「玉に瑕」について理解できたでしょうか。「鈍感なのが玉に瑕」「馬鹿なのが玉に瑕」などと使います。日常会話でも時々使う表現なので、聞き覚えがあるという方も多いと思います。では、「玉に瑕」とはどのような意味なのでしょうか。「瑕」と聞くと、あまり良いイメージが浮かびませんよね。「玉に瑕」は人の欠点を表すときに使うことが多いです。なぜ「玉に瑕」と言うようになったのでしょうか。結構疑問に思うことがありますよね。そこで今回は「玉に瑕」の意味や使い方、語源、類語、反対語について解説していきます。「玉に瑕」を正しく覚えて、上手く使えるようにしましょう!
「たま↗︎にきず」となります。「ま」の部分にアクセントをつけます。 「多摩市(たまし)」「猫のタマちゃん」などと、地名や名前の場合は「た↗︎ま」とします。 「たまたま通った」「たまに行くよ」などと、「偶然に」という意味の場合は「たま」と抑揚をつけません。 「玉を転がす」「弾に驚いた」などと、「丸い形をしたもの。球形のもの」という意味の場合は「たま↗︎」とします。 このように、「玉」のように二つ目の文字に力を入れるアクセントのことを「尻上がりアクセント」と呼びます。 こういった発音の仕方は「玉」以外には、「板」「傘」「お酢」「痰」「肌」「屋根」などがあります。
「玉に瑕」の意味は「優れていて立派であるものの、ほんの少し欠点があること」です。 若干欠点はあるものの、それがなければほとんど完全であることを表します。 「玉」は「優れているもの。美しいもの」、「瑕」は「不完全なこと。欠陥」を意味します。 「玉」の部分を変えて「偶に瑕」「珠に瑕」としたり、「瑕」の部分を変えて「玉に傷」「玉に疵」とするのは間違いです。 「玉に瑕」は「たまたま悪い。まれに悪い」という意味ではないので注意してください。
「玉に瑕」は古代中国の思想書『論衡(ろんこう)』『淮南子(えなんじ)』に出てくる言葉「玉瑕」に由来しています。 なぜ「玉に瑕」の「傷」ではなく、「瑕」なのでしょうか? 「傷」は「体のどこかを打ったり切ったりして、皮膚を痛めること」で、怪我をしたときなどに「腕に傷ができる」「昔できた傷がまだ残っている」などと使います。 このように、「傷」は怪我などを表す時に使うことが多く、「瑕」はものや性格の非難すべきところを表すことが多いです。 元々「玉に瑕」は「美しい宝石類の表面についた細かいキズ」を表していました。 確かに、アクセサリーなどをよく見てみると、無数に小さい傷がついていて輝きが薄くなっているいうことがありますよね。 「玉に瑕」は「綺麗な宝石にわずかにキズがある状態」から、転じて「少しの欠点がなければ完璧である」という意味になりました。
わずかな悪い点がなければ、無欠であるということを表す場合に「玉に瑕」を使います。 例えば、成績が優秀・運動が得意・ピアノやバイオリンができる・優しい・料理上手・明るい、など長所がたくさんある完璧な人がいます。しかし、この人は不細工です。 このような状態を「玉に瑕」と言います。「顔が綺麗だったらほぼ完璧な人間」であることを表します。 これは「彼女はとても明るく料理も上手で理想の女と言えるが、顔が汚いことが玉に瑕だ」と表現することができます。 頭が良いことだけが取り柄で、不細工・性格が悪い・不潔な人は「玉に瑕」とは言いません。汚点が多過ぎます。 このように、「玉に瑕」は人の欠点を言及する場合に使うことが多いです。物事に対しても使えます。
などと日常会話では言ったりします。
例文
白璧の微瑕(はくへきのびか) (意味:ほぼ完璧なものにでも、少し欠点があること) 「白璧の微瑕というように、満点な人間なんて少ししかいないよ」 玉の盃底無きが如し(たまのさかずきそこなきがごとし) (意味:非常に優れたものでも重要な点が抜けていては役にたたない) 「玉の盃底無きが如しだよ。しっかり準備しなければ」 愚者にも一得(ぐしゃにもいっとく) (意味:たとえ愚かな人であっても、時々は良い案を生み出すこと) 「愚者にも一得と言うように、いつか良い案が思いつくよ」 あばたもえくぼ (意味:好きになってしまうと汚点でも好ましいものになること) 「あばたもえくぼと言うし、そのうち慣れるよ」 欠点が少しある (意味:不完全である部分も少しあること) 「あの人だって欠点が少しあるよ」 ここだけは残念 (意味:ある事だけが惜しいこと) 「彼女は体臭がすることだけが残念だ」 これさえなければ完璧 (意味:ある事がなければ優れているさま) 「彼は本当にうるさい。これさえなければ完璧だろう」 唯一の短所 (意味:たった一つだけの引けを取っている点) 「心配性なのが唯一の短所だろう」 弁慶の泣き所 (意味:力が強い人のただ一つだけの弱点) 「やっと彼の弁慶の泣き所を見つけることができた」
「玉に瑕」の対義語は「瑕に玉」です。 その他に「玉に瑕」の対義語はないので、「欠点が多い」「美点が少ない」という意味の熟語を紹介します。 瑕に玉 (意味:欠点が多い中に、少しの良い点があること) 「瑕に玉と言うし、探せば彼にも良い点があるだろう」 ザルのような (意味:ちゃんととしておらず漏れが多く見られるさま) 「ザルのような物覚えなので、彼は信用しない方が良い」 欠陥だらけ (意味:欠けていて完全でないさま) 「この商品は欠陥だらけで役に立たない」 弱みが多い (意味:残念な部分が多いさま) 「あいつは弱みが多いから何とかなる」 難点が多い (意味:完璧ではないことが多いさま) 「その対策は難点が多いから無理だろう」 取り柄のない (意味:特に良いことがないさま) 「彼女は取り柄がない」 特質のない (意味:それが持っている特殊な性質) 「特質がないので見分けがつかない」 特色のない (意味:他のものと比べて秀でている部分がないさま) 「随分と特色のないアイデアだね」
「玉に瑕」を英語で表現すると「not quite perfect」になります。 「完璧に近いが完璧ではない」とい意味になります。 副詞「quite」の意味と使い方は少しクセがあるので、別の記事で詳しく説明しています。ぜひこちらを参考にしてみてください。
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「玉に瑕」について理解できたでしょうか? ✔︎「玉に瑕」は「たま↗︎にきず」と発音する ✔︎「玉に瑕」は「優れていて立派であるものの、ほんの少し欠点があること」という意味 ✔︎「脆弱なのが玉に瑕」「酒癖が悪いのが玉に瑕」「音痴なのが玉に瑕」などと使う ✔︎「玉に瑕」の類語には、「白璧の微瑕」「愚者にも一得」「唯一の短所」などがある