「相変わらず」という言葉を日常会話で使うことってありますよね。しかし、ビジネスシーンで使用すると失礼にあたるということをご存知でしょうか。今回は、「相変わらず」という言葉の意味や使い方を例文付きで詳しくまとめます!また、ビジネスシーンで「相変わらず」と使いたいときの言い換え表現も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「相変わらず」は「あいかわらず」と読みます。
「相変わらず」は、「以前と同様に」という意味のある言葉です。 前と何も変わっていない様子を「相変わらず」といいます。 例えば、久しぶりに会った友人に「元気にやってる?」と聞いたときに「相変わらずだよ〜!」なんて返事が返ってくることがあるかと思いますが、この場合の「相変わらず」は、「前に会ったときと変わらずに元気にやっているよ」というニュアンスが込められています。 しかし、「相変わらず」とは「今までと何も変わらない」という意味ですから、使い方によっては「何も成長をしていない」なんていう皮肉になってしまいます。 後に続く文脈によっては受け取り手に不快な思いをさせてしまう可能性があるので注意しましょう。
「相変わらず」の語源は「相」という漢字にあります。 「相」という漢字には
という意味があって、色々な言葉に使用されていますよね。 元々、「相」という漢字には「木」と「目」という二つが入っています。 これは、「物事の姿・形・ありさま」を意味していると言われていて「形相」「相好」といった言葉にも使用されています。 さらに「相」には、動詞の前につけると、語調を重々しくする働きがあります。 この場合の「相」は、「姿やありさま」と言った意味が含まれていて、さらに「変わらず」という言葉を重々しくしています。
「相変わらず愛かわらず」は、「相変わらず」と「愛変わらず」という同音異義語をつなげた表現です。 「相変わらず」は上述しているように「以前と変わらない」という意味で、「愛変わらず」は、「愛が変わらない」ということです。 つまり、「相変わらず愛変わらず」は「月日が経っても相手に対する愛は変わらない」という意味です。
「相変わらず」という言葉は、「相変わらず〜」「相変わらずの〜」の形で使うのが一般的です。 おもな言い回しとしては、
などがあります。 詳しい使い方については例文を参考にしてください。
例文
「相変わらず」は、自分の体調などの返事としても使用することができます。 意味の部分でも触れましたが、「元気にしてた〜?」と聞かれたときの返事として「相変わらず〜」と答えることができるのです。 「相変わらず」とは、「以前と変わらない」ということは、「以前と変わらずに元気でやっているよ」という意味になります。 つまり、「大きな病気をしたりとった問題なく変わらない生活をしています」というニュアンスです。 逆に、持病があるといった場合の「まぁ、相変わらずだよ〜」は、「病状や怪我の状態が相変わらず」ということなので、あまり良い意味にはなりません。
例文
「変わらず」は基本的には目上の人に使用するのは避けたほうが良いとされていますが、プライベートといった堅苦しくないカジュアルな場面であれば、使用することが可能です。 例えば、 「相変わらずお元気そうで何よりです」 「相変わらずのご活躍お聞きしております」 「相変わらず明るくて元気でいらっしゃいますね」 「相変わらず美しいですね」 といったように、相手を褒めている文脈であれば相手が不快な思いをすることもないでしょう。 また、「私なんか相変わらずの体型で…」「相変わらず貧乏生活ですが〜…」というように自分を卑下する内容で使用することもできますが、自虐されても反応に困ってしまうという人もいるのでほどほどな内容にしましょう。
「相変わらず」の強調した表現に「相も変わらず」があります。 「相変わらず」と「相も変わらず」は意味合いは同じになりますが、「相も変わらず」だと、あざけりやひやかしの気持ちが加わり嫌味に受け取る人が多いので注意が必要です。 「相」と「変わらず」の間に「も」をいれてしまうだけで、「相変わらず」という言葉を協調してしまうため「何も進歩していない」といった嫌味っぽいニュアンスになってしまうのです。 例えば、「あなた達は相変わらず仲良いね」だと、変わらない仲を微笑ましく思っている気持ちが伝わりますが、「相も変わらず仲良いね」だと、嫌味っぽくどちらかというと呆れているというニュアンスになってしまいます。 このように、相手に不愉快な気持ちにしてしまう可能性があるので、相手に対して「相も変わらず元気そうですね」といった使い方をしないようにしましょう。 自分自身について「相も変わらず元気にやっています」などと卑下して使用するのはありです。
「相変わらず」という表現は、上述したようにプライベートといったカジュアルな場面では使用することことができますが、ビジネスシーンといったかしこまった場面で目上の人に使用することはできません。 「相変わらず」という言葉には「進歩のない」「成長のない」「代わり映えのしない」といったネガティブな意味もあるので、受け取り手がネガティブなニュアンスに受け取ってしまうと「なんて失礼なんだ!」と思われてしまいます。 ビジネスシーンなどで「相変わらずお元気そうですね」と伝えたい場合は「お変わりないようで」に言い換えるといいでしょう。
ビジネスの世界では、「相変わらず」=「企業として成長がない、進展がない」と解釈されてしまうため使用することはできません。 企業宛では「ますますの発展」「ご清祥」「ご清栄」といった敬語表現に言い換える必要があります。 例えば、「相変わらず経営は順調そうですね」と伝えたいときは、「ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」と言い換えると良いでしょう。 ただ、かなり堅苦しい表現なのでビジネス文書向きの表現であると言えます。 手紙などの挨拶文として使用しましょう。 直接会話で使用する場合は「お変わりない」といった表現のほうがいいでしょう。
「依然として」の意味は、「前と変わらず」です。 「依然」の意味は「ある状態が変化せずに続く様子」で、つまり「元のまま」という様子を言い表す言葉です。 例えば「依然として回復の目処が立ちません」は、悪い意味で「状態が変わらない」という意味になりますし、「依然として勢力的な活動を続けています」だと良い意味で「状況や状態を変えることなく活動を続けている」という意味になります。
例文
「いつも通り」の意味は、「いつもと何ら異なることがない様子」です。 「いつも」は、「普通の状態」「普段通り」という意味で、「通り」は、「同じ状態・方法であること」という意味です。 例えば、「いつも通りのある日」は、「普段と何の変わりのない日」という意味合いになります。
例文
「これまで通り」の意味は、「継続的におこなってきた内容との違いがない様子」です。 「これまで」は、「この時まで」「今まで」という意味です。 「通り」は、「同じ状態・方法であること」なので、「今までと同じように」といった意味になります。
例文
「従来どおり」の意味は、「これまでと変わらない方法や内容」です。 「従来」は、「以前から今まで」「これまで」という意味です。 「従来どおり〜…」という副詞的な使い方をすることもできます。
例文
「いつになく」の意味は、「今まで一度の無かったほどに」「今までで最も」です。 漢字で表記すると「何時に無く」となります。 「今まで以上」や「今まで以下」といった、「例外的に」といった今までとは違った状態のときに使用される言葉です。
例文
「珍しく」の意味は、「滅多にない」です。 「相変わらず」は、「今までと同じ」という意味なので、「今まで通りではないことがおきている」という点で、「珍しい」という言葉は「相変わらず」の対義語であると言えるでしょう。
例文
「相変わらず」の英語は、
です。
Are you busy as usual?
相変わらずお忙しいですか?
「元気?」に対して「相変わらずだよ」と答えるときは、
を使います。
"What's up?" - "Nothing much."
「体調どう?」-「相変わらずだよ」
いかがでしたか? ✓「相変わらず」の読み方は「あいかわらず」 ✓「相変わらず」の意味は「以前と同様に」 ✓「相変わらず」の語源は「相」という漢字にある ✓「相変わらず〜」「相変わらずの〜」の形で使うことが多い など