「ご参考ください」という表現を会社などで一度は見聞きしたことがある人がほとんどではないでしょうか?拾は「ご参考ください」という日本語は間違っています!正しい敬語の言い換えを解説していきます。類語「ご参照ください」との違いも説明します。
「参考」の意味は「照らし合わせて考える。自分の考えややり方を決める手がかりにする」という意味です。 よって、「ご参考ください」の意味は「照らし合わせて手がかりにしてください」です。 ビジネスシーンでは会議で補足資料を配布するときによく使われます。
しかし、「ご参考ください」は間違った日本語なので注意が必要です! 「ご参考ください」の原型は「参考する」になりますが、「参考する」という動詞は日本語にありません。 「参考にする」というのが正しい動詞の形です。 「ご参考ください」は広く使われている表現なので使っても違和感を抱かれることは少ないと思いますが、間違った日本語ですので正しい言い換え表現を紹介していきます。
「参考にする」が原型なので、「ご参考にしてください」が正しい表現となります。 「ご参考にしてください」の「ください」は丁寧語ですが、あくまでも命令文なので、「ご参考になさってください」と尊敬表現にするとよいでしょう。 ちなみに「ください」は補助動詞なので、平仮名表記が正しいです。漢字表記しないようにしましょう。
会議で参考資料を配る口頭では「ご参考までにどうぞ」もよく使われます。 「ご参考までに」の接頭語「ご」は尊敬語ですが、「ご参考までに」は略語なので単体で使うと丁寧さが欠けてしまいます。 「どうぞ」を付け加えて「ご参考までにどうぞ」とすると丁寧になります。 または「ご参考までに目をお通しください」などと略さずに言うのもよいでしょう。
ビジネスメールでは下記のような、少し堅い表現を使うとよいでしょう。
「幸いです」「幸甚です」は、「〜していただけたら嬉しいです」という意味で、相手に参考にするかどうかを委ねる丁寧な依頼表現になります。
「査収(さしゅう)」は「よく調べた上で受け取ること」を意味します。また「同意する・納得する」という意味も含まれ、「ご査収」は「物品・書類・金額などをよく調べて受け取ること」を意味します。 「ご査収ください」は「確認して受け取ってください」という意味であるのに対して、「ご参考までに」は「参考になるならどうぞ」という意味で、この2つの表現をつなげてしまうと、意味がチグハグになってしまい不自然です。
「参考」の類語に「参照」があります。 「参照」は「文章や図を比べて参考にする」という意味になります。 つまり、「参考」も「参照」も「照らし合わせて自分のやり方や考え方の手がかりにする」という意味では同じですが、「参照」の方が「他のものと比べる」という語感が強いです。 「ご参照ください」は慣習的に広く使用されている言い回しですが、「ご参考ください」と同じ理由で誤った日本語となります。
などと言い換えましょう。
「ご一読ください」の意味は「さっと読んでください」「さっと読んでください」という意味です。 「ご一読」は「目を通す」「読む」の尊敬語です。 「ご一読ください」には参考にするというニュアンスは含まず、様々な場面で使うことができます。 上司や取引先に資料を手渡しするときや顧客に契約書をメールするときにも使えます。
「ご覧ください」は「見てください」という意味です。 「ご覧ください」は「ご覧になってください」の省略形です。 「ご覧になってください」=「見る」の尊敬語「ご覧になる」+丁寧語「ください」 で成り立っています。 「ご覧ください」「ご覧になってください」は尊敬表現なので、目上の人に対して使うことが可能です。 「ご覧ください」「ご覧になってください」は「見てください」の意なので、文章以外のものに対しても使うことができます。
などと表現するとより丁寧になります。
上司や取引先に何かを教わったときに「参考になりました」と返すのは失礼になりますので注意です。 「参考程度にしかならなかったのか」と思わせてしまうかもしれないからです。 「大変勉強になりました」と言い換えましょう。 「参考までにご教示ください」と教えを請う表現は上司などに使うことができます。 「参考までに教えてください」は、「参考にする程度などでそこまで詳しく教えていただく必要はありません」という意味合いなので、謙虚さを示すことができます。
「ご参考ください」「ご参考までに」という表現は、「参考にするかどうかは相手次第」であり、必ず見てもらえるか分かりません。 なので、必ず目を通してもらう必要がある資料などに対しては、「ご一読ください」「ご覧ください」などの言い換え表現を使うようにしましょう。
「さっと読む」は英語で「skim」と言います。または「look through」ということも可能です。 しかし、ビジネスメールなどで「読む」と英語で言う場合は、「read」が一般的です。
Please read the document I've attached on this email.
本メールに添付した資料をご一読くださいませ。
「見る」という意味でビジネスシーンでよく使う表現には「take a look」があります。 「take a look」と「look」の違いは下記の記事を参考にしてください
「...を参照する」は英語で「refer to...」といいます。 「refer to」には「照らし合わせて見る」という意味です。
Please refer to the pie chart below.
下記の円グラフをご参照ください。
「ご参考までに」の英語は「for your information」「for your reference」となります。 「ただの参考だけど」というふうに謙虚なニュアンスを付け加えるために「just for your information」とすることもあります。 「for your information」は基本的に書き言葉のみで使われ、追加で情報を相手に伝えるときに使用します。
He is very interested in your proposal. For your information, please take a look at the email i just sent.
彼はあなたの提案をとても気に入っていたわ。参考までに、私が今送ったメールを見てみて。
「for your information」「for your reference」は略して「FYI」「FYR」と表記することもあります。 「FYI」に関しては下記の記事で詳しく書いていますので、ぜひ参考にしてみてください。
科学的に正しい英語勉強法
メンタリストとして活躍する筆者が、日本人が陥りやすい効率の薄い勉強方法や勘違いを指摘し、科学的根拠に基づいた正しい英語学習方法を示してくれています。 日本人が本当の意味で英語習得をするための「新発見」が隠れた一冊です。
正しいxxxxの使い方
授業では教わらないスラングワードの詳しい説明や使い方が紹介されています。 タイトルにもされているスラングを始め、様々なスラング英語が網羅されているので読んでいて本当に面白いです。 イラストや例文などが満載なので、これを機会にスラング英語をマスターしちゃいましょう!