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「総括」と「統括」の意味の違いと使い分けを例文つきで解説

「総括(そうかつ)」と「統括(とうかつ)」は、どちらも一つにまとめるという意味ですが、微妙にニュアンスが違います。「総括」は全体を一つにまとめることを意味し、「統括」はばらばらに分かれて存在するものを一つにまとめることを意味します。言い換えられる場合と、言い換えると不自然でな場合があります。

「総括」と「統括」の違い

総括(そうかつ)
全体を一つにまとめること。
統括(とうかつ)
散在しているものを一つにまとめること。

「総括」と「統括」はどちらも、多くのことを一つに合わせてまとめることを意味しますが、意味に微妙な違いがあります。 「総括」は全体を一つにまとめることを指すのに対して、「統括」はばらばらに散らばっているものを一つにまとめることを指します。 「総括」のまとめる対象は全体なので広いですが、必ずしもばらばらなわけではないので、強制力は必要ありません。 一方「統括」は点在しているものをまとめるので強制力が必要です。 例えば「意見を総括する」なら「全く同じ意見や似た意見、違う意見も含めて全体の意見をまとめて、一つの意見にする」ことを指しますが、「意見を統括する」ならば「それぞれ全く違う意見をまとめて、一つにする」ことを意味します。 組織のリーダーは総括することよりも統括することのが苦労しますね。そもそも一組織の意見がバラバラな時点で少々問題あり、とも言えますが。。。 「営業部門と製造部門を総括する」は不自然な使い方です。 「総括」はまとめる対象が全体なので、正しくは「各部門を総括する」または「会社全体を総括する」と使います。 「営業部門と製造部門を統括する」ならば正しい使い方です。 ただし、営業部門と製造部門の意思疎通がとれていなく一つの企業としてうまく機能していない状態(つまりバラバラに存在している状態)でなければ「統括」という言葉は使えません。 単に二つのものを一つにまとめるだけなら、「統合」という言葉が適しています。 「総括」はまとめる対象が意見や考えで、「統括」はまとめる対象が人や組織と説明される場合がありますが、これは誤りです。 「総括」を人や組織に対しても使えますし、「統括」を意見や考えに対して使うこともできます。 「総括」と「統括」の違いは、まとめる対象が全体なのか、バラバラに存在している2つ以上のものなのか、です。

「総括」の意味と使い方

「総括」は「そうかつ」と読みます。 「総」は「まとめる、整理する」、「括」は「くくる、一つにすること」を意味します。 「総括」には二つ意味があります。 一つ目は「個々のものを整理して一つにすること、全体をまとめてしめくくること」です。 考えや主張などをしっかりまとめて、結論を出すことを表します。 例えば、「会議を総括する」「総括を述べる」「全体総括」などと使います。 類語には、「まとめる」「結論を出す」「引っくるめる」「整理する」「要約する」「総まとめする」「括る」「始末をつける」などがあります。 二つ目の意味は「組合運動や政治運動などで、それまで行ってきた活動の内容や成果をまとめて評価すること」です。 今後の活動のために、今までの活動内容や方針をまとめて評価・検討することを表します。 「一年の活動を総括する」というように、一年の締めくくりに行われます。 「総括」をこの意味で使うことは少ないです。

「総括」の例文

  • 様々なアイデアが出たので、各自の意見を総括する。
  • 議論の総括をすると、内容を変更するべきだという結論になった。
  • 来年の運動のためにも、一年間の活動を総括する。
  • ボランティア活動の内容を総括して、資料にまとめる。

「統括」の意味と使い方

「統括」は「とうかつ」と読みます。 「統」は「一つにまとめる、おさめる」、「括」は「くくる、一つにすること」を意味します。 「統括」の意味も「ばらばらになっているものを一つにまとめること」です。 「統括」はただ「一つにまとめること」を意味するのではなくて、上の立場にいる人が下の立場の人をまとめることを指します。 「支配的にまとめる」というニュアンスが含まれます。「◯◯を統括する」という形で、人物や組織などに対して使います。 「統括」の「統」は、「統治」「統率」などの熟語としても使われていることからもわかると思います。 「統括」の類語には、「まとめる」「指揮をとる」「統率する」「率いる」「采配する」「束ねる」「糾合する」などがあります。

「統括」の例文

  • チームを優勝に導くためには、選手やコーチを統括する人が必要だ。
  • 彼は全体を統括する立場にあるが、何も役に立つことをしていない。
  • Aさんはリーダーシップがあるので、企画部門と販売部門を統括している。

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