「考察」は分かるようで分かりづらい言葉です...「考察」の意味とビジネスでの使い方を解説していきます。類語には「感想」「結果」「結論」「推察」「まとめ」などがあり、どれも似ています。それらとの違いも説明します。最後に英語表現も記載しています。
「考察」の読み方は「こうさつ」です。
「考察」の意味は「物事を明らかにするためによく調べて考えること」です。 「〜を考察する」「〜について考察する」の形で使います。 「考」は「とりしらべる」という意味で、「考査」「参考」などの熟語で使われています。 「察」は「あきらかになる」という意味で「視察」「警察」などの熟語があります。 「考察」は類義語の並列で成り立った熟語です。 「考察」は「物事の本質や道理を解明するために、歴史の研究やデータ解析などを通して丹念に調べる」という語感であり、学術の世界やビジネスシーンで使用される言葉です。
「考察」の類語には、
などがあります。
「考察」と似ている言葉に「感想」があります。 「感想」は「物事にふれて、ふっと心に浮かんだこと」を指します。 「考察」は「分析をし自分自身でよく考える」という意味です。 「感想」には「分析する、よく調べて考える」という意味合いは含まれません。あくまでも「心に浮かんだ思い」です。 「感想」には思考や調査、分析が含まれないため、ビジネスでは使用しません。 「感想」の同義語には「所感」「感懐(かんかい)」「所懐(しょかい)」などがあります。
論文では、 目的 ↓ 方法 ↓ 結果 ↓ 考察 ↓ 結論 の順番で書きます。 「結果」は「ある行為から生じたもの、それを記録したもの」です。 「考察」は「結果が導かれた理由・原因を調査し、それに対する自分の考えを持つこと」を指します。 「結果」とはただの事実であり、自分の考えは含まれていません。
「結論」とは「考察の末に下される判断」です。 「結論」とは目的に対する最終的な意見です。 極論を言えば、目的と結論だけで論文やレポート、プレゼンは成り立ってしまいます。 しかし、結果からなぜそのような結論が導き出されたかを詳しく解説するために「考察」が存在します。
「まとめ」とは「ばらばらだったものを集めて整理し一つにしたもの」という意味です。 「まとめ」というのは既存の考え方や分析されたデータがあり、それを単に整理したものです。 「考察」には自身で調べて導いたオリジナルの考えが含まれます。「まとめ」には独自の思考が伴わず、単純に情報を体系化・整理したものを指します。
「推察」は「他人の心中や事情をおしはかること」です。 「推察」の同義語に「推量」「推測」があります。 「推察」と「考察」の間のニュアンスの言葉は「推考」です。
です。
「考察」は学術用語として、大学の論文や実習のレポートなどしてよく使用されます。 小中高でも理科の実験で「考察」を書いた経験がある人もいるのではないでしょうか? 論文は基本的に下記の流れで書いていきます。 1. はじめに 2. 目的 3. 方法 4. 結果 5. 考察 6. 結論 7. 参考文献 「考察」とは、結果を踏まえて結論を出すために、様々なことを調べる過程を指します。 そこには個人的な考えなども含まれ、論文において最も大切なパートとみることもできます。
ビジネスシーンでの「考察」も基本的な使い方は同じです。 ビジネスにおける「考察」は、仮説を元にサービスやプロダクトを展開した後にそのデータを分析し、原因や本質を明らかにし、次にどのような施策を実施すべきか決める過程を指します。 ビジネスにおいて最初の仮説が外れることは日常茶飯事で、そこからどのように考察し、次のアクションに繋げるかが極めて重要です。 正しい選択肢を選ぶことよりも、選んだ選択肢を正しくしていく姿勢が常に求められます。そのためにも「考察」はなくてはならないビジネス習慣の1つです。
ビジネスにおける「考察」の具体例
上記のように、事実・結果・データを踏まえて、次の施策の繋がる分析のことを「考察」といいます。 必ず次のアクションとセットで考えることが大切です。意思決定を伴わない「考察」はビジネスの世界では無意味になってしまいます。
「よく調べること」という意味の「考察」に近い意味を持つ英語は
などになります。 「考察する」は、
などと表現します。
You should give careful consideration to that question.
その問題は丁重に考察すべきだ。
He investigated veganism from an environmental point of view.
彼は完全菜食主義を環境的観点から考察した。
This is a study of birth rate in developed countries..
これは先進国における出生率の一考察だ。
論文やレポートで使う「考察」は、英語で「discussion」といいます。 result(結果)==> discussion(考察)==> conclusions(結論) の順番で論文は書かれます。 「discussion」の基本的な意味は「議論」「審議」で、日常会話ではこの意味で使うのが自然です。 学術的には「discussion」を「考察」の意味で使います。
I don't think there is any room for discussion.
もう議論の余地はないと思います。
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「考察」とは、結果と結論をつなぐ橋渡しの役割をすることがご理解いただけたと思います。 ビジネスシーンでは、レポートやプレゼンを書くときは結果と結論だけでは説得力がありません。 考察を明記することで、なぜそのような意思決定をしたのかが明確になります。 常に、目的→方法→結果→考察→結論 の流れを意識し、データや情報を整理しましょう。