何かを確認するときに「〜でよろしいでしょうか」と言いますよね。では「よろしいでしょうか」は目上の人に対して使うことができるのでしょうか。「よろしいですか」「よろしかったでしょうか」という使い方は正しいのでしょうか。「よろしいでしょうか」は誤った使い方をすると、相手に不快感を与えてしまいます。そこで今回は「よろしいでしょうか」の意味や使い方、類語について解説していきます。
「よろしい」は「よい」を丁寧にした語です。 「よろしい」の意味は、
となります。 「でしょうか」は、未来のことや不確定のことについての疑問・質問の意を表す言葉です。 お伺いを立てる時に「でしょうか」を付けることによって丁寧な表現になります。 「よろしいでしょうか」の意味は「問題ないでしょうか」「差し支えないでしょうか」となります。 「よろしいでしょうか」は、「いいですか」「いいだろうか」と同じ意味ですが、これらよりも丁寧な表現になります。
「よろしいでしょうか」は漢字だと「良ろしいでしょうか」「宜しいでしょうか」と書くことができます。 「宜しく」「良ろしい」と書くことはあまりなく、一般的には、「よろしいでしょうか」とひらがなで表記することが多いです。 「宜」は音読みだと「ギ」、訓読みだと「よろしい」と読みます。 「宜」は「程よくかなっている」を意味しています。 元々「よろしく」は、相手に便宜をはかってもらう時などに、適切な配慮を願ったり期待したりして言う語です。そこから「宜」をとって、「宜しく」と書くようになりました。 「宜」は、「適宜」「時宜」「便宜」といった使い方が正しいので、「宜しい」といった使い方は本来は正しくありません。「よろしい」といったように、ひらがな表記の方が適切となります。
「よろしいでしょうか」は相手の意志を確認したり、同意・許可を求めるときに使う表現です。 「◯◯してもよろしいでしょうか」という形で使われます。 例えば「来週休みをいただいてもよろしいでしょうか」といった場合は、許可を求める言い方になり、「今お時間をいただいてもよろしいでしょうか」といった場合は、相手に支障がないか尋ねる言い方になります。 「よろしいでしょうか」はビジネスメールでも使うことが多く、「明日の会議で使用する資料は、以下の内容でよろしいでしょうか」などと相手に確認を取りたいときに使用します。 「よろしいでしょうか」は電話対応などでもよく使われ、忙しい相手に急を要する用件を伝える時に「お時間少しだけよろしいでしょうか」と使うことができます。
敬語の種類 ▶尊敬語 ▶謙譲語 ▶丁寧語
”尊敬語”は、相手に対しての敬意を示す敬語です。 ”謙譲語”は、自分や自分の身内についてへりくだって表現する敬語です。 ”丁寧語”は、物事を丁寧に表現する敬語です。
「ですか」は「今何時ですか」や「ここはどこですか」などと、何かを質問するときに使う言葉です。 「よろしいですか」が敬語ですが、少々砕けた言い方になるので上から目線に感じてしまう人もいます。 ですので「よろしいですか」は、取引先など目上の人に対しては不適切になります。 相手に何かを確認するときに、「◯◯でよろしいですか」と使わないように気をつけましょう。 目上の人に対しては「よろしいですか」ではなく「よろしいでしょうか」と言った方が良い印象を与えます。
飲食店などで注文の際に、「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」と店員さんに聞かれたことがある方も多いと思います。「よろしかったでしょうか」は間違った表現ではありませんが、何となく違和感を感じる表現です。 「よろしかったでしょうか」は過去形なので、前提となる内容があって、それに対して確認の意味で用いるのが適切な使い方になります。ですので、何の前提もない状態で「よろしいでしょうか」を使うと不自然です。 例えば「この間の約束なんだけど、明日の10時に××駅集合でよろしかったっけ」といったように前提となる内容が存在している場合は、「よろしかった」で特に問題ありません。 例えば、お客様が商品を購入したことを再度確認する場合に「こちらでよろしかったでしょうか」と使うのが適切です。こういったように、お聞きした注文内容を忘れてしまい再確認をする場合に使えます。 ただ、現在進行中の事に対しては「◯◯でよろしかったでしょうか」ではなく、「◯◯でよろしいでしょうか」と使うのが自然になります。「よろしかったでしょうか」は過去のこと、済んでいることに対して使います。
「よろしい」は「よい」を丁寧にした表現で、「でしょうか」は「ですか」を丁寧にした表現です。 「よろしいでしょうか」は丁寧な表現なので、目上の人に対して使うことができます。 例えば、目上の人に対して「こちらでいいですか」というのは、ぶっきらぼうで少し失礼な印象を与えてしまいます。「こちらでよろしいでしょうか」と尋ねた方が丁寧な感じがしますよね。 また「よろしいでしょうか」をより丁寧にした「よろしゅうございますか」という表現もありますが、はあまり使われる表現ではありません。 ただ「よろしいでしょうか」は丁寧語であって、謙譲語ではありません。 「よろしいでしょうか」の前に来る言葉に尊敬語や謙譲語を用いるようにしましょう。
「◯◯でよろしいでしょうか」と尋ねられたときに、何て返事をすれば良いのか迷いますよね。 「◯◯でよろしいでしょうか」と聞かれた場合は、
と返すのが適切になります。 また、親しい間柄の相手に対しては、
と返すのが良いでしょう。 「◯◯でよろしいでしょうか」と聞かれた場合に「はい、よろしいです」と返すのも間違いではありません。ただ、「△△さんはいらっしゃいますか」と聞かれたときに「はい、いらっしゃいます」と返事をしないのと同じで、「よろしいです」だと違和感を与えてしまうのでなるべく使用は避けた方が良いでしょう。 もし、都合が悪く「◯◯でよろしいでしょうか」と聞かれても断らなくてはいけない場合は、
を前に付けて断るのが良いでしょう。
「いかが」は、成り行きや結果を危ぶむさまを表す形容動詞になります。 「いかがでしょうか」は、相手の気分や状態、意見を聞く場合に使うことが多い表現です。 「いかがでしょうか」は「どうでしょうか」をベースにした表現になります。 例えば、「今のお気分はどうでしょうか」と尋ねるよりも「今のお気分はいかがでしょうか」と聞いた方が丁寧な感じがします。 また「いかがでしょうか」は、「お飲み物はいかがでしょうか」といったように、何かをすすめる場合にも使うことができます。 「いかがでしょうか」には改まって聞くという意味が含まれているので、取引先やお客様など目上の人に対して使うことができます。
例文
「お間違いないでしょうか」は相手に対して、良いのか確認する場合に使います。 また「お間違いないでしょうか」は、相手に対してこの解釈で間違いないか尋ねるときにも使います。 「お間違いないでしょうか」は丁寧な表現ですが、「お間違いないでしょうか」となると「あなたの言っていることは合っていますか」と指摘するような意味合いが含まれます。 「お間違いないでしょうか」を使用する際は、注意する必要があります。
例文
「構わない」は「差し支えない」「気にしない」を意味しています。 「構いませんでしょうか」の意味は「差し支えないでしょうか」です。 例えば「あなたの年齢を尋ねても構いませんでしょうか」といった場合は、「あなたの年齢を聞いても不都合はないでしょうか・問題ないでしょうか」という意味合いになります。 「構いませんでしょうか」は、行ったら相手にとって少し不都合になりそうなことに対して許可を求める場合に使います。
例文
「可能」は「ある物事ができる見込みがあること」を意味しています。 「可能でしょうか」は、相手に対して可能かどうか確認をする場合に使います。 例えば「◯◯を貸していただくことを可能でしょうか」と使うことができます。ただ「〜は可能でしょうか」という言い方は少々強気なニュアンスが含まれるので、使う際は注意する必要があります。 「〜可能でしょうか」は「〜いただけますか」「〜いただけますでしょうか」と言った方が丁寧になります。
例文
「よろしいでしょうか」の英語表現を見ていきましょう。 「よろしいでしょうか」は許可を求める表現なので、
を使います。 ビジネスシーンでは「May I...?」を使うのが適切です。
May I talk to you a bit?
少しお時間よろしいでしょうか?
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「よろしいでしょうか」について理解できたでしょうか? ✔︎「よろしいでしょうか」は相手の意志を確認したり、同意を得るときに使う ✔︎「よろしいでしょうか」が適切で、「よろしいですか」「よろしかったでしょうか」は誤用 ✔︎「よろしいでしょうか」の返答としては「はい、構いません」「はい、結構です」が良い ✔︎「よろしいでしょうか」の類語には、「いかがでしょうか」「可能でしょうか」などがある