「息災」という言葉をご存知でしょうか。「息災なく」「ご息災でしたか」などと聞き覚えがあると思います。「息災」は敬語として使うことができる言葉です。比較的よく使われる言葉ではありますが、意味についてしっかりと理解しているでしょうか。何となく言葉の雰囲気から適当に使ってしまっているという人も多いかと思います。言葉を正しく使うためには、意味を適切に知っておく必要があります。また、「息災ですか」などと言われた場合、何と答えれば良いか迷ってしまいますよね。ここでは返事の仕方についても紹介します。そこで今回は「息災」の意味や使い方、語源、類語について解説していきます。
「息災」は<そくさい>と読みます。 「息」は音読みだと「ソク」、訓読みだと「いき・やすむ・いこう」と読みます。 「息」は「やむ。しずめる」を意味します。 「災」は音読みだと「サイ」、訓読みだと「わざわい」と読みます。 「災」は「自然に起こる悪い出来事。生活を損なう出来事」を意味します。 「息災」の意味は、 1.仏の力によって災害や病気などの災いを消滅させること 2.身にさわりのないこと。達者。無事 です。 何事もなく達者であるさま・病気をしないで元気にしているさま・無事である様子を表します。
元々「息災」は仏教用語です。 サンスクリット語のシャーンティカ扇底迦(せんていきゃ)の訳とされていて、密教においての一つの修行法を指します。 修行には、天災や病気を除くという意味の他に、修行する人の煩悩も除くという意味も含まれます。 「息」は「やむ。しずめる」意を表します。「息災」は神仏の力によって生きて生きているもの全ての災いを留めて、罪を除いて、苦を消して、安定させることを表していました。 そこから転じて、「病気をせずに、元気でいるさま」という意味で「息災」が使われるようになりました。
「息災」には上記で説明したように、2つの意味があります。 主に2つ目の「身にさわりのないこと。病気をしないで元気にしているさま。達者」という意味で「息災」を使うことが多いです。 「息災」は個人的なかしこまった文章で使います。自分に対しても、相手に対しても用いることができます。 例えば、「息災でいらっしゃいますか」といった場合は「お元気でいらっしゃいますか」という意味になります。 「私は息災に過ごしております」だったら「私は病気をすることなく、元気に過ごしいます」ということです。 言い回しとしては、
などとなります。 敬語では尊敬語の接頭語「ご」をつけて「ご息災」の形で使います。漢字だと「御息災」と書きます。 「ご息災」とすると「呑気で、物事に無頓着なこと」という意味も含まれますが、こちらの意味ではほぼ使いません。
例文
「無病息災」は「まったく病気をせずに、健康であること」です。 「無病」は「病気をしないこと。達者。壮健」を意味します。 「息災」は「身にさわりのないこと」を意味します。 病気を一切することなく、災難にもあわずに、健康で元気に暮らしていることを表します。 健康に関しての祈願などでは「無病息災」が使われることが多いです。
例文
「無事息災」とは「病気や事故といった災いの心配事がなく、平穏に暮らすこと」です。 「無事」は「危険・災害・大過などが起こらない状態」を意味します。 「息災」は「身にさわりのないこと」を意味します。 穏やかで特に変わったことがない様子・何事も起きることなく達者でいることを表します。 「無事息災を祈る」「無事息災そうである」「無事息災な姿」などと使います。
例文
「一病息災」とは「持病が一つぐらいある方が、無病の人よりも健康に注意して、かえって長生きでいること」です。 「一病」は「一つの病気」を表します。 「息災」は「身にさわりのないこと」を意味します。 病気を持っている人の方が健康に気を使っているため、病気を持っていない人よりも長生きすることを表します。 何か持病はあるけれども、健康的に生きているという場合に「一病息災」を使います。
例文
「足手息災」とは「健康であること。体が丈夫であること」です。 「足手」は「足と手。てあし。また、身体」を意味します。 「息災」は「身にさわりのないこと」を意味します。 身体が頑丈である様子・病気になることなく元気なさまを表します。
例文
相手から、手紙やメールなどで「ご息災でしたか」「息災でしょうか」などと聞かれることがありますよね。 では、そんなときは何て返事をするのが適当なのでしょうか。 例えば、「ご息災でいらっしゃいますか」と相手から聞かれた場合は、
などと返事をするのが良いでしょう。 「お元気ですか」と聞かれているので、「ありがとうございます」と返事をするのはおかしいですよね。 ですので、「元気にしています」という旨の言葉を返すのが適切です。 他にも、
などと返すこともできます。 また、「はい、おかげさまで元気に過ごしております。◯◯さんもお元気でしたか?」「そちらはいかがですか?」といったように、自分の調子を答えた後に、相手の調子を伺うのも好印象となります。
健在 (意味:元気で暮らしていること。壮健であること) 「祖父母は健在ですよ」 無事 (意味:取り立てて言うほどの変わったことのないこと) 「無事にお過ごしと存じ上げます」 健全 (意味:心身ともに健やかで異常のないこと) 「健全な成長を遂げています」 老健 (意味:年をとっても身体の健康なこと) 「叔母は未だに老健である」 達者 (意味:からだの丈夫なこと。壮健) 「あそこの家のおばあちゃんは達者だな」 健康 (意味:身体に悪いところがなく、心身が健やかなこと) 「健康を第一に過ごす」 病気知らず (意味:体調がよく健康であるさま) 「いつまでも変わらない病気知らずの体を作る」 剛健 (意味:たくましく健やかなこよ。強くてしっかりしていること) 「なんて剛健な男性だろう」 健やか (意味:病気をせず、からだの丈夫なこと) 「息子は健やかに成長した」 元気 (意味:健康で勢いの良いこと) 「お元気にしているでしょうか」
「息災延命」「延命息災」とは「わざわいを取り去り、いのちをのべること」です。 寿命を延ばして、災いを取り除くこと・わざわいを無くして、無事に長生きすることを表します。 「息災」は「身にさわりのないこと」、「延命」は「いのちをのばすこと」を意味します。 「息災延命を祈る」「延命息災を願う」などと使います。 このように、「息災絵延命」と「延命息災」は仏や神に毎日何事もなく、平穏に過ごすことを祈る言葉です。
例文
「息災日(そくさいにち)」とは「暦の上で何事にも吉であるという日」です。 春は巳の日、夏は申の日、秋は辰の日、冬は酉の日となります。「息災日」はとても縁起のいい日だと言われています。 「巳の日(みのひ)」==> 十二支の巳に当たる日 「申の日(さるのひ)」==> 十二支の申に当たる日 「辰の日(たつのひ)」==> 十二支の辰に当たる日 「酉の日(とりのひ)」==> 十二支の酉に当たる日 となります。 「息災日」に行うと良いとされているものは、
などとされています。
「息災」は英語で、
などを使います。 「無事にやっている」は「doing okay」などと表現することもあります。これはカジュアルな表現になります。
I hope you and your family are well.
ご家族がご息災のことと存じ上げます。
Happy birthday! I wish you a healthy and happy year to come!
お誕生日おめでとうございます。息災と幸福をお祈り申し上げます。
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「息災」について理解できたでしょうか? ✔︎「息災」は「そくさい」と読む ✔︎「息災」は「仏の力によって災害や病気などの災いを消滅させること。病気をせずに元気でいるさま」を意味 ✔︎「息災」を用いた言葉には、「無病息災」「一病息災」「無事息災」などがある ✔︎「息災」の類語には、「健在」「無事」「健やか」などがある