「すこぶる」という言葉をご存知でしょうか。「すこぶる元気だ」「すこぶる悪い」などと言います。日常会話で使われているというよりは、小説などで見たことがあるかと思います。普段から使っているという方もいれば、初めて聞いたという方も多いかもしれません。では、「すこぶる」とはどういう意味なのでしょうか。なんとなくイメージがつくかと思いますが、具体的にどういった場面で使えば良いかなどは疑問に思いますよね。正しく使うために、「すこぶる」について適切に知っておきましょう!そこで今回は「すこぶる」の意味や使い方、語源、類語、「しこたま・ことさら」との違いについて解説していきます。
「すこぶる」の意味は「普通の程度を超えているさま。おおいに。たいへん」です。 物事の程度が甚だしいさまを表しています。 「すこぶる」は漢字だと「頗る」と書きます。 「頗」は音読みで「ハ」、訓読みで「かたよる。すこぶる」と読みます。 「頗」は「ある一方に偏っていて公平でないこと。たいそう」を意味します。 「頗」を用いた言葉には、「偏頗(へんぱ)」「廉頗(れんぱ)」「頗梨(はり)」などがあります。 「頗」は、「波みたいに揺れている様子」を表す「皮」+「人間の頭を強調した様子」を表す「貢」で成り立っています。「頗」は「頭が揺れ動いていること」から「かたむいていること」を意味するようになりました。 ただ、漢字が難しいということもあって、一般的には「すこぶる」とひらがなで表記することが多いです。
『すごく◯◯だ』『非常に◯◯だ』などと、程度が甚だしいことを表す場合に「すこぶる」を使います。 例えば、「すこぶる元気」などと言います。これは「ものすごく元気。めちゃくちゃ元気」という意味です。 「まあまあ元気。すこしだけ元気」という意味ではありません。 主に、「すこぶる▲▲だ」「すこぶる▲▲である」という形で用います。 「すこぶる」は何かを強調したいときに使う表現なので、肯定的な言葉も否定的な言葉も伴います。 また、「すこぶる付き」という言葉があります。「すこぶる付き」とは「『すこぶる』という言葉がつくほど、物事の程度がはなはだしいさま」を意味します。 「すこぶる付きの美人」などと言ったりします。「普通以上に優れている、並外れた美しい女の人」という意味です。 言い回しとしては、
などとなります。 SNSなどで「すこぶる好き」という表現をしている人もいますが、あまり一般的ではありません。
例文
「すこぶる」は元々「少し、ちょっと、やや」という意味でした。 「すこし。すくなし」の語根「すこ」に、「大人ぶる」「ひたぶる」「もったいぶる」などで用いられている「それらしい様子をすること」を意味する「ぶる」がついたものが「すこぶる」です。 「ちょっと。ある程度」という意味が「相当。非常に」という意味に変化しました。意味が変化した理由については明らかになっていませんが、漢文訓読に用いられたことで混乱が生じたのではないかと考えられています。 「すこぶる」の意味は中世以降に変化しました。 このように、「すこぶる」は方言ではなく、昔から使われていた大和言葉です。 基本的に「すこぶる」は「おおいに」という意味で使うので、現在は「少し、わずか」という意味では使いません。
すごい (意味:物事の程度が甚だしいさま) 「対戦相手がすごい早くて、恥ずかしくなってしまった」 とても (意味:たいへん。おおいに) 「演奏はとても良かった」 かなり (意味:普通を超える程度であるさま) 「その映画はかなり面白かった」 おおいに (意味:非常に。たいへん) 「彼にはおおいに期待している」 たいへん (意味:非常に。おおいに) 「彼はたいへん苦労している」 非常に (意味:はなはだしいさま。たいへん) 「頼んだ机が非常に大きくて困る」 はなはだ (意味:物事の程度が著しいさま。たいへん) 「突然家に押し入るなんではなはだ迷惑だ」 殊の外(ことのほか) (意味:思っていたよりも。意外と) 「今回のテストは殊の外簡単だった」 とりわけ (意味:同じようなものでも、程度が目立って甚だしいさま。特別に) 「いつも暑いが、今日はとりわけ蒸し暑い」 格別 (意味: 普通とは違い、特に抜き出ているさま) 「お風呂上がりに飲む牛乳の味は格別だ」 例外的に (意味:普通の例とは違うこと) 「そのケースは例外的だ」 だいぶ (意味:かなりの程度であるさま) 「だいぶ上手に絵を描けるようになった」 随分 (意味:物事の程度が甚だしいさま) 「事件が多発している地域に行ったら、随分な目にあった」 たいそう (意味:程度が甚だしいさま) 「その通りはたいそうな人で賑わっている」 こよなく (意味:これ以上ないほど。極めて) 「こよなくラーメンを愛している」 ひどく (意味:非常に。たいそう) 「走り過ぎてひどく疲れてしまった」 やけに (意味:やたらと。 程度が普通ではないほどはなはだしいさま) 「今日の彼女はやけにテンションが高い」
「すこぶる」・・・「おおいに。たいへん」と、物事の程度が普通を超えているさま 「しこたま」・・・「たくさん。多くの」と、物の数が豊富なさま 「ことさら」・・・「わざと。格別に」と、 故意的に物事を行うさま。普通よりも目立っているさま
「しこたま」は、もの・人・仕事などの数がふんだんにあることを表します。 元々「しこたま」は九州の方言で、「これしかない」の「しか」という意味の「しこ」+「たんまり」の略「たま」で成り立っています。「しか」は「四股」という漢字が当てられ、重さを意味するようになりました。 「しこたま」はスラング的な言い方で、「しこたま儲ける」「しこたま酒を飲む」などと使います。 かしこまったシチュエーションでは使用を避けるべきでしょう。 「ことさら」には2つ意味があります。 1つめは「わざわざ」という意味で、意図的に何かをするさまを表します。 「ことさら無視をしてくる」「ことさらぶつかってくる」などと言います。 2つめは「特に」という意味で、物事の程度が普通よりも際立っているさまを表します。 「今日はことさら涼しい」「ことさら話題にするほどの話ではない」などと言います。 漢字では「殊更」あるいは「故」と書くことができます。
例文
「すこぶる」は強調表現なので、
を使えばよいでしょう。
She is extremely energetic today.
彼女は今日はすこぶる元気だ。
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「すこぶる」について理解できたでしょうか? ✔︎「すこぶる」は「普通の程度を超えているさま。おおいに。たいへん」を意味 ✔︎ 漢字だと「頗る」と書くが、一般的には「すこぶる」とひらがな表記にする ✔︎「すこぶる元気だ」「すこぶる悪い」「すこぶる良い」などと使う ✔︎「すこぶる」の類語には、「かなり」「とても」「だいぶ」「ひどく」などがある