「小職」という言葉を知っていますか? 敬語の一つでビジネスシーンなどでも使われていますが、正しく理解していないと相手に不快感を与えてしまう場合があります。 今回はその「小職」について解説していきます。 正しい読み方、意味、使い方を例文付きで解説します。 また類語である「小生」「当職」「当方」「下名」「弊職」との違いも解説します。 また英語も紹介します。 社会人としてしっかりと理解し正しく使いましょう。
「小職」は「しょうしょく」と読みます。 「こしょく」と読むのは誤りなので気を付けましょう。 同じ読みの漢字に「少食・小食」もありますが、全く違う意味となります。 では「小職」とはどういった意味があるのでしょうか?
「小職」は「私=自分自身」のことをへりくだって言う言葉で第一人称として使われています。自分の立場をへりくだることで相手に敬意を示す表現です。 この「小職」は位の高い人が自分の立場を謙って使用する言葉になっています。 元々は官職(国家公務員)が使用していた言葉でしたが、現在では一般社会でも使われるようになりました。主にIT企業IBMや大手商社の社員が「小職」と言う言葉を多く使用しています。 また民間企業では取締役、部長、課長などの管理職に従事するくらいのある人が使用しています。 そのため平社員などが使うのは不自然となるので使わないようにしましょう。 さらに堅苦しく、形式ばった印象を与える可能性があるのでその点でも注意が必要となります。先程も言いましたが、本来「小職」は位の高い人が自分の立場をへりくだって使う言葉です。そのため「小職」を使うことによって相手に「自分は偉い」と言っているという印象を与えることもあるので気を付けましょう。
それでは「小職」を使った例文を紹介したいと思います。 第一人称ですので「私」に置き換えられる文章になっています。
「小職まで連絡をお願いいたします」 「小職はこう思うのですが、どうでしょうか?」 「小職は埼玉在住なので、その地域には詳しいです」 「まだまだ未熟な小職ではありますが、今後ともよろしくお願いいたします」
自分をへりくだった表現は他にもあるので紹介したいと思います。
「小生」は「男性が自分をへりくだっていう言葉」で、大抵は手紙などで使用され口語ではあまり使用されません。 「小職」は男女共に使用する言葉ですが「小生」は男性が使う言葉のため、女性は使用しません。 「小生」は自分が偉いことを前提に「自分と同等か、目下の人に対して自分をへりくだって使う言葉」であるため、目上の相手に使うと「無礼者」「生意気」と思われてしまう可能性があります。 たとえ相手が同等もしくは目下の者であっても、ビジネスシーンで「小生」という言葉を用いることで「相手が目下の者だ」と暗示するのは失礼に当たるので使うべきではありません。 「小生」を使った例文を紹介します。
「何かご不明な点がありましたら、小生までご連絡下さい」 「小生も変わりなく過ごしております」
「当職」は主に弁護士の第一人称として使用されています。 弁護士以外にも司法書士や弁理士などは使う場合もあります。弁護士など決まった職業の人が使う一人称なので、一般的な会社員が使用するのには適していません。 「当職」という言葉は一般的に馴染みがないため、弁護士や弁理士のなかでも懐疑的に思う人もいる。 「小職」との違いは、「当職」は謙譲語ではないという点です。 「当職」は弁護士などの決まった職業の人が一人称として使う以外にも、文字通り「この職業」「現在携わっている職」という意味もあります。 「当職」を使った例文を見てみましょう。
○「当職」=「弁護士などの第一人称」という意味の場合 「資料の提出は当職までお願いします」 ○「当職」=「この職業」という意味の場合 「当職の問題点は給与が低いところです」
「弊職」とは「その職務についている自分自身をへりくだる言葉」を意味しています。 「弊職」とは「弊社(自分の属する会社の謙称)」と「小職(官職が用いる一人称)」を合わせた造語とも言われており、一般的に用いられる表現ではないという見方もあります。造語であるため「弊職」という言葉はビジネスシーンでは避けたほうが無難でしょう。
「下名」とは「自分をへりくだっていう言葉」として使われています。 男女共に職業の違い関係なく使用できるので、ビジネスメールでも幅広く用いられる表現です。 「下名」は謙譲表現で堅苦しい印象を与えてしまう可能性もあるので注意が必要です。 「下名」と「小職」は共に「自分をへりくっだていう謙譲語」なのでビジネスシーンでの使い方に違いはありません。
「下名は明朝9時頃そちらに伺う予定です」 「ご連絡は下名の方までお願いいたします」
「当方」とは 「こちら」「わが方」「自分の所属する組織 」 「私たち」を意味しています。 ビジネスシーンでは自分が所属している組織や会社を指す場合に使用します。一人称としての「当方」の使用は誤りになります。 「当方」は他の組織と比較して「自分の属している組織」を示す言葉なので、同じグループ内で使用するのは不自然です。 ビジネスシーンでは、一般的な企業や法人では「弊社」か「当社」、銀行であれば「弊行」「当行」「弊店」、もしくは単純に「私ども」などで言い換えることができます。その中で普通の会社を指す場合は「弊社」を使用することが最も一般的で、「当方」を用いることは少ないです。「当方」を使用するときは、対応者が確定していない場合などで、相手先から連絡があり、こちら側の誰が対応するか判明していないときに「当方よりご連絡いたします」といったふうに使います。 「当方」の対義語は「先方(せんぽう)」です。こちらは多く使用されており、「先方へ確認のメールを送っといて」といったふうに第三者を指す場合が一般的に知られています。「当方」と違い「先方」は第三者が具体的にわからないため自然と使用回数が多くなります。
「当方にて確認中なので、少々お待ち下さい」 「判明でき次第、当方よりご連絡いたします」
英語に謙譲語は存在しません。 「小職」は「私」の意味ですから「I」を使います。
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自分を表す表現として「小職」「小生」「当職」「弊職」「下名」「当方」について見てきましたが、それぞれに利点・欠点があります。 ビジネスシーンで自分を表現するには、一般的に使用されていて誰にでも伝わる「私」を使うことが一番無難です。「私」だと失礼に値するのではと思うかもしれませんが、その心配はありません。むしろ相手に自然な印象を与えることができます。 自分を表す言葉は多くあり、砕けた表現だと「俺」「僕」「自分の名前」を使っている場合もあります。それらの言葉の意味をしっかり理解し、その言葉を使う場所や相手に配慮して使用することが大切です。