。
「つまり」「要するに」も、自信の表れで、自分に自信があるからこそ結果を要約して「つまり〜ということです」と伝える傾向にあります。 結果を要約できるということは、リーダー気質であるということであり、周りの人たちをまとめる能力があるということです。
「したたか類語」は、「タフ」「たくましい」「強健」「強壮」「元気盛ん」「しぶとい」などがあります。
「タフ」は、「頑丈なさま」という意味の言葉で、「強い体力と不屈な精神力を備えている様子」を言い表した言葉です。 例文
「たくましい」は「意志が強くでくじけない」という精神や、「力強く頼もしい・活力に満ちあふれている」という状態を言い表す言葉です。 例文
「強健」は、「体が強くて丈夫なこと」という意味の言葉です。 例文
「強壮」は、「体が元気で丈夫」ということを表現した言葉です。 また、「心身がともに強く、盛んであること」をいう意味合いで使用されることもあります。 例文
「元気」は、「心身の活動と源となる力」という意味です。 体の調子やよく健康であることを「元気がある」というように表現しています。 「盛ん」は、「普通より勢いがいい・栄える様子」を表現した言葉です。 つまり「元気盛ん」で、「健康体で勢いがいい様子」を表現することができます。 例文
「しぶとい」は、「強情で、困難に負けない粘り強さ」と表現した言葉です。 我慢強く、ちょっとやそっとのことではへこたれないといった意味で使用されます。 例文
「したたかな男」の言い換えは「壮漢」です。 「壮漢」は、「そうかん」と読みます。 「壮漢」の意味は、「元気盛んな男」で、「勇ましく、元気盛んな男性」を表現した言葉です。
例文
「したたか」の元の意味である、「手強い」というニュアンスならば、「difficult to deal with」をよく使います。 直訳すると「扱うのが難しい」になります。 また、形容詞「formidable」でも「手強い、手に負えない」という意味になります。 敵や問題などを修飾します。
John is difficult to deal with.
ジョンはしたたかな男だ。
He is such a formidable man.
彼はとてもしたたかな男だ。
「あざとい、ずる賢い」という意味の英語は「clever」が一番近いでしょう。 単に「かしこい」という意味ならば「smart」です。 「知能が高い」という意味ならば「intelligent」になります。
He is so clever that she got promoted faster than any colleagues.
彼はしたたかなので、どの同期よりも早く出世した。
「したたかな男」について理解していただけましたか? ✓「したたか」の本来の意味は「強くて容易には屈しない様子」 ✓「したたかな男」は「賢い男、世渡り上手な男性」などとポジティブに捉えられることが多い ✓「したたかな女」だと悪口の場合がほとんどなので注意 ✓「しうたたかな男」の言い換えは「タフ」「たくましい」など